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自己啓発本アレルギーが啓発された本


読書の秋ですね。


本屋さんを無作為に歩くのが好きなのですが自己啓発本コーナーはいつもちょっと胸焼けします(笑)

一言で自己啓発本っていってもいろいろあると思うんですけど、私は、本に限らずあらゆる人やものとの関わりが勝手に自分との対話・自己啓発になりがちなので、対象側から「啓発したりまっせー!」ってかんじだと衝突事故になるのかなぁとも思ったりしました。




自己啓発本が苦手な理由



色々考えて噛み砕いたりして自分の人生に取り入れたいのに、言い切りや強すぎる言葉が多いと心が拒否っちゃって「もういいや〜」ってなる。


あの強めな感じが好きな人もいるだろうけど、私は自分の頭で考えたり感じたりできる余白がある本の方が好みです。



「これはこうだ!」とダイレクトに教えられるよりも、色々と考えさせられてハッ!!ってなりたい。メッセージ性強いの好き。考えさせられたがり。


テレ東の「Re:Hack」っていう番組に芥川賞作家の羽田圭介さんが出た時に、彼が実用書ではなく小説を書く理由として
「喋りはある意味要約された極論みたいなものだけど、人が何かを認識する時は極論じゃない」みたいな話をしてて印象的でした。


私的に最高に面白くて神回でした〜!芥川賞の年収は興味ないけど!




前置きが長くなりましたが、そんな私が啓発された本!


前田裕二さん『メモの魔力』





買ったその日に読破しました!3ヶ月くらい前かな?
自己理解を深めるためだったりいろんな勉強をするときに、この本で紹介されてたメモ法を実践しています。

前田さん、『人生の勝算』って本も先に出されてて、タイトルからしてTHE!!な雰囲気からちょっと嫌煙してたのですが(ただの自己啓発本への偏見です)、朝の番組で拝見するといつも物腰が柔らかくてニコニコしててめっちゃメモってるのが印象的な方でした。あと美肌。




『メモの魔力』の自己啓発本としての感想をゴリゴリの主観で書いてみます。褒め散らかしますが回し者ではありません。


①強く言い切らないのに説得力がある



言葉の選び方にとても謙虚さを感じました。
それでも強い説得力があるのはきっと、圧倒的な努力と熱意があるからなんだと思います。


前田さん自身の、人生に対する真剣さからくる温度のある言葉がヒシヒシと伝わってくる。
ところどころで語られているご自身の経験談でも自己理解の深さを感じました。就活時代に書いた自己分析ノートが30冊あるとか、、!


そして、「言葉」とも丁寧に真剣に向き合う人なんだろなと思いました。


②読者を置いてけぼりにしない



随所随所に読者への気遣いが垣間見えて、優しい人だな、、と感心してしまいました。

自分の文章を読んで読者がどう感じるかを先読みしてフォローできる想像力がすごい。「こう言うと、こう感じる人がいるだろう」って考え抜いて言葉を選んでるのが伝わる。


その気遣いのおかげか、私は何の引っかかりもなく一気に読みました。痒いところに手が届きすぎて。もはや全然痒くないのに「ああ、言われてみればそこも痒いかも」「そこが痒くなる人もいるのね」みたいな(笑)

それをしながら自分の言いたいことも解像度高めに強い説得力で伝えられるってスゴ。小手先のテクニックというよりは根っこの人格が素晴らしいんだろうなあ!



よく分からんなと感じるところもあったけど「それでいい」とも思わせてくれました。その点に関しては理解度30パーくらいだったけど実践してみたら徐々に身についてきて、そういうことか〜と。


③学んだことを実践させる


これは自己啓発本で一番大事なんじゃないかと思います。実践してこそ啓発本。


私は本書に書かれてたメモによる自己分析法をすぐに実践してみたんですけど、それってスゴいことですよね。読み終えた時は明日にでも始めようと前のめりでした。

「やらなきゃ」と思ってやるのと「やりたい」と思ってやるのとじゃ、姿勢も違えば吸収できる量も全然違いますもんね。

そんな感じで、前田さんの著書は他にも読んでみたい!!と思いました。


③読者のために弱い部分を晒す勇気



実は前田さんは苦労人で、「この人の優しさはここからきているんだろうな」と思わざるを得ない。子どもの頃にご両親を亡くされて、以後お兄ちゃんや学校の先生、おばあちゃんなど周りの人に無償の愛を捧げられたことで生きてこれた、と。
子どもの頃に路上ライブとかしながらお小遣い貯めてたみたいです。逞ましい・・・

弱い部分とは、その頃に抱いていた周囲への嫉妬心、劣等感でした。これが人間らしかった。ただただ強い人間じゃなかった。さらに魅力的。


そこから少し影響を受けて、私も自分の弱さを晒すことの抵抗がなくなっています。丁度、考え方がその流れに変化していたのもある。人を魅力的だと感じるポイントが変わって、自分もそうなりたいと思うようになった。


で、その姿勢を見た誰かが完璧じゃない自分を認めたり、生きやすくなったりしたらいいな〜なんて思うようになりました。前田さんほどの影響力はないので、身の回りから少しずつ。

自分もそのほうが幸せだし生きてるって感じがして心地いいことも分かりました。

そんな人がこのメモ習慣で人生を好転させたのを語られるともう説得力の塊ですね。「メモで人生変わる」とか前田さんしか言えないわ。



前田さんは読者に「どんな原点であれ始めることが大事」と伝えたかったそうです。

愛だなあ。



④言葉への愛が伝わる


前田さんの言葉って、オリジナリティと品があってすごく素敵!!そのヒミツもこの本に書いてあったのでありがたく私も真似しています。いつか身につくと信じて(笑)


この本に惹かれたのはきっと、サラッと立ち読みした時に言葉好きな自分が反応したんじゃないかと思います。読んでて共感する部分もあって面白かったです。


前田さんは「自分の心が揺さぶられた言葉」「価値観に触れた言葉」をメモして、そこから自分の言葉に転換する作業をするみたいです。


普段自分が触れている言葉って、自分が発する言葉に自然と影響を与えてると思うんですけど、それを能動的にやるっていうのが画期的。面白い。楽しい。


そして自分を表現する言葉が増えるって気持ちいい。言語化能力を高めるとストレスにも良いっていいますもんね!
具体的なハウツーを教えてくれた前田さんに感謝です。




啓発されたのも、私の中に前田さんの感性と似たものがあったからなのかもしれませんが。。

ここに書いたこと以外にも考え方や気付きなど得たものが大きすぎて、これで1500円なんて安い。


これだから読書はやめられませんね!



ではまた〜!

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