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わたしのアート原体験


昔からよく写真を撮ってると「何撮ってんの?」と聞かれることがあって、自分でもよくわからなかった。けど、最近その答えが一部ピンときたので忘れないうちに言語化!

ピンときた理由は、ボーイフレンドから聞いたとある美術館の話!
アメリカかどっかの美術館の館内で誰かが鉛筆を落としちゃって、すると他の来館者達がその落ちてる鉛筆を展示されてるアート作品だと勘違いして立ち止まって鑑賞し始めた、というエピ。

これ聞いた時に、私も人間が無意識に残している行動の跡におもしろさ(ときに視覚的な美しさ)を感じて、よく写真を撮ってしまうな、、!って気付いた。まさに私は、その来館者達と同じでは?!ってピンときてこれを書いています。

私がいつも惹かれるのは、たとえば

・誰かの落とし物
・文房具コーナーのペンの試し書き
・積雪した駐車場の轍
・絵を描いた跡のパレット、周辺の汚れ
・Apple Storeに置いてあるサンプルの新機種のカメラロールにうっかり残ってる他のお客さんの試し撮り
・そのスマホの画面をOFFにしたときに画面に残ってる指の操作跡、指紋
・駅のホームで電話してる人の仕草や行動
・子どもの落書き(何かを描こうとしてるものではなく、そのペンや筆の感触を知りたいとか、どんな色が出るのか知りたくて描いてるっぽいやつ)
・朝起きた時の布団の乱れ具合
(私は死んだように大人しく寝るので綺麗なのですが、たまに乱れすぎて芸術的な人がいる)

、、など。

あと、フレンチレストランで一年くらい働いていたとき、お客さんの食べたあとのお皿見るのなんとなく好きだった。なんとなく。フレンチのソースって鮮やかで絵の具みたいだし、お皿の余白多めなのでめちゃくちゃ食べ方の個性がそのまんま残るんです。たまに洗い場入ってたとき、下がってくるお皿見るの結構楽しみの一つだった〜!そのまま飾れるくらい芸術的なときあった。

「何撮ってんの?」と同じくらい「何でそんなこと憶えてんの?」もよく言われるんだけど、その憶えてることのうちいくつかがそれとリンクしていることに気づいた。
小学生のときの記憶でめちゃくちゃ鮮明なのがあるー!


わたし子どもの時めっちゃくちゃ片付けが苦手で、小学校の通知表に「自分の机とその周りを綺麗にしてから帰りましょう」って一年中書かれるほどだった。家でも「片付けなさい!」ってめちゃくちゃ言われてた。言われすぎて響かないくらい(響け)
たぶん「片付けなさい!」がもうドアが閉まる音とか誰かのクシャミくらい聞き流してたと思う。ごめんよ母。大人になってから母に「私って全然叱られたことなくない?」って聞いたら「あんたは言うこと聞かんし諦めたんや。あんたは昔から全部右から左や」って言っててビックリ。私はちゃんと叱られていたらしい。

でも、母が面白いこと言ったときのことはちゃんと覚えています!小学生のある日、母が
「もう!全部出しっぱなし!あんたが学校から帰宅してから今までの行動が全部手に取るように分かるわ!」って言った時につい、、といいますと??ってなった。

すると母が私が脱いだズボン(上から見たら🐽になってるあのカタチ)を指差して「ほら!ここで脱いだのそのまんま!靴下も!この部屋あんたの抜け殻だらけやん!」って言って、「うお〜ほんとだ!気付かなかった!おもしれえ〜!🐽」ってなった。ちなみに脱いだ後の服のこと抜け殻って呼ぶの今でもハマってる(まさかのロングヒット)

母「そこのタンスも開いとるやろ!ほんで今履いとるやつに着替えてんろ!お茶飲んだコップも出しっぱなし!鼻かんだティッシュもそのまんま!!」

私「うおー!ほんまやー!!(感動)」

たぶんこの時に初めて、無意識に出しっぱなしだったモノたちの存在に気付いた。目の前で起きていることだけでなく、少し前を振り返る意識が芽生えたのはこの時なのかもしれない!何かをやると痕跡が残る!痕跡って面白い!あ、大人のみんなはそれを片付けろと言ってるんだ!!みたいな。たぶんこれが、ぱなし原体験です。

思えば、両親は色んな伝え方してくれてたなぁ。普通に伝えても聞かないけどちょっと捻ると食いつくのたぶんバレてた。父はふざけるのが得意で、脅しのレパートリー多すぎて毎回爆笑してたもん。「パジャマ片付けんと細木和子呼ぶぞ!」はとか腹よじれた。でも「スイカの種食べたら頭からスイカ生えてくる」は信じてギャン泣きした記憶。当時の私は、細木和子よりも頭からスイカの方が現実的だったらしい。

それでもちゃんと片付けできるようになるんですね。今でも物はよく失くしますけども(学童通ってた頃のあだ名、忘れ物の女王)(ランドセルを学校に忘れた伝説)


話が逸れましたが、今でも私が撮りがちな痕跡たちは「なんでこんな形になったんだろう」とか「なんで敢えてこうしたんだろう」とか、あーでもないこーでもない、っていろいろ考えるのが楽しい。あ、一人で考えるより誰かと言い合う方が好きかも。べつに理由なくていいし正解とか知らないですけど(あったらあったでそれも面白い)、ワクワクする。し、色とかカタチとかに美!好き!を感じることもたくさんある。

美術館の鉛筆の落とし物も、鑑賞者にとって何か意味ありげに見えたのか、考えさせるものだったんだろう。それ自体に意味ないのに。面白い!世界の有名な遺跡とか、当時の人が仕掛けた壮大な遊びだったら最高やなってたまに思います。私も何か遠い未来の人たちに残しとこうかな!実家の庭に意味ありげに石でも積み上げてみるかー!地球が生きてればの話ですが!

まあその話思い出して「アートってなんなんだろう」って考えてたんだけど、わかんなかった。アートって言葉なんとなく使ってたけど。アート好き〜よく言うてたけど。なんか美術の成績は記憶にないし(授業すら記憶にない)、美大とか出てないしアートの知識もほぼないけど、アートって楽しいなぁとは思うんですよね!

あの、美術館とか何かアートにたくさん触れたあとの帰り道や日常に目に入るもの何でもかんでもアートに感じて思考生まれる感覚とかも好き。美術館は「アートを集めました、ここはそんな場所です」って感じがするのでたまに行きたくなる。最近行ってない!オーストラリア来る前に住んでた箱根は美術館が多かったな。日本画展が面白かった(また話が長くなる、割愛)

いつか自分が遭遇したいろんな痕跡たちを集めた写真集でも作ろうっと。適当に遺跡も作りたーい!

ではでは〜