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白鳥になりそこねた私

優雅に見える白鳥も 水面下ではバダバタと頑張ってるって言うじゃない?

私の体型はというと、少々小柄ではあるが
世に言う中肉中背というやつで
太っているわけでも痩せているわけでもない。
しかし、寄る年波には勝てず
良い感じにお腹が丸くなっている。

今日も その可愛いお腹を なでなでしていたところ
ふと、あの日のことを思い出した。

「イタイっ! 痛いっ おヘソが痛い!!!」
(念の為に書き記しておこう。
「おヘソ」とは身体の真ん中にある
カエルにはない あの「おヘソ」)

まぁその痛さたるや 筆舌に尽くしがたい激痛!!
親を叩き起こし夜間の急病センターへ
医師いわく「あなたは、おヘソと内臓の間が塞がれていない。その繋ぎ目で炎症をおこしています。」
「そんな事ってあるの?今まで1回もそんな事なかったのにね、急に何でやろ??」と訝しがる両親。

「ははぁーん、あれやな・・・」
思い当たるところのある私。

時は「バブル」、私も有頂天な時代のおこぼれにあずかった楽しい青春時代。
ワンレンに太眉 派手目な化粧をほどこしたお姉さん達が、我がもの顔に街を闊歩していた。
若い平野ノラさんが溢れかえっていたと想像して頂ければ・・・
まぁそんな感じ。

ファッションと言えば 「ボディコン」
身体にピタッと沿うタイトなシルエットが特徴 。上品に着こなすには少々テクニックを必要とするスタイルが王道であった。

20歳そこらの私は考えた
「ボディコンを綺麗に着こなすために、まずは腹筋を鍛えよう!」
1日100回以上の腹筋を毎日毎日つづけた
何をしても三日坊主
いや、2日しか続かない私がよく頑張ったと思う。
その結果がおヘソの激痛だったんだけど・・・

それから半月ほど出勤前に「おへその消毒」に通う羽目となった。

若い女の子の美への執着は、今も昔も変わらない
とても可愛いと私は思う。
当時の私にも「ご苦労さん!」と声をかけてやりたい。間違っても「馬鹿だね!」なんて言わないよ。

今では笑い話だが、当時は本気で痛かった
この話を読ん出くださったかたにも オヘソを大切にしていただきたい。

この出来事から数年後、私は2人の娘を授かった。
妊娠するたび、大きくせり出してゆくお腹を眺めながら
「おヘソから内臓が出て来たらどうしょう!!」というゾンビ的妄想に取り憑かれ、不安な妊婦生活を過ごすことになるとは
白鳥を目ざしていた頃の私は、知る由もなかった。


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