思い出をどのように保存するかは人それぞれである。今時はアプリで写真や文章とともに思い出を記録し残す人が多いと思うが、あえて手間をかけてスクラップブックを作るのも楽しそうだ。かくいう私は最近までその目的でSNSをすることがなかった。

卒業したら以前ほど頻繁に会えなくなる人も増える中で今後どのように皆の状況を知るのかと、必要に迫られてやっと自分のアカウントを運用するようになった。SNSを見ていると色んな人の日常やハレの日の思い出を追体験し、分有することができる。思いの丈を文章に綴ったり写真を上手にスクラップして載せたりと感心してしまう。

これまで進んでSNSをしなかったのは、ただ心の中にしまっておくのが最も綺麗にさながら保存する方法だと思っていたからである。例えば忘れないように日記に綴ったりアルバムを作ったりしても、あくまで自分で見る専用だ。誰かに見せる必要があるのかと本気で思っていた。

しかし実際に距離ができると互いが元気であることを示すためにも、他人に見せる手段で繋がっていられるのはありがたいことだと感じる。思い出のしまい方は人それぞれだが、いい思い出を共有してくれるとこちらまでいい気持ちになれる。ほどほどに眺めている分にはちょうどよく楽しめるものだ。

それでも自分に関しては思い出をそっとしまっておきたいと考える方である。頑張ったことを改めて認めてもらうのも気持ちいいはずだが、ふと振り返った時にいい思い出であるほど時間をおいても美しいものだ。どんな形であれ、これからも思い出を大切にしまっておきたい。