エッセイ初体験の相手ーLiLy

突然ですが、私はエッセイを読むのが好きです。
今日は大好きだったLiLyさんというエッセイストとの出会いについて書かせていただきます。

「大好きだった」ということはつまり過去形。そう、今は少し距離を置いています。

私とLiLyさんの出会いは高校生の頃でした。
当時ViViや、今はなくなってしまったGLAMOURSなどの雑誌を読んでいた私は、広告ページに載っていた「タバコ片手におとこのはなし」というLiLyさんのエッセイが目に留まり、即購入しました。

『タバコ片手におとこのはなし』 ~20代の切なさ、恋の孤独と、女友達
LiLy


もちろん、タバコを吸える年齢でもなければ、話のネタにするような男もいない時代…でも、この本が、女子高生の私には雷に打たれたような衝撃を与えてくれました。人生の少し先を生きる先輩の言葉はセンセーショナルで刺激的でした。

特に当時、どの雑誌を読んでも「モテヘア」「モテメイク」「モテ服」と清楚なゆるふわコンサバ特集が多かったので、この本に出てくるLiLyさんの

「不特定多数からのモテに価値はない、私は特定の一人の男にどっぷり愛されたい」

という趣旨の文章に、「パイセン、一生ついて行くっす!」となったことを覚えています。

また、LiLyさんは帰国子女で英語ペラペラ、上智大学のイスパニア語学科卒のめちゃ頭いい上に、HIPHOPやクラブに精通しているギャル姉さん…と片田舎の女子高に通う私にはめちゃめちゃ憧れの存在になっていきました。

そしてなんといっても彼女のハングリー精神と夢に邁進する姿が本当にかっこよく、彼女の執筆している他の著書はもちろんのこと、ブログも初回エントリーからさかのぼって読み漁り、SNSもすべてフォローし、高校を卒業し、専門学校を卒業し、就職してからもサイン会へ足を運び、彼女を神と崇めていました。
著書を読んでは「わかるわかる!そうそう!」と膝を叩きまくり、友達に共有しまくり、悩みが解決されれば雲が晴れたような気分になりました。もし理解できないことがあっても「うん、これはきっと大人になったらわかること」とスルーしていました。

しかし、就職し様々な人たちと出会い、様々な価値観に触れる中で「あれ?なんか共感できなくなってきたぞ」と違和感のようなものが自分の心の中に生まれました。LiLyさん自身も結婚、出産、離婚とどんどんライフステージが変わっていくタイミングでした。

大人になった私はこの感覚を知っていました。高校卒業後、同級生の友達と話がかみ合わなくなっていく感覚と非常に似ていたのです。

女子高生と少し年上のお姉さんから、社会に出たてでもがく独身女と子供二人を育てながら夢を追いかけ続けるワーママと、ライフステージがお互いに様変わりしていたのです。

私が新入社員でガムシャラに働いている頃、LiLyさんは結婚の本を出し、社会人としてやっと一人前になったころには出産の本を出しました。もうこうなると全くついて行けない。将来的には役立つかもしれないけど、今この情報はまだいらない…。そして極めつけは、バツイチ子持ちとしてのコラムやエッセイ…うん、まったくわからない世界(笑)

そんなこんなで、自分を見つめなおし、私は今、LiLyさんの本とは距離を置いています。でもそれでいいかなと思っています。もし私が出産のタイミングになったら「Ninpu Talk with Lily」を読めばいいし、30代にの成熟した女になれたら「目もとかくして男の話」を読んだらいい。

きっと年齢や仕事の状況、パートナーとの関係性などによって、読みたい本・必要な本って変わってくると思うのです。それこそが成長と思っています。いざというときに寄り添ってくれる本があるということを「知っている」状況も今は心地よいと感じています。








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