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GEZAN の『Silence Will Speak』を聴いてみた編

こんばんは、内山結愛です。

今回は GEZAN の『Silence Will Speak』を聴いてみた編をお届けします。

赤黒い地獄のような前半と、生々しくも希望の光が差し込むような後半との緩急、魂の咆哮。

エネルギーに満ちた重厚な演奏と言葉で救いあげる一枚。

ぜひ、読んでみて聴いてみてください!

1.忘炎 / forgotten flame

人間の枠組みからはみ出たような、言葉にならない魂の叫びで始まるのヤバい。声にならない、音で表せない「ヴォエ」の音からから叫びが始まるの良い(うまく伝えられない)。「アルバムの始まりは絶対声からにしたい」という強い思いを確かに感じる。一生に一度出せるかどうかの声だ…。燃えたぎる地獄。ドラムが情報量多い。ベースの低音も格好良い!1:27〜こんなにも言葉がスパスパと耳に脳みそに入ってくるのか、という声。サビ前の間奏格好良すぎる。2:00〜サビ、想像していなかったような展開。希望が、パワーがあってなんか泣きそうになった。2:30〜咆哮。この咆哮からこの歌声が出てくるのギャップだ。3:20〜ここからのメロディと歌詞、有難うございます。3:50〜泣。有難う…有難う。4:16〜「持ってちゃいけない感情なんてない」って言葉に、すごく救われる。ヴォーーー!!!!!!!!

2.無神 / NO GOD (know?)

「ハッーハッー」っていう息を吐く音とドラム。ドラムの響き方、空気感、これがアルビニの技…!!血生臭い地獄。全てを破壊し尽くす勢いのボーカル。1:19〜この「ハッー」に息を呑む。1:30〜叫び声と歌声とのギャップに何度でも驚いてしまう。ラップみたい。死ぬほどブチギレている時にこの曲聴いたら、自分の周りのもの全て壊してしまいそう。3:11〜ギターのメロディ好き!!3:35〜悪魔の叫びから歌声への切り替えゾクゾクする。こんなにも重たい、ヘヴィな演奏があるのか。強いぬかるみ。逃げられない。

3.肉体異詩 / BODY ODD

ノイジーで強烈な切れ味のギターリフ。演奏の重みが…本当に格好良い。刺激的な個性の塊たちが一本のマイクで繋がって、共鳴しあっているのが凄い。CAMPANELLA、ハマジ、LOSS、カベヤシュウト、OMSB(敬称略)という錚々たる面々…!1:50〜ライブだと死者出てしまうのでは…?というくらい過激な演奏。全身で爆揺れしながら聴くと気持ち良すぎる。2:24〜狂犬。もう何が起こっているのかわからないし、わかろうとしなくていい感じ。感じるがまま。全てのことが起こっている。この軌跡のような魂のぶつかり合いがこうして形に残っていることが凄いや。3:37〜突如現れる救いのメロディに泣いてしまいそうになる…!3:55〜何コレ、全員が格好良いやつだ。弟子になりたい。そんな短くもないのに、あっという間に終わって、夢か現実の出来事なのかもわからない。

4.懐かしい未来 / Nostalgic future

一音目から格好良い。ヒソヒソ声がゾクゾクする。この声で語られると、全てのことがとても重要なことのように聞こえる。遠くの方で強烈に叫ぶ声も聞こえる。0:48〜綺麗だ…。「イメージは時代を形成する」という言葉が耳に残る。硬そうな弦の音。1:29〜「金属の雨」で本当にコロンコロンって金属の雨の音がする。ギターのアルペジオ美しすぎる。イメージ…イメージ…イメージが永遠を回収する…。遠くの方でずっと叫んでいるの気になる。

5.細光胞 / DNA

満面の笑みが思い浮かぶような明るい歌声。元気出る。でも「チリゴミクズ」とか「壊れる」とか歌っている。メロディが本当に良い。1:25〜ドラムが入って、もっと格好良くなる。ドラムの聞こえ方がやはり凄い。奥行き、立体感。1:40〜小刻みなギターフレーズどうなってるの!?メロディアスでポップなメロディに乗せて「クソな真実ならエレキでかき消そう そのためにファズがある この歪みこそが愛だよ」とか歌ってしまうの本当ずるいな。歌詞が凄く好き。最後の最後まで演奏が格好良すぎる。ハァ……色々なことを感じすぎて…胸がいっぱい。

6.優陽 / red kind

イントロ、これはたしかに優しい陽な音。無邪気な歌声が紡ぐ言葉たちが、生々しく眩しい。ベースの音が格好良すぎる。ドラムの音の広がりがやっぱり良いな。2:00〜子供時代にタイムスリップしたみたい。なんか、現実じゃない、今じゃない空間が在る。2:51〜サビのメロディ、切なくて懐かしくて、綺麗だ。3:38〜強烈なギターが真っ赤。強烈な咆哮。炎。4:33〜ドロドロなのに、どうしてこんなに綺麗なんだろう。透明な心。明日からも頑張ろうって思える。

7.龍のにほい/ smells of unbelievable

泣きたくなるような美しい曲が続く。アルペジオにそもそも弱い。余計なものが削ぎ落とされている。歌声が優しい…。希望の光。一曲目のことを思い出すと振り幅が凄いな…!?より沁みる。夕暮れ時の河川敷を見た時と同じ気持ちになるコーラス。4:00〜ボーカルのリバーブが深くなって、ドラムの立体感もより感じられる。4:49〜左耳で獣が囁いている。不思議と全てが噛み合っている。

8.淡赤 / Ambient red

このアルバムの前半凄く、地獄だと、救いがないと思っていたのに、後半はそれをひっくり返すような力強いパワーを持つ曲たちに救い上げられる。素敵すぎる。1:33〜ベース、恋。1:50〜ここの絶妙なメロディの音程、天才だ。悲しみの終わり。2:26〜全ての音が鳴っているし、全てのことが起こっている。一曲目の「持ってちゃいけない感情なんてない」って言葉を思い出す。赤黒く、生々しく、濁っているけど眩しい光…凄い…。3:52〜サビの入り方格好いい!!!どんどん音で混雑して、混沌を極まる世界の中、歌声だけがひたすら眩しい。救世主だ。4:44〜ひたすら良すぎる。何もかもがめちゃくちゃだけど、とても正しい。

GEZANは2009年に大阪で結成されたロックバンド。当時のメンバーはマヒトゥ・ザ・ピーポー(Vo.、G)、イーグル・タカ(G)、カルロス・尾崎・サンタナ(B)、石原ロスカル(Dr)。現在、ベースはヤクモア。
本作は、メンバーチェンジを経て、2018年にリリースされた4thアルバム。レコーディングエンジニアはSteven Albini。アメリカのシカゴにある彼のエレクトリカル・オーディオ・スタジオにてレコーディングが行われた。


このレビューを書くにあたって、本作にまつわるいくつかのレビューを読んだのですが、マヒトゥ・ザ・ピーポーさんの紡ぎ出す言葉が、感性がとても興味深いもので、より作品の世界観に没入しちゃったな…

マヒトさんが一曲目の「忘炎 / forgotten flame」でも、「持ってちゃいけない感情なんてない」と歌っているのがとにかく印象的で、好きでした。

インタビューでも「自分のなかでの黒色というか、いわゆるヘイトと言われるような感情や感覚でも存在を許したいという気持ちがあった」ということを語っていて、その音楽の向き合い方が本作でも確固たるものとして貫かれていると感じました。

(時々大切なものを壊したくなってしまうという話で、ご両親の結婚指輪を理由もなくドブに捨ててしまったという話が本当にブッ飛んでいてヤバかった…)

それに、ドラムも沢山のマイクを立てるSteve Albiniのレコーディングスタイルのお陰で、深くて、広がりがあって、ドラムが自分の周りで鳴っているみたいで格好良かった…生き物だった!

前半のドロドロ地獄で殺伐ハードコアから、希望の光が差し込んでくるような後半の展開も本当に凄かった…色々なことを感じすぎて本当に胸がいっぱいです。

ライブ観に行きたい!!!RAYのファンの方にもGEZANファンの方が多くいらっしゃって、ライブがヤバいとオススメされ続けているので本当に行かなきゃマズイ。行きます。

まだまだSteve Albiniプロデュース編いきます!


次回は 54-71 の『enClorox』を聴いてみた編をお届けする予定です。

最後まで読んでくださり、有難うございました。

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