見出し画像

【サクライ雑記】ファッションと映画、たまに音楽

こんにちは、サクライです。

名作の中に名優がいて、それを華やかに彩るファッションがある。
もちろん音楽映画も切っても切れない仲ではありますが、写真などからも滲み出る俳優たちの魅力的な着こなしに重点を当てて、今回はご紹介していきます。


Nuovo Cinema Paradiso (ニュー・シネマ・パラダイス)

「写真などからも滲み出る」という言葉を使いましたが、「Nuovo Cinema Paradiso(1988/Giuseppe Tornatore)」のように、写真からでも曲が聴こえてくるような映画もあります。

画像1

Ennio Morriconeによる美しい挿入曲のそれぞれは、少年トトからサルヴァトーレへと成長していく様子を表現する上で無くてはならない要素です。

もちろんイタリアの片田舎の人々の等身大なファッションも魅力的。
少年トトジャケットタートルネックニットを合わせたり、丸襟シャツネクタイを合わせたりと、大人顔負けなコーディネートにも注目です。

アルフレード「お前とはもう話さない、お前の噂が聞きたい」という言葉に込められたに全世界が号泣したことでしょう。
(自転車の上でトトアルフレードキャスケットを被っているあのサイズ感サクライは大好きです)

うーん、やはり良い。このnoteを書き終えたらまた観よう。


Ralph Lauren (ラルフ・ローレン)

映画ファッションという話題になるとたびたび取り上げられるのが、ポロマークでお馴染みのRalph Lauren

Papa Hemingwayと並びロストジェネレーションを代表する作家、F. Scott Fitzgerald原作の「The Great Gatsby(1974/Jack Clayton)」では、デザイナーであるRalph Lauren自身が衣装の制作を担当。

画像2

メンズファッション史におけるドレススタイルの参考資料としても、決して色褪せることの無い不朽の名作となっています。

ちなみに2013年にBaz Luhrmann監督によるリメイク版も発表されており、なんとこちらではメンズの衣装にはBrooks Brothers
(ブランドの歴史的には逆じゃないんかとツッコミを入れたくなりますが)
そしてレディースにはPRADA、ジュエリーはTiffany&Co.という豪華布陣。

やはり格段にテンポも良く、単純に映画として楽しみたい方にはバッチリおすすめです。
Leonardo DiCaprio成金ファッションな着こなしも決まってて、一周回って格好良いです。
ほぼ同時期の「Wolf of Wall Street(2014/Martin Scorsese)」と合わせてお楽しみください。

そしてRalph Laurenで忘れてはならないのが、「Annie Hall(1977/Woody Allen)」
こちらは衣装提供ではありますが、主演女優のDiane Keatonが自分自身でセレクトしてスタイリングした着こなしを披露しています。

女性がメンズウェアを巧みに着こなすという、当時としては斬新かつ衝撃的なコーディネートでしたが、ストーリーの普遍性とチョイスしているエバーグリーンなアイテムが相まって、映画としてもスタイリングとしてもスタンダードの一つとして認識されるようになりました。

画像3


Léon (レオン)

そのアイテムが揃うだけで、映画の一場面すら思い出されてしまう「Léon(1994/Luc Besson)」

画像4

丸いサングラスニット帽ロングコート白T
「鉢植えを抱えて歩く時にはこの格好で」と心に決めているサクライですが、なかなかそんな機会は無いままに30歳を越えてしまいました。

女性にとっては、若きNatalie Portman演じるマチルダファッションが印象的ではないでしょうか?
少女とは思えないほどのクールな着こなしの数々が楽しめます。

ショートボブチョーカーを付けてMA-1を着ていたならば、それはもうLéonを観たことがないと言っても誰も信じないので気をつけましょう。


Serpico (セルピコ)

サクライの中で永世定番として、映画とファッションの結び付きを語る映画としてオススメしたいのが「Serpico(1973/Sidney Lumet)」です。

画像5

ニューヨーク市警の不正や汚職に内部から立ち向かう警察官の実話に基づいた作品で、主演を名優Al Pacinoが熱演しています。

ストーリーの中で、セルピコ麻薬捜査官として潜入捜査のために、ヒッピーファッションワークスタイルなどに身を包むのですが、その一つ一つが最高としか表現ができないほどに格好良い!

定期的に観たくなるだけでなく、ストーリー的にもファッション的にも観るたびに新たな発見があるマイモストフェイバリットムービーです。

Al Pachinoの出演作品では、「Carlito's Way(1993/Brian De Palma)」も大好きな映画ではありますが、ファッション面でSerpicoに軍配。

こればかりは騙されたと思って是非一度観ていただきたいし、この映画が好きな方は是非仲良くしてください。

ちなみにAl PachinoJack Nicholsonは、サクライが好きな俳優ランキングにおいて殿堂入りしております。


A Clockwork Orange (時計じかけのオレンジ)

ファッションブランドの中には、映画を題材にしたアイテムをリリースすることも多々あります。

最近ですと2019/20AWUNDERCOVER「A Clockwork Orange(1971/Stanley Kubrick)」を題材にしたアイテムを発表していました。
(2021/22AWでは、アニメのエヴァンゲリオンとのコラボだそうな...)

アイテムもランウェイも不思議に溢れておりますが、映画そのものも無茶苦茶にぶっ飛んでいるので、むしろちょうど良い。

画像6

その暴力性や理不尽さで敬遠されることもある作品かと思いますが、カメラワーク、編集、音楽、ファッション、インテリアや、ストーリー展開など、全てを合わせた完成度は他の追随を許さず、諸々のマイナス要素を勘案しても人生において一度は観るべき映画としてご紹介します。

実はサクライも、このA Clockwork Orangeを題材にしたTシャツを一枚だけ持っています。

画像7

画像8

こちらは80〜90年代にハリウッドを中心に活動していたMosquitoheadというシルクスクリーンで一世を風靡したブランドで、オリジナルタグを採用するまでは、HanesStedmanのアメリカ製ボディをそのまま使用していました。(ストリートブランド的な感覚ですね)

画像9

画像10

ブラックボディのTシャツをブリーチして色を抜き、シルクスクリーンでプリントを落とし込むという、もはやアートピースのような一着。

年々希少性も増しているアイテムなので、額でも買って飾ろうかなぁと本気で考えている今日この頃です。


Cidade de Deus (シティ・オブ・ゴッド)

ザ・ファッションって感じではないのですが、ブラジルストリートチルドレンの抗争を描いた実話に基づいた映画「Cidade de Deus(2002/Fernando Meirelles)」

画像11

一部配役を除いて、スラム街でオーディションを行い、アドリブ主体の演技を収録しているという撮影裏話も秀逸な本作です。

巧みな伏線回収や重厚なストーリー展開、目を惹きつけるカメラワークに場面を引き立たせる音楽

その中でもサクライの心に響いたのが、ベネというワルなのに良いやつというキャラがお洒落に目覚めるところ。

殺伐とした暴力的な日常の中に、ファッションの楽しさとの出会いという、世界中の人が共感できる原体験が挿入されており、それが一種の清涼剤として機能しているように感じました。

この映画をキッカケに、サーフブランドHANG TENを見る目が変わったサクライです。


Do the Right Thing (ドゥ・ザ・ライト・シング)

そして忘れてはならない巨匠、Spike Lee監督。
自身の映画制作会社の名を冠した40 Acres and a Muleというブランドも運営していたりと、まさに映画×ファッション(もちろん×音楽も)。

80〜90年代のNIKE本体やジョーダンアパレルでは、Spike Leeのカルチャー要素溢れるコラボアイテムも多数出てて、映画好きはもちろん、ファッション好きからも人気が高いです。

数ある作品の中でも、特に「Do the Right Thing(1989/Spike Lee)」は未だ完全に解決されていない社会問題をトピックに扱いながらも、魅力的なキャラクターや鮮やかなファッションや街並みを楽しめる名作です。

時代や文化を問わず、密接な関係性を持ち相互に作用してきた映画とファッションと音楽。
切っても切れないその関わり合いを意識しながら、それぞれを楽しむのもオツではないでしょうか。

画像12


おまけのヒロ・ムライ

映像ファッション音楽が揃えば、「鬼に金棒」「弁慶に薙刀」「虎に翼」ですね。
そんなこんなでサクライ映画ミュージックビデオがとてもとても大好きです。

もう色々なところで話題が出尽くした作品ですが、ここ近年ではChildish Gambinoによる「This is America」は未見の方は是非。
社会問題を扱った曲なので、ムービーも同様にセンセーショナルな内容にはなりますが、歴史に残るミュージックビデオでしょう。

所謂ビートスイッチと呼ばれる音の移り変わりの展開も巧みで、サビに音を増やすとかのレベルではなく、ガラッと変化するその落差にも思わず引き込まれます。
ヒップホップを初めクラブミュージックは同じ展開が続いているものが多く、単調でつまらないという意見も良くありますが、近年こういうアプローチの曲も増えているので、より多くの人に届くのかなぁなんて思っております。
(直近だとVIC MENSA「FR33DOM feat. Zacari」、これも落差が凄く初見の時は「は?」となりますが、スルメみたいにハマる曲だと思います[意:噛めば噛むほど味が出る]。)

「This is America」のミュージックビデオを手掛けたヒロ・ムライは、鬼才・Michel Gondryを擁する映像集団Partizanに所属するフィルムディレクター
Childish Gambinoの他の曲でもディレクションしており、初めてサクライがその存在を意識したのは「3005」にて。

曲の良さもさることながら、観覧車ワンショット撮影ってのが面白いじゃないですか!
良いものはいつまでも良いなぁ、テディベアに注目して楽しんでください。

Flying Lotus「Never Catch Me feat. Kendrick Lamar」という名曲のミュージックビデオも手掛けていて、こちらもめちゃめちゃオススメです。

ちなみにヒロ・ムライ、父はハイファイセットフィンガーズYMO赤い鳥「翼をください」を手掛けた村井邦彦というのもミソですね。

日本を代表する映像作家として、個人的には黒澤明北野武是枝裕和の次に名前が上がっても良いんじゃないかなぁと思うのですが、いかがでしょうか?

最後は安定の脱線で失礼しました。
好きなものをコンパクトにまとめると、文章が支離滅裂になるという、良き経験でした。
ではまた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?