ドーナツと日本
日本の国旗がドーナツに見える人います?
いませんよね。
この記事では、「ドーナツ」という単語が信じられないほど使われています。もし「ドーナツ」ではなく「ドーナッツ」じゃないと気が済まないという人がいれば、今すぐブラウザバックしてください。あまりのドーナツの圧に心臓発作を起こしてしまう危険があります。
そんなことより、ドーナツはアメリカのソウルフードとして知られています(偏見)。
朝食やおやつ、昼食やディナーにドーナツを食べる人もいるくらいですが、何故そんなにもアメリカにドーナツが根付いたのか。
調べると第一次世界大戦の際、故郷の味を思い出させ士気を高めるために、兵士達にドーナツが配られていた歴史があるそうです。日本でいうおにぎりのようなものですね。
日本でドーナツといえば「ミスタードーナツ」のイメージがあると思いますが、アメリカは違います。
では年がら年中ドーナツばかり食べているアメリカ人は、どこのドーナツを食べているのでしょうか?
そうです、「ダンキンドーナツ」です。
日本ではあまり馴染みが無いかも知れません。それもそのハズ、馴染みどころか店舗が日本に無いんですから。
ところで、ドーナツ以外の商品も展開していくという理由から数年前にブランド名が「Dunkin' Donuts」から「Dunkin'」に変わっているので、上の画像は古いロゴだということは周知の事実ですよね。
...そもそも日本と違ってアメリカにはダンキン、ブルースター、クリスピークリームなどの人気ドーナツ店がたくさんあり、豊富な楽しみ方で国民に愛され続けているんです。
日本とアメリカで人気の店が全然違うのは何故なのか?
その歴史を簡単にまとめてみました。
1950年から、創始者であるローゼンバーグは義妹の夫ハリー・ウィノカーとともにダンキンドーナツを運営していましたが、経営方針の違いからハリーは独立し、1956年にボストンにてミスタードーナツを創業します。
1970年頃にミスタードーナツは日本のとある会社と提携し日本に出店するのですが、それがなんとあのお掃除サービス会社のダスキンです。
ダスキンの社長がフランチャイズ事業を勉強するためにアメリカに行った際、ミスタードーナツの社長と仲良くなって日本に出店することになったそう。「ダンキンとダスキンの名前が似てるから、間違えて買ってくれる人がいるかもね!HAHAHA」という話があったとか無かったとか。
さらに急展開ですが、年月が流れ1990年頃、イギリスの大手飲料会社アライド・ライオンズがダンキンドーナツとミスタードーナツを買収します。そしてダンキンドーナツがミスタードーナツを吸収合併し、その後アライド・ライオンズが他の会社に売却したため、実質的にアメリカのミスタードーナツは消滅。
よって現在アメリカにミスタードーナツは存在しません。
...例外として、ミスタードーナツが大好きな店主の愛と情熱により、そのブランド名で営業する店が1店舗だけ残っています。
イリノイ州にあるので、機会があれば行ってみては。空港からタクシーで約30分ほどです。
...いかがだったでしょうか。意外と濃い歴史だったでしょ。
そんなこともつゆ知らず、日本ではミスタードーナツのピカチュウドーナツをピカピカ言いながら楽しんでいるわけです。かわいいですね。
ちなみに、ダンキンドーナツも実はミスタードーナツと同じ時期に日本に出店していましたが、先にミスタードーナツが日本で力をつけすぎていたため、業績不振により1998年頃に撤退。かわいいですね。
他にもアメリカで有名なドーナツ店が多数日本に出店しては撤退を繰り返しているのですが、何故ミスタードーナツ以外のドーナツ事業は日本で失敗してしまうのかというと、日本人の健康志向があると思います。糖質とカロリーの高いドーナツを毎日食べるのは抵抗があるんだもん。ミスタードーナツで十分だと思っている人が多いんでしょうね。
余談ですが、大阪の吹田市にダスキンミュージアムという施設があります。
掃除の会社とはいえ、誰がどう考えてもメインはミスタードーナツの方であり、掃除用品の歴史とか興味ないですよね(偏見)。
1階の「ミスドミュージアム」では実際にドーナツを作ったり食べたりお土産を貰ったりできるので、興味があれば足を運んでみてください。
2階の「おそうじ館」では申し訳程度に「おそうじヒストリー」とか「おそうじの研究コーナー」とかやってます。チラ見だけでもしてあげてください。
あとこれも余談ですが、ドーナツの消費量一位の国は日本でもアメリカでもなく、圧倒的にカナダです。
ドーナツが食べたくなってきたので余談はこれくらいにして、この記事を要約すると、日本ではダンキンドーナツが無いし、アメリカではミスタードーナツが無いし、ミスタードーナツは掃除会社が運営しているし、ピカチュウはかわいい。
ということです。結局ね。
さて、読んでいる人がドーナツの記事なのにドーナツの画像が全く使われていないことに気付いたところで、終わりです。さよなら。
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