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日記2023.01-02

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記録 一月四日/はじまりの前夜

明日から仕事始めだ。
やっと。

12月中旬に突如職を失い、急ぎ派遣の仕事を探して、決まったのが12月21日。
そこから2週間、長かった。

仕事もない、お金もない、予定もほぼない、気力もない、趣味もない。ないない尽くしの人間にとって2週間はあまりに長く、孤独で、何かが胸につかえているような心地がした。

今日は、明日からに備えて食事の作りおきをするつもりだった。昨日の眠剤の影響か、11時頃にやっ

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記録 一月五日

午前6時。目覚ましの音で目が覚めた。大学生の頃は禍々しい警告音を最大音量で流しても全く起きられなかったというのに、いまは穏やかなピアノと小鳥のさえずりの音楽で、しかもごく小さめの音量で起きている。人は変わるものだな。こんなに安心した心地で、余裕をもって寝て起きることができてるなんて。

顔を洗って、下に降りるとシェアハウスの友達がソファで寝ている。たとえ寝てるとしても、人の気配があるというのはいい

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記録 一月十二日/怠惰な人間なりの奮闘

思いのほか軽やかな木曜日だった。
いや、今週は三連休だったから、正確には水曜日というべきか。

何日か前は鬱を思い出すような目覚めの感覚の悪さで先の不安がよぎったものの、その後は問題なく起きれている。
日々のルーティンを固めるべく手探りしていた数日間。通勤をはじめて1週間で、ついにフィットする形が見えてきている。

混雑のピークを避けるため始業の45分ほど前に着く電車に乗る。通勤快速は身動きとるの

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記録|一月十三日

これが華の金曜というやつか。
特になにも予定はないのだけど。退社して駅へ向かう道すがら、明日は休みだ!カラオケでも行きたいな、などという気持ちが腹の底から湧き上がってきて、華金を実感する。

今日の朝も変わらず、1時間前に出社した。始めの頃はギリギリまで近くのカフェにいたが、ここ数日はオフィスの休憩室にいる。人気が少なく静かなオフィスの中を、自席まで歩いていく。この時間はすれ違う人の顔ぶれも同じだ

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記録 一月十六日/繰り返す

 3日目の曇天。今日も朝から小雨が降っていた。傘はなくても大丈夫な程度の。天気による気持ちの落ち込みはない。
 ただ、理由はなく苛立っていた。数日前に、遠回しにかわいくないと言われたこと、平均より太いと言われたことがずっと頭にこびりついている。今日の苛つきは、そのことへの怒りが時間差で湧き上がってきているのか、不調子だから通常なら受け流せていたことが受け流せていないのか。
 いずれにせよ、容姿のこ

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記録|一月十七日

 この1行目を書き出すのに5分かかった。ほぼ昨日と同じ1日で、書くことがないな、と思ってしまった。でもよく考えれば、些細ではあるけれど違いもあったことを思い出す。苛つきがなかったこと。雨が降っていなかったこと。昨日より冷え込んでいること。鳩に餌をやるおじさんが気になったこと。公園のベンチで見覚えのある人と隣になったこと。同じ日々の繰り返しがない頃は素通りしていたかもしれないような、日常の小さな変化

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記録 一月十八日

 万事快調の1日だった。強いて言えば、晴れるかと思っていたら今日もまたどんよりした空だったことが不満だったくらい。
 仕事のミスもなかったし、自分の処理スピードの遅さや記憶の不確かさを気に病むこともなかった。というのも、昨日は仕事で教えてもらったことの記憶が定着しきっていない様が露呈して、一緒に作業していた土田くんから「事務初めてっすか?それなら大変すよね。」といったことをしきりに言われたのが引っ

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記録 一月十九日/夢、かあ

 眠りが浅い。新しい仕事を始めてからずっとだ。寝不足感があるかというとそうでもないのだけど。今までが熟睡感がかなりあったから、それと比べると物足りなく感じてしまう。初の5連勤となる今週、4日目の今日はややガス欠気味で、度々あくびが出た。お昼はいつも通り持参したお弁当を食べたけど、物足りなくてコンビニでチキンも買って食べた。おやつのチョコも、いつもより多く食べた。疲れが出てきているらしい。こういうと

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記録 一月二十日

 強い眠気と共にスタートした金曜日。電車通勤をするようになってからというもの、行きの電車内ではニュースをみるようにしているが、今日はいつもより軽くチェックする程度にして、あとは目を閉じていた。不快な眠気を覚ますため太陽を浴びようと、会社の最寄駅からオフィスに直行せず公園を散歩する。
 けれども、新宿の朝は高層ビルに遮られて地表にはなかなか日が届かない。同じ時間に新宿に通うようになって2週間経つが、

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記録 一月二十三日

 休み明けだというのに若干寝不足でスタート。休みモードでゆったりしていたら色々と後ろ倒しになってしまい、更には夜になって掃除のスイッチが入って、なんだかんだで0時就床。0時寝6時起きで物足りなさを感じるなんて、随分と健康的な感覚になった。
 昨日は、久々に体重と体脂肪を測った。数値のうえでも、人生で1番だらしない体つきになっている。ほんとうにまずい。パンツはどれもチャックを閉めるのもやっとな状態に

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記録 一月二十四日

 人との話が弾んだとか、たくさん笑ったとか、天気がよくて気分がよかったとか、そんな調子で気持ちがカラリと晴れている1日だった。特別理由はない。たまたま「そういう」日だったのだろうと思う。
 …理由はないと書いたけど、やっぱり一つだけあるかもしれない。私にとって十分条件じゃないけど必要条件ではある、という感じのものが。
 それは、最近よく耳にするようになった「心理的安全性」とやらが高い場所にいること

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記録 一月二十五日

 この冬一番の寒さだった。おとといから、今日の寒さは頭にあって、1番暖かい服を着られるように調節もした。靴下を二重にして、腹巻きもして。自転車は寒そうだから、電車で。
 昼休みの散歩は迷いながらも決行した。さすがに今日は公園の人影は少なく、ベンチで昼食をとっている人は全くいなかった。散歩前、休憩室でご飯を食べていたら石原さんが隣にきた。少しの間沈黙が続いたけど、おにぎり2個とみかんしか出さなかった

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記録 一月二十六日

 できることが増えるって、いいものだ。元来、私は何かを達成したいという欲求が全くないわけではないけど弱い方で、毎日が平穏無事に過ぎていけばそれがいいと思っている。
 中高6年間続けた陸上だって、結局のところ勝ちとかタイムの向上を渇望することはできなくて、ただ部活の友達との関わりが楽しかったから続いただけだ。
 特にここ数年は、向上心みたいなものも失せていたし、できないことはできないから、自分の得意

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記録 一月二十七日/父、母、憐れみ

 仕事帰り、父と2人で食事をした。顔を合わせるのは実家にいた頃以来だから、1年半ぶりか。実家にいた頃もああ、とか、うんとか言うくらいしか言葉を交わしてなかったから、あんなにまともに会話をしたのはもはやいつぶりか思い出せない。職場の最寄駅で待ち合わせて、合流してすぐは「ああ、ちょっときついかも」と思ってもう帰りたくなっていたけど、時間が経つとその感覚も薄れた。
 仕事の話、田舎暮らしに憧れているとい

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