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総合事業を地域づくりの基盤に。市町村は地域をどうデザインしていくのか 次期改訂案から

9月29日開催「第4回介護予防・日常生活支援総合事業の充実に向けた検討会」を傍聴しました。
資料 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35514.html

今回は、かなりインパクトがありました。
介護予防・日常生活支援総合事業(以下、総合事業)の理念を再整理。その実効性を高めるための変更点や具体案が提示されました。

まず、中間報告の整理として、テキストとその内容をまとめた資料の説明が事務局からありました。資料2「中間整理に向けた議論について」は、コンセプトを図版にするなど、わかりやすくまとめたものになっています。
P1-2でコンセプトの整理。P3-4で対応案、具体案の構成です。

●総合事業の充実に向けたコンセプトの整理

資料2「中間整理に向けた議論について」P1
資料2「中間整理に向けた議論について」P2

介護保険の理念は、高齢者の尊厳と自立した日常生活を地域で支えていくこと。

そのために、

「総合事業では、市町村が中心となり、医療・介護専門職がより専門性を発揮しつつ、高齢者や多様な主体を含めた地域の力を総動員するという視点に立ち、地域をデザインしていくことが必要」
「高齢者自身も多様な主体の一員となり、地域社会は形作られている」
「総合事業の充実とは、こうした地域のつながりの中で、地域住民の主体的な活動や地域の多様な主体の参入を促進し、医療・介護の専門職がそこに関わり合いながら、高齢者自身が適切に活動を選択できるようにするもの」
「総合事業の充実を通じ、(一部略) 介護が必要となっても必要な支援を受けながら、住民一人ひとりが自分らしく暮らし続けられる「地域共生社会」の実現を目指していく」

資料2「中間整理に向けた議論について」から一部抜き出して引用

介護保険の枠組でありながら、地域共生社会実現のために、制度を活用していこうということでしょうか。
市町村、そして住民、高齢者自身、民間事業者も……。もう地域を総動員しないと、介護保険という制度が持たないとも言えます。
ただ見方を変えれば、一丸になれば、地域全体が変わっていく、まさに地域共生社会が実現するかもです。
総合事業が新たな局面に入ったと感じます。

●総合事業の充実に向けての対応案・具体案

では具体案としてどうなるのか。
今までは高齢者に提供するサービス事業者の視点から、地域の多様なサービスや支援を高齢者が選択するという視点で、事業を再構築するということでしょうか。これは、もう資料2を、特にP4を読んでもらうのがいちばんです。

資料2「中間整理に向けた議論について」P3
資料2「中間整理に向けた議論について」P4 

●制度変更として具体的にどうなるのか

介護予防・日常生活支援総合事業の充実に向けた検討会中間整理骨子(案)にある
「高齢者目線に立ったサービスのコンセプトを軸とする分類」
「継続利用要介護者の利用対象サービスの拡大」
「市町村がアレンジできるよう多様なサービスモデルを提示した支援パッケージ」
「総合事業の介護予防ケアマネジメントに関する報酬は市町村の裁量により設定が可能である。このため、市町村が事業デザインや地域のリソースなども踏まえつつ目標志向型ケアマネジメントを推進」
などの記述も気になりました。具体的なもの、もう決まっていそうですね。
また、国からはインセンティブ交付金や伴走的支援等を通じて、市町村を支援と記載されており、市町村は総合事業の取組への強化がかなり期待されていそうです。

今回は、ざっくりの提示がありましたが、制度としての細かな部分の仕込みも、もうしっかりとありそうです。
次回より具体的な内容が提示されるのを拝見したいと思います。

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