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ホス狂続けてればよかった

ホスト狂い、続けてればよかったです。

18歳になってすぐ歌舞伎町のホストクラブに行った。
それはちゃんと将来のことを考えていたからです。
大学に行けるような余裕のある家庭じゃなくて、どうしても行きたいなら行ってもいいよって言われたけど、そんな余裕ないの普通にわかるし、どうしてもかって言われるとそんなにでもないなって思っちゃう、奨学金借りたとしても大学行ったらその間普通に働いてたら家に入れられるはずのお金はなくなるわけだから、まあ働いた方がいいなってなった。大学行きながら風俗したらお金入れられるなって思ったけど、風俗で稼げる保証もないし、じゃあ稼げるかどうか試すために今から働くか!と思ったけど高校生だから出来ないなってなって、結局高卒で就職した。
てかわたし言い訳ばっかりだね。すみません。

それで事務の仕事してたんだけど、田舎の中小企業だったし、なんか男尊女卑もすごいし田舎特有のネチネチもすごいし、給料も雀の涙。
髪の毛もネイルもできないし、かといって転職しようにもだれが高卒の特別なにかできるわけでもないやつを雇うねん、、となって、資格とろうかなって思ったけどお金もないし、あーここでずっと働き続けるしかないんだなっておもった。

親のお金で大学行かせてもらって一人暮らししてる子達が羨ましくてたまらなかった。わたしもそうしたかった。
でもそんなこと今から嘆いても仕方がないし、頑張ってる人は自分でお金ためてあとから行ったりしてるし、ただの私の努力不足だった。
でも努力できるような人間ならこんなことになってないし、もう死にたかった。死ぬしか道がないとおもった。

だからホストクラブに行った。ホストクラブに行けば病んで死ねるだろうって思ったから、ホストクラブに行った。
キラキラしていて、夢みたいだった。顔の綺麗な人たちがニコニコして話しかけてくれる、、、幸せだった。少し低い椅子と低い天井、香水の匂い、、、本当に好きだった。担当のことも大好きだったけど、あの空間ごと好きだった。
風俗と昼職の掛け持ちをはじめた。ホスクラ行って帰ってきてお風呂入って2時間くらい寝て昼職に行った。寂れた空気感と閉塞感を感じながら謎に給料でないのに早く出社させられて床の掃除してた。みじめだった。ホスクラにいるときの私と今のわたし、本当に同一人物なのだろうか、、、
昼職のおばさんは、彼氏いないのー?とか聞いてくる、だるすぎる、いないですっていって年期の入った机の上で節約のために手作りしたお弁当食べてた。本当はひとりになりたかったけど、こっちで食べなって言われるからそうしてた。
なんかもうもろもろみじめだった。
退社したら家に帰ってご飯食べてメイク直して風俗出勤してた。
風は歌舞伎寄りの場所にした。
田舎で身バレが怖かったのと、こっちで稼げるようになったら昼職辞めて、ホスクラに行きやすくしたいって思ってたから。
稼げた日はいいけど、稼げなかった日はこのぶん寝れたなって思って死にたくなった。客に気持ち悪い話をされて、わたし昼でも夜でも人間扱いされてないなっておもった。唯一人として扱ってくれてるって思えるのはホスクラだけだった。本当は人じゃなくてお金として見てるってわかってたけど、でもお金を出させるために人としてみてるフリをしてくれて、それでもよかった。

ずっとこんな生活をしてて、睡眠時間なんてほとんどなくて、私元々寝るの大好きだからしんどかった、でなんか風も1日1万とかしか稼げないし移動距離も長いし交通費もかかるし、昼職も入って一ヶ月目くらいで普通の量の仕事任せられるようになって、ここは当日になって○○さんに電話して聞かないとわからない数字!みたいなのがあったのね、でも電話してもその○○さんの機嫌が良いときじゃないとその数字教えてもらえないし、そんな感じのが多くて仕事進まなくて、で○時から別の所に移動して仕事するって言われてたから、その時間までに終わりそうになくて上司に伝えたら、そんなの伝える暇があるなら終わるように頑張るんだ!て言われるし、結局終わらなくてその移動場所から帰ってきたあとに定時2時間くらい過ぎてやって、でそのあと上司にチェックしてもらわなきゃだから上司もいて、もっと早くやれって言われて、よくわかんなくなった。

もう全部どうでもいい、担当もいいし昼職も夜職も全部やめる、だって全部報われない、私が私である以上全部報われないんだっておもって、最後にしようって担当の店に向かった。
七夕の夜だった。
浴衣の担当はかわいくて、「どう?似合うー?」なんて言ってくる、うん、似合う、似合うに決まってるじゃんて思いながらこれで最後なんだなって思うと寂しかった。勝手に最後にしたのは私だけど。1回少し休むとかでもよかったけど、休んでる間に切られるのが怖かった。だったら私の方から切ろうって思った。

エレベーターの中でいつもハグしてくれてたから、その時に抱っこしてって言った。最初で最後のお願い事だった。今までこっちから何かしてほしいなんて要求したことひとつもなかった。
そしたら抱っこしてグルグルまわしてくれて、1階についたら人いて、気まずいねーなんて喋りながら手を繋いで歩いた。担当の横顔はすごく綺麗でかわいくて、この時間がずっと続いてほしいと思った。
でもそれと同時に、この時間が終わればまた地獄の昼職と地獄の夜職が待ってるって思った。今急に心臓発作とか起きないかなーとか思う。
いやちがう、そんなことの前に担当にもう店行かないことにするって伝えないと、って思って伝えた。案の定なんで?みたいな話にはなる、まあでももう疲れちゃったって言った。
そのときに担当が目擦ってたけど、泣いてなんかなくてアイシャドウがキラキラしてるだけだった。泣いてるフリをすれば信じこむって思われてたんだ。しにたい。

このまま死のうって思って泣きながら歩いてた。
でも死ぬのにも体力って必要だよね。結局何もできずにしばらくうずくまってた。終電やばいかもってなって帰った。

そのあとは昼職と夜職をやめて、ひきこもってた。なんだったんだろう。この約3ヶ月間はなんだったんだろう。未だにこれを越える何かには出会えてない。はやくしにたい。


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