少女Aの日記

記憶を辿る。 記憶を綴る。 記憶を繋げる。

少女Aの日記

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最近の記事

見せ物

私をここから連れ出そうとしないで 私はここにいれば好きな物たちと過ごせる 私はここにいれば素直な私になれる 私はここにいれば本当の私になれる 私はここにいれば輝くことができる 私はここにいれば自分が好きになれる だから 私をここから連れ出そうとしないで でも許されない 私が幸せになることを 世界は許してくれない 「こっちへ来なさい」 「そんなところに1人でいると寂しいだろう」 「一生そこで過ごすつもりかい?」 「さぁ、みんなの輪に入りなさい」 「みんなの前に立ちなさい

    • 余所者

      私は"余所者"としてやってきて、 再び"余所者"として去っていく。 この私の旅は、時期さえも選べない。 道も自分で決めなくてはならない。 これ以上、ここに長居してどうする? 私は追い出された身分なのに。 ミュラー、冬の旅より。 私はどこへ行っても余所者だ。 どんな場所にも、 どんな立場にも、 落ち着くことができない。 どこへ出かけても、 誰と話していても、 得られるものは 「自分は余所者だ」 という自覚だけ。 湖の真ん中にポツンと浮かんだ1滴の油のよう。 何をして

      • 自慢相手

        私は決して人前で自慢話をしない。 人に嫌われるのが怖いからだ。 そもそも私には友達が少ない。 腹を割って話せる人なんて存在しない。 だから、何かを自慢したくても、自慢のしようがないのだ。 そんな私が唯一、本音をぶつけることができる相手。 それは「過去の私」と「未来の私」だ。 私は私の前でなら、変な遠慮もせずに、 自然のまま、思いを打ち明けることができる。 私は過去の私に向かって言う。 お前は私の人生の中でイチバン惨めな存在だ、 お前に比べたら、今の私はこんなに幸せだ、

        • 小さな遊び心

          私が生きる上で最も大切にしているのは「遊び心」だ。 心に余裕があるときも、ないときも、 この3文字だけは忘れないようにしている。 年を経れば経るほどに 周囲は退屈な人間ばかりになっていく。 あまりにも遊び心を大切にしてきたせいか、 私は最近、生きづらい。 自分だけ、ひどく子供であるかのように思えることが増えた。 自分の周囲だけ、勝手に時が進んでいるように思った。 私も皆と同じく、 人生という名の道の上を、 普通に歩いているように思っていたが、 それは私の勘違いで、

          後遺症

          体調が悪くなった。 授業中、ずっとお腹が痛い。 毎朝、吐き気がする。 人前で過度に緊張するようになった。 些細な出来事を引きずるようになった。 夜、眠れない。眠たいのに、眠れない。 目を閉じたら金縛りに遭う。 幻聴、幻覚、幻触。 毎晩だ。 クラスでは1人ぼっち。 孤立。人間不信。 授業にも集中できない。 人と話すのも怖くなった。 人と目を合わせるのも怖くなった。 年中手放すことのできないマスク。 着けていると安心するから。 1人でじっとしていると 嫌な記憶が次々と浮かん

          眠れない夜

          私が初めて人の死について考えたのは 4歳のときの、ある夏の夜。 今思えば、 あの夜が初めての「眠れない夜」だった。 絵本の世界にだけ存在すると思っていた「死」が 初めて私の世界に影を落とした日。 高い天井に大切な人の顔が、 浮かんでは消え、浮かんでは消えた。 おとうさん おかあさん おじいちゃん おばあちゃん いつか必ずやってくるであろう別れの日。 ずっと一緒には居られないのだと、 そのとき、なぜか私は一瞬で理解をした。 その日は、お泊り保育の日だった。 みんな

          眠れない夜

          書くこと、残すこと。

          嫌な思い出は手に余るほど沢山ある。 どれ1つでさえも、出来る限り思い出したくない。 だけれど、あの時のツラい日々を耐えてきた自分を 無下にはしたくない。 だから自分の感情を紙の上に残しておいた。 数年後の私が、これを読んでどう思うのかなんてわからない。 でも、ツラい時期からも学べることは沢山あるはずだから。 苦しい思いをしてきたからわかることだって、 沢山あるはずなの。 そう信じたいから。 深く暗い海の底で見てきた景色。 それを綺麗さっぱり忘れちゃうのは 何だか勿体ないなって

          書くこと、残すこと。