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元気がない時はかつ丼

なーんか疲れた。なーんかだるい。何にもやる気が出ない。何も食べる気になれない。そんな時はかつ丼だ!

熱がある。頭がぼーっとする。鼻が詰まっている。そんな時はかつ丼だ!

数年前、何もできない時期があった。会社に行って、パソコンの前に座って、ぼーっと画面を眺める。文字を読んでも目が滑る。1桁の足し算もできない。あれってどうなった?って言われても、ガサガサと書類を探して、やっとの思いで回答を始めるが、あぁ、もういいよ。
何もできない。社会のお荷物でしかないのではないだろうか。夜は毎日毎日、絶対に眠れるという動画を流しながら暗い部屋で目を閉じて、3時間の最後まで聴いてしまう。コメント欄にはこんなにも最後まで視聴できないと書いているのに。8時間の動画は最後まで聴いていたことが無かったので、それが救いだった。その頃、ご飯の味がしなかった。県外へ引っ越したばかりで、土地勘もない、友達も居ない。飲食店に入っても、この店がまずいのか私の舌がおかしいのかよく分からなかった。全部、大して味がしないのだ。あまり美味しくない。砂を食べているようだなんて言うけど、そんなことは無かった。そんなにじゃりじゃりしない。硬いも柔らかいもほとんどなかった。口の中に異物があって、何回も噛んで、飲み込む。そういう作業だった。腹は減る。楽しくない作業をする。吐く。便はとても硬いかとても柔らかいかの2択で、吐いた後は便が少なくて面倒が少なかった。でも吐くと疲れる。50m走を2回やったくらいきつかった。5回やったくらいきつい時もあった。

眠れないし、食べれないし、仕事も出来ることなんかほとんどない。全然ブラック企業じゃなくて、定時で上がるし、そんないじわるされるわけでもない。何が辛いの?って聞かれるだけ。きつかった。何もしたくないだけ。何もできない。ただ、眠りたい。今日も会社で何も出来なかったな、お荷物だったな、明日はこれを質問しに行かなきゃな、、って、眠れなかった。辛かった。

段々と、何も食べれなくなってきていた。食べるのは大好きなのに、なんでも好き嫌いなく食べるのに。食べても吐くし、美味しくないし、、と思っていたら、何にも美味しくなくなってきて、何も食べれなくなっていた。毎日コンビニ弁当しか食べるものはない。何を選べばいいのか分からない。いつも食べている幕の内弁当を少し残してしまった。残すなんて、あり得なかったのに。毎日何なら食べられるか考えて考えて、悩むのも辛くて、適当にあるものを食べていたら、キツすぎて半分も食べれず捨ててしまった事があった。そりゃあ、完食しないって人もいるだろうけど、大食いの私にはショックだった。それから、人に決めてもらうことにした。幸い、職場にちょっと強引で適当な人がいて、適当に理由をつけて今日食べる弁当を決めてもらった。それはなんとか大抵食べれた。一緒のものを食べるし、自分が選んだものではなく、あの人が選んでくれたものだからきっと大丈夫だ。そう言い聞かせて食べると、段々味がするようになった。唐揚げが、美味しい。涙が出るほど嬉しかった。大好きだった唐揚げが、ハンバーグが、美味しい。その頃、1番よく食べていたのがかつ丼だった。初めは熱くてキケンな食べ物くらいの認識だったけど、とりあえずかつ丼だし!とか、端から食べるしかないから、食べ方に迷わないし、全部同じ味で安心する。シンプルで良い。1週間毎日かつ丼みたいなこともあったし、3ヶ月の8割方かつ丼の時期もあった。それで段々と食べれるようになっていった。

私の元気の源、かつ丼。みんなも元気が無くなった時、何も食べる気が起きないとき。熱が出た時、喧嘩した時とにかく落ち込んだ時はいつでもかつ丼を食べることをおすすめする。コンビニでも、ファストフードでも、いつでも安心できる味がそこにある。


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