[猪熊弦一郎展 画家としてのはじまり]丸亀市 猪熊弦一郎現代美術館
丸亀市 猪熊弦一郎現代美術館で開催中の、企画展の話を先日書いた。
同美術館を訪ねるのは2回目だ。出発地は前回同様、高松。
四国の電車路線図は、旅人にとっては新鮮だ。
JR丸亀駅出口すぐの立地。
壁画と立体作品が出迎えてくれる。
前回は、晩年の、モダンで軽やかな画風の作品を中心に堪能した。
今回は、35歳までの若き時代の作品が展示。そのなかで、「いいな」と思った作品を中心に、記録していく。
■《横臥裸子と鳥達》1991、アクリル・カンヴァス、96.0×127.0
ちなみに、晩年はこんな作風。
経歴は、下の通り。「1938年フランスに遊学(1940年まで)。アンリ・マティスに学ぶ。」とある。
■《題名不明》1926、油彩・カンヴァス、80.5×65.6
■《眠れる女》1927、油彩・カンヴァス、116.8×90.9
■《題名不明》1929頃、油彩・カンヴァス、73.0×91.2
■《二人》1931、油彩・カンヴァス、160.1×129.2
■《画室》1932、油彩・カンヴァス、181.8×257.2
■《ピアノの前》1934、油彩・カンヴァス、180.0×290.0
■《海と女》1935、油彩・カンヴァス、180.1×288.7
■《馬と少女》1935、油彩・カンヴァス、112.0×144.5
■《昼》 1937、油彩・カンヴァス、191.5×129.0
■《夜》 1937、油彩・カンヴァス、197.5×289.5
■《黄昏 》1937、油彩・カンヴァス、193.5×130.5
■自然光の射しこむ静かな空間で
自然光の射しこむ、天井の高いゆったりとした空間。そんな贅沢な場所で、ひとつの作品に向き合いながら、じっくりと鑑賞することができた。
そのなかで、もしかして作家は、その都度、なにか課題のようなものを掲げ、それを自分のものにしていったのだろうか、と感じた。
その理由は、一作ごとが、過去の画家たちのトレンドや、時代感をふまえているように感じられたから。そして同時に、自分のなかで再構築してアウトプットしていった試みのようなものも。
もちろん、ただの個人的な感想でしかないのだが、80歳を超えた「猪熊さん」の作品は、大胆にいろいろなものを省き、線にはゆらぎがなく、遊び心、ユーモア、茶目っ気のようなものがあった。
それと好対照をなす、静かだけど前へ前へ進んでいく熱量のようなものを持つ作品たちとの対話を、愉しむことができた。
■カトラリーを自分へのお土産に
展示室から、1階のエントランスへ。
「GETA」という、かわいらしい作品が展示されている。
その先が、ギフトショップ。
ここのオリジナルグッズは、とてもたのしい。
今回は、気になってたカトラリーを買ってみた。お土産用のクリアフォルダも。
飛行機で来たことをすっかり失念していて、ナイフは空港のセキュリティで没収。不覚だった。
フォークとスプーンたちは今、すっかり食卓になじんでいる。
移動がそれほど負担ではなく、飛行機とホテルの料金が比較的手頃ということもあって、高松にはまた行ってしまうと思う。
そして足を延ばせば、この美術館もすぐ。
静かなときを求めて、再び来訪することになるだろう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?