見出し画像

租税貨幣論(国定信用貨幣論)について、今一度解説します。

過去に何度か記事にしてはいますが、今一度、解説していきたいと思います。

租税貨幣論、もしくは国定信用貨幣論とは何か?ということですが、端的に言って我々はなぜ、日本円(各国の自国通貨)を使うのか?という問いに答える理論になっています。

金本位制だった時代は兌換紙幣と言って、金(ゴールド)との引き換えが約束された通貨でした。ところが今は管理通貨制度の元、不換紙幣と言われる金との裏付けが無い通貨が使われています。なので現行の1万円札は原価24円の紙切れでしかありません。それでも我々日本国民はこの紙切れを…

価値ある物と認識しています!

なぜ?そう認識出来るかについて租税貨幣論では…

貨幣を税として徴収するから!

と答えています。どういうことかと言いますと、まず初めに国が貨幣を制定します。そして、それを税として納めさせる事で貨幣が通貨になるという考えです。例えば制定した貨幣を官僚に給料として支払ったり、民間人に何かの対価として支払うようにします。そうする事で制定した貨幣が世に出回ります。そして国がその貨幣を税として納めるように通告します。そうすることで民間人は制定した通貨を集めようとします。このようにして貨幣が…

通貨として機能することを租税貨幣論あるいは国定信用貨幣論

と言います。この理論のポイントとしては…

対象者にどのようにして使用してもらうか?

がポイントになります。なので回収方法について、

税の形を取る必要はありません!他の方法でも良いのです!

例として挙げられるのがトラック・システムです。トラック・システムとは雇用者が給与を通貨では無く、通貨の代用品を渡すシステムの事です。その代用品は雇用者が直接運営もしくは繋がっているカンパニーストアで使えるという物になります。詳しくは調べてもらえると分かりますが、イメージとしてはカイジに出てくるペリカを思い浮かべてもらうと分かりやすいです。現実世界だと戦前の炭鉱で使われていた炭鉱切符や大東島で使われていた大東島紙幣が良い例になります。もちろんこのシステムは…

搾取のシステムで今は立派に違法行為になります!

ただ、租税貨幣論を知る上では非常に参考になります。このシステムでは企業が発行した貨幣を税として徴収はしませんが、生活必需品をその貨幣で買わざるを得ない状況にあります。つまりです…

決められた場所での必需品の購入が税の代わりをしています!

そうなって来ると余分にその貨幣を欲しがる人も出てきます。貸借りしたり、何かをして対価の形で受け取ったりです。そうなってくるとその貨幣はその域内では…

通貨となります!

このように税でなくとも何かしらの回収システムが出来れば良いのです。ただし、このようなシステムを確立させるのは以下の条件が必要になります。

①定めた貨幣を使わせる強い権力と統治機構

②定めた貨幣があれば必ず需要を満足させるだけの供給能力

③簡単に域外には出られない拘束力

が必要になります。この条件が崩れればトラック・システムは崩壊します。これは実際の貨幣でも同じ事が言えます。③は自由に動けるじゃん?と疑問に思うかも知れませんが、トラック・システムでは無く国単位では域外は海外になります。昔と比べれば行きやすくなったとは言え、やはり簡単ではありません。少なくとも国内移動に比べたらはるかに大変です。

このように国家権力に根差した理論が租税貨幣論になります。ちなみに主流派では共同幻想という考えで貨幣が通貨になる理由を説明しています。これは昔は金となどの価値あるものと交換出来た貨幣が今は交換出来なくなっても、皆が価値ある物とみなしているので、通貨となっていると言う考えです。

どうでしょうか?この共同幻想説に比べれば租税貨幣論のほうが…

はるかに論理的ではないでしょうか?

以上になります。最後まで読んで頂きありがとうございます😊



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?