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『人間の建設』No.13 数学も個性を失う №1

小林 このごろ数学は抽象的になったとお書きになったでしょう。……抽象的な数学のなかで抽象的ということは、どういうことかわからないのですね。
岡 観念的といったらおわかりになりますか。
小林 わかりません
岡 それは内容がなくなって、単なる観念になるということなのです。……

小林秀雄・岡潔著『人間の建設』

 絵や小説の個性、酒の個性から今度は、数学と個性の話題に移ります。
「数学の抽象化」とはどういうことかと小林さんが聞いたら「観念的」とまるで禅問答のように岡さんが答えます。に対して、小林さんが「わかりません」と、もう少しかみ砕いた、わかりやすい説明を岡さんに求めました。

 数学の抽象化ということを、小林さんは、自分ではおそらく理解していたのかもしれません。でも、われわれ読者を置いてきぼりにしてはなるまいと、この言葉も持つ深い意味を理解できるよう、岡さんみずからの言葉での解説をリクエストしたのでしょうか。

 岡さんの話はこのあとも続きますがそれは次回に。


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