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138億年の隣人

ありのままのすがたをみたいとおもう。そんなことをおもってもう何億年たったのか。これからもたぶんずっとのぞみつづけるだけ。

だれが?

なにの?

なにのありのままのすがたをみたいとおもうの。

だれ、と、なに、が背中あわせになっておたがいをさがしもとめている。

かつて愛したいとおもった。
そのときなにかがうごいた。
だんだんおおきくなっていった。
それは孤独だった。
孤独はことばをつくった。
ことばはかたりはじめる。
むかしむかしの、だれもきいたことのない、はなし。
それはおしえてくれた。
ずっと愛されたかった。
愛したいとおもったとき、愛されたかった。

そっか、こんなところにいたのか。こんなところにじぶんがおちていた。

じぶんをひろいあげようとしたとき、そうしようとした、だれ、も、なに、もそこにはなかった。

でもそこにはなにかがあった。それはなにかをおもっていた。ありのままのすがたをみたいとおもっていた。そんなことをおもってもう何億年たったのだろうと、おもっていた。


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