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"高度人材"を世界中から集める新政策

時に、高度人材を国家に引き入れる事によって、その国の運命が大きく左右する事もあります。

例えば、第二次世界大戦中のアメリカは、ドイツからの移民であるアルベルト・アインシュタインを招き入れる事に成功し、その後、原爆という新たな兵器をいち早く開発し、実際に使用する事で、その後の国家間の競争においても、常に優位に立ち続けています。


そして、話は変わりますが、私は過去のnoteにおいて、"社会保障費の削減が急務である"という主張を、度々申し上げております。

しかし、現実的に考えて、社会保障費を若干減らしたぐらいで、日本のGDPが大幅に上昇するとは、考えておりません。


更に、近年、世界各国のGDPが、右肩上がりで伸びているにもかかわらず、日本のGDPだけ、成長が止まっているという状況があります。

私は、その点について、"今の日本は、本質的に、未だガラパゴス化しており、海外からの良い刺激が得られていないから、日本だけGDPが成長していないのではないか?"と考えております。

なので、日本のGDPを更に底上げするために、高度人材の海外からの引き入れが、重要であると考えております。


ですから、本noteにおいては、"どうすれば、海外から高度人材を引き入れる事が出来るのか?"という事について焦点を絞り、論じさせていただきます。


1.何故、海外からの高度人材を引き入れる必要があるのか?

OECD諸国における移住者のシェア(全学歴及び高度人材)

まず、今の日本の企業活動というのは、アメリカ程、活発でないと言う事が出来るでしょう。

アメリカでは、ベンチャー企業への投資も盛んですし、GAFAMのような次世代を担う大企業も、次々に誕生しております。

ですから、そういった日本企業活動の停滞を解消するため、もっと海外からの高度人材を引き入れる事が重要であると考えております。


2.具体案

①大学教育の質を上げる

一般的に、留学生というのは、留学先に残り、後々その国の高度人材と成り得る傾向が強い事が指摘されております。

しかし、今の日本の大学の教育の質は、国際的見ても低く、日本の大学は、世界の大学ランキングでも、欧米の大学の遥か下に位置する事から、海外の優秀な学生達から、日本が留学先として選ばれる事は少ないとされております。

また、純粋な日本人の高度人材としての質を高めるためにも、日本の大学教育の質を高める事は、必要であると考えております。


②地方分権(経済特区の設立等)

次に、優秀な外国人や、海外企業、海外のトップ大学を誘致するためには、地方分権によって、経済特区を作る必要があると考えております。

私の想定している地方分権改革では、経済特区内においては、日本の国内法が適用されず、その特区内でのみ機能する法律を作れるようになる事を想定しております。

やはり、海外の高度人材や海外企業を誘致し、思う存分に活動して貰うためには、そういった海外の人々に合わせた法律を作る必要があると考えております。

そして、日本国内に、そういった日本企業や日本の大学のライバルが増えていけば、競争が促され、イノベーションも起こりやすくなり、結果的に、GDPは高まると言えるのではないでしょうか。


現在の日本企業は、海外の高度人材に対しても、"日本語を話せる"事を求めてしまう等、まるで、日本人の代替品かのように、海外の高度人材を捉えている節があるそうです。

また、現在、修士課程や博士課程を修了したような、純日本人の高度人材の就職先も少ないとされておりますので、その点についても、海外からの企業や大学を誘致する事により、純日本人の高度人材にとっても、新しい雇用を創出する事が可能なのではないかと考えております。

3.結局、GDPや景気の良さが全てである

最近の日本人は、GDPの高さよりも、社会保障の質を重視しているような、傾向があると思います。

しかし、かつてのソ連という完成された社会主義国家の末路を見て解る通り、"いくら、完璧な社会保障があった所で、GDPや景気の良さが無ければ、国民の生活はドンドン貧しくなっていきます"

何故なら、資源や物というのは、GDPの高い所に集まる傾向があるので、どんなに、富の分配が上手く行えたとしても、その国の持つパイ自体が、ドンドン縮小してしまえば、結局、その国の国民全体が、貧しくなってしまうからです。

なので、社会保障は重要ではありますが、本来の賢い社会保障とは、GDPを引き上げる補助材のような役割であるべきであると考えております。

ましてや、社会保障が、経済の足を引っ張ってしまう事は、本末転倒と言えるのではないでしょうか。


4.日本から新しい知識集約型企業を産み出すために

私は、イノベーションは、人からしか、産まれないと思っております。

なので、これまでの日本企業のように、純日本人だけで、社内の人材を完結させてしまえば、イノベーションを起こす事が出来ず、様々な人材を活用できる海外の企業に、いずれは負けてしまう事でしょう。


他方で、アメリカは、様々な国から、多種多様な人材を最も受け入れている国であり、その恩恵を受け、GAFAM等、イノベーションを必要とする企業を次々に誕生させています。

しかし、同時に、アメリカにおいては、銃社会であったり、貧富の格差が激しい等、そのせいで、一部の人達からは、嫌厭されている部分も存在しております。

なので、私は、"日本にしか提供できない環境"、あるいは、"海外の国には無いような日本の良さ"を持ちながら、海外の高度人材の方々と協調していけば、GAFAMに並ぶような、日本ならではの新しい知識集約型企業を産み出せるのではないかと考えております。


あとがき.

最近では、ジョブ型メンバーシップ型(日本型)と言うような雇用形態についての議論がされておりますが、やはり、日本のメンバーシップ型というのは、海外の人達から見ても、馴染み辛い雇用形態であるそうなので、日本国内に、"ジョブ型雇用しか出来ない"というような地域を作ってみても良いのではないかと感じております。

また、言語の壁も大きく、アメリカは、インドのIT人材を徹底的に活用しておりますが、インドでは、英語が公用語になっている点も、その大きな要因と言えるでしょう。

ですから、日本全土では、行う必要は無いとは思いますが、"英語が公用語である"ような地域が存在しても、良いのではないかとも思っております。


やはり、今の日本は、色々な面から考えても、落ち目である事は間違い無いので、世界の人々から評価されている"日本人の謙虚さ"を基に、戦後の日本人のように、どんな事をしてでも這い上がるという精神を持ち、様々な面で努力する事を続ければ、自ずとGDPも向上し、再び、中国やアメリカに、対抗できる国になる事も、夢ではないと考えております。


参考文献.

・人材の国際移動とイノベーション (世界のなかの日本経済:不確実性を超えて)


・クラスター化する高度人材の国際労働移動 ポジション獲得競争を勝ち抜く集団


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