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スイスのプライベート・バンクに学ぶ:世界中の富裕層の資金を日本に引き込む新政策

まず、スイスと言えば、世界中の富裕層が、資産を預けようとする国として有名です。

その顧客の中には、フィリピンの独裁者マルコス元大統領や、北朝鮮の金正恩等が含まれ、各国の名だたる独裁者達が、こぞって、自身の隠し資産を、スイスの銀行に預金するという事を行っています。

そして、そういった事が起こっている主な要因として、スイスが、プライベート・バンク(通称:個人銀行)と呼ばれる小規模銀行を持ち、富裕層向けの金融サービスを提供している事が挙げられます。

なので、本noteにおいては、"何故、スイスのプライベート・バンクは、世界中の富裕層から信頼されているのか?"を紹介し、"それを、日本にも導入する場合は、どうすれば良いのか?"についても、私見を述べていこうと思います。


1.何故、スイスのプライベート・バンクは信頼されるのか?

日本のプライベートバンク事情に迫る!スイス老舗PBとの違いを解説

簡単に言えば、"高い秘匿性"と、"無限責任制"の二つが、他国の銀行や投資信託会社等と異なる点であるとされております。

"高い秘匿性"というのは、スイス国内の警察等の公的機関や、海外の政府や捜査機関に対してであっても、プライベート・バンクは、決して顧客の情報を渡さないという事を意味しています。

例えば、日本であれば、会社のサラリーマンの預金口座に、多額の入金があった場合、突然上司から呼び出され、「何か、やましい事はしてないか?」等と聞かれる事もあるそうです。

また、会社指定のメインバンクではない銀行に、その会社の従業員が、多額の預金をしていた場合も、「会社のメインバンクに、預金を移してくれないか?」等とも、上司から言われる事もあったそうです。

つまり、日本の銀行にとっては、顧客の個人情報を守るという概念が、全く存在しておらず、ましてや、政府や警察等の捜査機関から、情報開示を求められた場合、開示を断るなんて事は、殆どあり得ません

ですが、スイスの場合は、"顧客の情報は絶対に外部に出さない"という事を、18世紀頃から代々行っているため、銀行が、外部に顧客情報を漏らしてはならないという法律はあるものの、国民全体の共通認識として、その伝統を守っているという事です。


次に、"無限責任制"についてですが、顧客が、損失を被った場合、プライベート・バンクの全資産を使ってでも、その損失を補填するという事です。

日本の銀行であれば、有限責任制を採っているため、顧客が損失を負った場合でも、銀行はその損失を補填してくれないと言うのが、一般的であると思います。


2.プライベート・バンクの業務内容

まず、プライベート・バンクでは、資産運用業務のみを行っており、企業に対する融資は一切行わないとされております。

そして、その投資先も、元本保証の投資商品である場合が多いので、殆ど、顧客が損失を被る事はないとされております。

更に、企業に対する融資を行わないという事は、不良債権を抱えるリスクが無くなるため、その点も、プライベート・バンクの信頼を高める要因となっております。


そして、具体的に、どのようなサービスを提供しているかというと、顧客の代わりに、電気代の支払いや車の整備等の雑用を行ったり、更には、子供の教育の相談に乗ったりと言うような、資産運用に限らず、顧客の人生そのものを徹底的にサポートするという事を行っているそうです。

つまり、顧客にとっては、プライベート・バンクの銀行マンは、自分の大切な資産の運用の担い手でもあり、人生のアドバイザーでもあり、便利なサポーターでもあるという事です。


3.プライベート・バンクの裏側

しかし、その手厚すぎるサービスを裏付けるかのように、その預金手数料は非常に高く、中には、年間で、預金額の10%が手数料として取られるという話もあります。

また、最低でも、日本円換算で、5億円からしか預金を受け付けない等、高いハードルも設定されております。

ですので、一説によると、利用者の大半は、脱税目的であると言われていたり、各国の独裁者のような、他国では、資金を預けられない人々が利用しているとされております。

歴史的に言えば、ナチス・ドイツソ連、更には、ナポレオンが統治していた頃のフランスも、スイスの銀行を頼っていたとされております。


4.日本には、富裕層向けの商品・サービスが少なすぎる!!

最近、日本においては、所謂、頂き女子りりちゃんによるパパ活詐欺によって、一般男性が、数千万円という大金を騙し取られてしまったり、Facebookによる有名人を名前を勝手に使用した詐欺広告によっても、騙された一般人女性が、資産を数千万円失ってしまうというような事案が多発しております。

ですので、"1000万円からでも、資産運用を任せられるような、プライベート・バンクのような資産運用会社があっても良いのではないか?"と思った訳です。


更には、カジノ等、富裕層をターゲットにした商品・サービスが、日本には、余りにも少なすぎるのではないかと個人的には感じております。


5.世界中の富裕層の資金を日本に引き込むためには、どうすれば良いのか?

まず、富裕層が投資をしたくなるような金融商品を、日本が持つという事が挙げられます。

勿論、高利回りで、元本割れも起こりにくいような完璧な投資商品を意図的に作る事が出来れば、誰も苦労しません。

しかし、それでも、"国家全体で、世界中の富裕層が買うような投資商品を産み出す"という共通認識は、持つ必要があるのではないかと思っております。

そして、具体例を挙げれば、日本の株と不動産が、それにあたると言えます。

ですので、日本の株と不動産の価値を、維持向上させ続けるような政治を行い続ける事が、必要であると考えております。


次に、"地方分権を行い、日本国内に経済特区を作る"という事を提唱したいと思います。

勿論、地方自治体が主導するのではなく、中央政府が主導する場合には、厳密には、地方分権とは呼べませんが、中央政府が主導する形で、地方分権を行っている中国においては、香港という成功事例があるため、日本においても、上手く行く可能性はあると思っております。


具体的には、以前から申し上げている通り、経済特区内でのみ通用する法律を作れるように、その経済特区にも、立法権を持たせて、日本国内に別の国を作る事と同視出来るような措置を講じるという内容となります。

そして、そうする事で、スイスや欧米諸国から、優秀なプライベート・バンクや銀行マンに来てもらい、その方々が活動し易いような法整備を迅速に行う事が出来るでしょう。

その経済特区内に、日本人が、独自のプライベート・バンクを作るというやり方もありますが、やはり、本場のプロを呼び、本場のプライベート・バンクを直接呼び込んだ方が、非常に効率が良く、日本人にとってもいい刺激となるため、前述のやり方であるべきだと考えております。


あとがき.

本編においては、スイスのプライベート・バンクの"秘匿性"について言及いたしましたが、実質的には、スイスは、タックスヘイブンと同視出来てしまうため、アメリカや他の欧米諸国各国の圧力によって、現時点では、以前程、その秘匿性を維持する事は、難しくなっているそうです。

しかし、それでも尚、多くの富裕層が、スイスに資産を預けている事は事実ですので、今後の日本の参考になるのではないかと思い、記事にさせていただきました。


また、現在のスイスは、一人当たりのGDPも高く、物価水準や賃金も高く、失業率も低いというような、日本にとっては、理想の民主主義国家と言えるような状態を維持しておりますが、その裏付けとして、富裕層向けの商品やサービスを提供するような企業が多数存在したり、プライベート・バンクのような、富裕層向けの資産運用サービスが存在するという事が挙げられると思います。

その一方で、日本にはそういったものが存在せず、未だに製造業が中心産業という状態ですが、今後グローバル化が更に進み、安い労働力を提供できるような国々は、一層増えていくと予想出来るため、日本は更に窮地に立たされるだろうと考えております。

ですから、今後の日本が、一人当たりのGDPも高く、物価水準や賃金も高く、失業率も低い国であるためには、スイスを見習い、世界中の富裕層が、こぞって資金を預けたいと思えるような商品・サービスを開発する事が、非常に重要であると考えております。


参考文献.

・図解スイス銀行: 究極のプライベートバンク

・スイス・プライベートバンクの教科書―新たなライフスタイルの実践


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