見出し画像

今日は一人でいい

今日は一人で映画を観に行って、感動したのでパンフレットを買った。
パンフレットを買うために売店に並んでいるときにカップルが大量にいて、すごくイチャイチャしていた。
その光景をほんのすこしの羨望を込めて見つつ、
一人で堂々と映画を観て生きている自分に変な満足を覚えたりもした。
休日に朝早く起きて、趣味の写真を現像しに行って、朝マックを食べて、映画を観て泣いて、パンフレットを買おうとしている自分に少し満足できた。
髪を染めてジャージみたいな格好をしている男と量産型女のカップルや、キノコ頭でヒョロヒョロの男と足をほっぽり出している女のカップルがどこか歪で気持ち悪かった。
お互いどこが良くて付き合っているのだろう、と思った。
きっと私には知らない何かがあることだけはわかる。
だが、くねくねしながら想像の域を全く超えない会話をしている彼らはとてもつまらない。
彼らを見ているうちに気持ち悪さが渋滞して、ふと後ろに一人で並んでいる男の人を見て安心した。
その人は私と同じ劇場で映画を観ていた人だった。
きっと今日の映画を楽しみにしていたのだろう。開場のアナウンスとともに、ジュースを持った彼と一緒に劇場に入ったのを覚えている。その人は、昨晩オンラインで席を予約した時に一つだけ埋まっていた席に座った。
なんとなく、そこで大量に並んでる歪なカップルより、この人の方が強いなと思った。
言語化はうまくできない。

パンフレットを買ったあと、現像していた写真を受け取り、中華料理を食べ、花屋にミモザが並んでいたので買った。
天気が良かったので一駅分歩いて帰った。
今日は一人で良かったと、なんとなく思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?