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「趣味とジェンダー」を読んで。幼少からの価値観の規定

背景

趣味とジェンダー(社会的性)ってどう関係あるんだろう?って思って読みました。それに自分の中で「趣味とは?」というものは何なのか?という自分なりのテーマ?があるので何か手がかりになればと思ったのもあります。
(だいぶ趣味に関しての位置付けがモヤモヤしています)

感想

序章に書いてあることが全てだったと思ってます。というのは、幼少から男の子はこういうものに興味を持つ、女の子もまた然りということを自然に誘導されていたことを感じたからです。私のイメージ的には男の子の幼少の遊びは車、鉄道、飛行機、ロボットなどを使った遊び。女の子は人形やおままごとを使ったイメージがあります。こういった私が持つようなイメージも戦前の子ども向け雑誌から続けられたことだったからです。この時代は男の子はいずれは国の役に立つためにという目的から、将来的に自分が使うであろう戦闘機や科学への興味をそそる目的がありました。また、女の子は家庭にいるものということから、家事の擬似体験を子どものころからするという目的が書かれていました。ちょっと考えれば分かったのかな~って思いますが、気づけなかったです。

部分的に記憶に残っていることは、「手作りする意味」について書かれていたことです。

ここでの時代背景は主に戦後で、大量生産・大量消費の時代でした。自分で作らなくても安く早く衣服が手に入る時代でした。けれども、大切なことは自分で考えて行動すること、作ることに価値があるということが書いてありました。

衣服に限らず、「子供の科学」という雑誌の工作記事に関しても、自分の手で物を作ることが科学的原理の理解に繋がる。ということが書いてありました。自分の手でガチャガチャやってみて、「あ、こういうことだったんだ」と分かることが大切であって、今の時代でも「まずはやってみろ」と言われるのは昔からの名残りなのかなって思いました。


後は豆知識というか、あまり知らなかったのですが、DIYが何の略か知ることができました。笑

Do It Yourselfの略で、自分でやるということだったって。

最後に

タイトルが内容にすごくマッチしていると思いました。まあ、当たり前なのですが、ここまでしっくり来ることってあんまり無かったです。小説なんかは「そういうもの」で納得します。私がよく読む新書だと、タイトルが抽象的で確かに全てを網羅していますが、内容とどこか明確な繋がりを感じれなかったのもあります。

内容について言うと、まさに趣味とジェンダーという感じで、趣味と社会的な性の結び付きを強く感じました。それに今に繋がる趣味も戦後の影響を受けたりしていること、女性の社会への参加の一端を趣味が担っていることなどを知れたと思います。

日本の近現代を知るという観点でもいい本だと思いました。


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