「広島の風」 #9

<空腹と白球>
 空襲により徹底的に破壊された日本の鉄道は、人々の血の滲むような奮迅によりかつての姿を取り戻そうとしていた。日に何本もある便では、窒息しそうな殺人的混雑の車両に潜り込んで揉みくちゃにされてまで買い出しに行かざるを得ない日本人の、戦後の普遍的な光景が見られる。
 その彼らと連結されたGHQ専用車両では、GHQ将校や私を含めたアメリカ人が食事をしている。真っ白なテーブルクロスと陶磁の食

もっとみる

「広島の風」 #8

<オール廣島>
 広島湾を沿うように走る呉線の汽車には、食料買い出しのため屋根の上まで溢れんばかりの人が乗車している。復員兵、国民服姿の男性、モンペ姿の女性が大半である。
 昭和二十一年二月、敗戦後の急激なインフレーションを抑制するため、緊急金融措置令が施行された。預金は封鎖となり、新円へ切り替えるなどの措置が実施され、人々は大混乱に陥った。配給される物資だけではとうてい生活できず、人々は生き抜く

もっとみる

人間が殺し合う理由

争いのない世の中がくればいいな、とは思うけど・・・

人間て、天敵が少ない。

人間の3大天敵は・・

1位 細菌
2位 天災
3位 人間

なんじゃないかな。

賢い人間は、細菌と天災に対抗してありとあらゆ策を講じ、長寿を手に入れた。

だけど、これでは地球上に人間があまりにも増えすぎてしまうから、自然の原理に従い、一定数の人間同士が殺し合うようプログラミングされているような気がする。

自然界

もっとみる

「広島の風」 #7

<民主主義>
 中国山地の冠山に頂く霊水が脈々と下るうちに大河となり、それらが太田川やその支流として豊水を育んだことで土砂が堆積、大きな三角州(デルタ)が形成されるに至り、そこに私の第二の郷里である広島という街の営々とした歴史が積み重ねられていた。
 この三角州(デルタ)には、一帯が「安芸の国」と呼ばれるようになった弥生時代あたりから集落が出現しはじめ、毛利氏治世の時代には「宮島」と呼ばれる花崗岩

もっとみる

水上におけるプロレスまとめ Vol.1

その言葉の意味通り、水上にリングが設置された状態のプロレス興行をまとめようと思います。
話の発端は、友人としていた「昔FMWでやってた神宮プールの水上機雷爆破良かったッスよねぇ」という雑談からです。このnoteで何度も紹介している「カテプロ」というプロレス・ポットキャストで、平成プロレスの振り返り特集を行っており、その中でFMWが行った水上リングに言及しておりまして、宴席で更に話題を呼んだ背景もあ

もっとみる

「広島の風」 #6

● 第二章

<草莽>
 昭和十九年以降、東京は大規模、中規模の空襲に見舞われていた。軍の施設はもちろんのこと、民間人の居住地までもが無差別に狙われ、いたるところに黒く焼けただれた建物が野曝しになっている。
 罹災を辛うじて免れていた丸の内の大東亜会館で、読売新聞社主の正力松太郎と、その知己である衆議院議員の松原昇太郎が並んで座り、在郷軍人による時局講演を聴講している。
 松原はオールバックの髪

もっとみる

もうすぐG20・・雑感♪

G20とは財務大臣・中央銀行総裁会議のことである。
皆さんは何故、財務大臣会議に中央銀行総裁が引っ付いてくるのか?不思議に思ったことはありませんか?
そう、財務省と日銀は全く関係ない別の組織なのです♪

明治に入り、国際金融財閥であったロスチャイルド家が日本銀行を作ったことはあまり知られていません♪

日銀が作られるにあたり日本側の中心となった男が松方正義である♪そして、松方こそが、明治日本の最高

もっとみる

戦火のない第3次世界大戦

今起きようとしていることを、単に中国と米国の「貿易摩擦」と捉えてしまうと、世界の行方を見誤ると思う。
かつての日本車が叩かれた状況とは完全に意味が違う。
私たちは、もはやその真っ只中にいる。 

ベルリンの壁が崩壊し、冷戦が終結したのが1989年。

冷戦は、1947年から1989年の米ソ首脳による冷戦終結宣言(または1991年のソ連崩壊)まで続いた。それは、西側自由主義と、東側社会主義のイデオロ

もっとみる

■『白い孤影 ヨコハマメリー』概要■

本書のテーマとなっている「ヨコハマメリー」とは、40年の長きにわたり横浜の街角に立っていた白塗りに純白のドレスという出で立ちの老婆。
一説によると「アメリカに帰ってしまった進駐軍の将校を待ち続けているのだ」とのこと。
その実彼女は街娼であり「将校専門の高級娼婦なのだ」ともささやかれていました。
いわゆる街角のローカル有名人の一人です。

約10年前に亡くなりましたが、死後映画になり、昨年、今年とつ

もっとみる

加藤典洋先生の訃報に際し、思ったこと

加藤典洋先生がお亡くなりになられた。

2011年に311があり、2015年の安保関連法の強行採決があり、この国がまずいと思い、何とかできないかと模索する日々。また、憲法問題があった。安倍首相が唱える改憲に対し、護憲派の他、立憲的改憲、護憲的改憲など、色々な説が飛び出した。

私は、自分なりに憲法について本や講義などから学び、自分なりの考えを持つに至った。〇〇先生がこう言っていたというものではなく

もっとみる