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コム デ ギャルソンから考察する現代の新しさ

*このテキストは本日8/26(水) 23:59まで無料公開となり、8/27(木) 0:00以降は有料(¥500)になります。本文以下から始まります。

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ファッションにおける新しさは、時代の変遷と共に変わっていく。10年前なら新しいと感じられたデザインが、現在では新しく感じられない。その逆もまた然りで、10年前なら古く感じられたデザインが10年経った今、とてもモダンに感じられる。そのようにして、ファッションにおける新しさとは時代の価値観が移り変わるのと並行し、変遷していく。

「コム デ ギャルソン(Comme des Garçons)」といえば、ファッション界において「新しさ」の代名詞と言える存在だ。1997SSシーズンに発表された通称「こぶドレス」を代表に、我々が衣服に抱く造形の既成概念をこれでもかと破壊し尽くし、ファッションデザインの可能性を押し広げてきた。

しかし、私は近年のコム デ ギャルソンが発表するデザインにモヤっとした感覚を覚えることが増えてきた。その感覚を表するなら、それは「疑問」と言える類の感覚であろう。

今日はその疑問について、一体何が理由なのか、私が抱く感覚を言葉にして解きほぐしていきたい。ここで述べられることは、私個人が抱いた感覚であり、もしかしたら他の誰とも共有できない可能性もある。しかしながら、その感覚を言葉にすることを試みたい。

まずは私の抱いた疑問について述べていこう。その後、私の疑問に対する解答のヒントになると感じた二つのブランド、「メリッタ・バウマイスター(Melitta Baumeister)」と「リック・オウエンス(Rick Owens)」のデザインについて触れていきたい。

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