横山仁美 |【雨雲出版】Amelia

『Rupurara Moonアフリカンビーズ&クラフト』|開発コンサルタント|ベリーダ…

横山仁美 |【雨雲出版】Amelia

『Rupurara Moonアフリカンビーズ&クラフト』|開発コンサルタント|ベリーダンサーAmelia | 南アフリカの作家ベッシー・ヘッド研究 |ブログ『あふりかくじらの自由時間』http://africanwhale.blog.jp/ | 雨雲出版 |

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    【B5判】『より良く生きるために決めました:わたしたちの子宮と卵巣の治療ストーリー』

    ★こちらは印刷版(B5サイズ)冊子のご注文ページです★「病気を患うひとは、きっと多かれ少なかれ孤独を感じている。どれほど近くに寄り添っているひとでも、たとえ当事者の痛みや不安を想像できたところで、共に感じることはできない。特に、病気というのはプライベートで繊細なもので、気軽に他者に相談することも難しく、悩みをたったひとり心に抱え込んでしまうひとは多いだろう。婦人科系の疾患に至っては、なおさらそうかもしれない。病気による孤独は消えることはないだろう。ただ、少しでも孤独を癒せる人がいるとすれば、それは病気を持つ人間の気持ちに共感することのできる、似通った境遇を経た存在なのではないだろうか」長い間、辛い生理痛や月経過多、貧血に悩まされて婦人科に通い続けてきたけれど、2015年と2023年の二度、子宮筋腫と卵巣嚢腫の手術を受けることになった。二度目は子宮全摘だった。手術を決めるまで病院をめぐった経験、心理的側面、そして手術の具体的経緯を綴った体験談。後半は、婦人科系(特に子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫等)の治療を経験した32名にアンケートを取り、それぞれの治療の体験談のほか、婦人科系の疾患を抱える人に向けたメッセージをまとめた。(薬による治療経験・副作用、手術に至る経緯、手術の概要、病院のこと、治療・手術を受けるために不安だったこと・心境の変化など、入院のために役立ったこと、病気・治療・健康に対する思い、術後の変化、これから治療を受ける人へ伝えたいこと等)医療従事者ではなく、著者自らが経験者としてまとめた婦人科系の病気に悩むひとのための本。■目次■本書について 本書の背景 本書の構成 本書をお読みいただくにあたって留意して欲しいこと【第一部】プロローグ子宮筋腫と卵巣嚢腫をめぐる冒険の始まりレディースクリニックにかかり始めた経緯2015年に受けた手術とその後の変化2023年の転機ホルモン治療を始めるアフリカに行くためにホルモン剤を飲み始めたが大変なことになったレルミナが足りない!?ボツワナでレルミナを切らす事件巨大な卵巣嚢腫が発見された~手術を提案される医師の態度にショックを受ける「子宮を取るのに何か問題でもあるんですか」に始まる心理的ジャーニー背中を押してくれたセカンドオピニオン子宮を取るという人生の決断再びの手術へMRIを再度撮影するいざ病院へ手術当日の記録術後の回復子宮全摘をするという選択【第二部】婦人科系疾患の治療経験者が伝えたいこと1. イントロダクション2. アンケート調査概要3. 質問票内容4. 回答まとめ5. アンケート調査総括と所感終わりに
    ¥800
    雨雲出版
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    【PDF版】『より良く生きるために決めました:わたしたちの子宮と卵巣の治療ストーリー』

    ★こちらは電子版(PDF)のご注文ページです★「病気を患うひとは、きっと多かれ少なかれ孤独を感じている。どれほど近くに寄り添っているひとでも、たとえ当事者の痛みや不安を想像できたところで、共に感じることはできない。特に、病気というのはプライベートで繊細なもので、気軽に他者に相談することも難しく、悩みをたったひとり心に抱え込んでしまうひとは多いだろう。婦人科系の疾患に至っては、なおさらそうかもしれない。病気による孤独は消えることはないだろう。ただ、少しでも孤独を癒せる人がいるとすれば、それは病気を持つ人間の気持ちに共感することのできる、似通った境遇を経た存在なのではないだろうか」長い間、辛い生理痛や月経過多、貧血に悩まされて婦人科に通い続けてきたけれど、2015年と2023年の二度、子宮筋腫と卵巣嚢腫の手術を受けることになった。二度目は子宮全摘だった。手術を決めるまで病院をめぐった経験、心理的側面、そして手術の具体的経緯を綴った体験談。後半は、婦人科系(特に子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫等)の治療を経験した32名にアンケートを取り、それぞれの治療の体験談のほか、婦人科系の疾患を抱える人に向けたメッセージをまとめた。(薬による治療経験・副作用、手術に至る経緯、手術の概要、病院のこと、治療・手術を受けるために不安だったこと・心境の変化など、入院のために役立ったこと、病気・治療・健康に対する思い、術後の変化、これから治療を受ける人へ伝えたいこと等)医療従事者ではなく、著者自らが経験者としてまとめた婦人科系の病気に悩むひとのための本。■目次■本書について 本書の背景 本書の構成 本書をお読みいただくにあたって留意して欲しいこと【第一部】プロローグ子宮筋腫と卵巣嚢腫をめぐる冒険の始まりレディースクリニックにかかり始めた経緯2015年に受けた手術とその後の変化2023年の転機ホルモン治療を始めるアフリカに行くためにホルモン剤を飲み始めたが大変なことになったレルミナが足りない!?ボツワナでレルミナを切らす事件巨大な卵巣嚢腫が発見された~手術を提案される医師の態度にショックを受ける「子宮を取るのに何か問題でもあるんですか」に始まる心理的ジャーニー背中を押してくれたセカンドオピニオン子宮を取るという人生の決断再びの手術へMRIを再度撮影するいざ病院へ手術当日の記録術後の回復子宮全摘をするという選択【第二部】婦人科系疾患の治療経験者が伝えたいこと1. イントロダクション2. アンケート調査概要3. 質問票内容4. 回答まとめ5. アンケート調査総括と所感終わりに
    ¥800
    雨雲出版

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雨雲出版について

雨雲出版をスタートしました~「雨雲」の由来2023年 雨雲出版 という出版レーベルをスタートいたしました。 雨雲という名前は、わたしがライフワークとしている作家ベッシ…

【雨雲出版】5/19(日)「文学フリマ東京38」こちらの本をお届けいたします

雨雲出版として二回目の文学フリマ東京に出店します。 アイテムは以下の4種類と無料配布の1種類の計5種類。 文学フリマに行ったのも出店したのも去年(手術直前)が初めて…

開発コンサル+出版レーベル+手術経験当事者だからできたこと

昨年11月に手術を受けた。 病院のベッドで思いついたのがこの本を書くことだった。 婦人科(現在では、女性科・女性診療科のような呼称に変えている病院も)の治療で悩み…

いつも心の中で生きていた音色~親愛なるフジコ・ヘミング様

文章にしてしまうと、そこで事実を認めて何かが定まってしまう気がする。何か書くと、別のものに置き換わってしまいそうだ。 二日前に、とてもショッキングな知らせが目に…

祖母のジャーナリング

珍しく、今期は朝ドラを観て楽しんでいる。 「虎に翼」は、日本史上初めて法曹界に飛び込んだ実在の女性のストーリーに基づくオリジナルの物語だそうで、連日話題になって…

ジャーナリングの効果とは?解き放つことと積み上げること

このところずっと集中してエッセイ本を執筆していた。 ボツワナで敬愛するベッシー・ヘッドのお墓参りをしてから一年になるが、ボツワナのセロウェでのアーカイブ調査と、…

38年が経ちました

今年もこの日がきました。 敬愛する南アフリカ/ボツワナの作家ベッシー・ヘッドの命日です。 1986年4月17日ボツワナのセロウェにて48歳で亡くなりました。 南アフリカで…

Kindleにて出しました『より良く生きるために決めました:わたしたちの子宮と卵巣の治療ストーリー』

昨年末、婦人科系の治療経験者(子宮筋腫、卵巣嚢腫等)のアンケートご回答と、わたし自身の治療・手術経験をお伝えしておりました通りKindleにまとめ、ようやく公開いたし…

好きなだけ書いて作りたいと夢に見ていた時間~雨雲出版と今の仕事

ずいぶんリアルな夢を見た。 昨年まで7年ほど勤めていた開発コンサル会社の同僚に単発の仕事を頼まれる。 ブラジルで2週間ばかり研修アテンドの仕事を手伝ってくれないか…

[ベッシー・ヘッド] 出版するための翻訳作業は孤独だがようやく次の段階へ

南アフリカ生まれでボツワナに亡命した作家ベッシー・ヘッドというひとを知ってから四半世紀以上。 彼女の長編小説の一冊を日本語に翻訳して出版したいと具体的に考え始め…

【雨雲出版】小出版と強くなるアナログツール~ZINEフェス、文学フリマ

引っ越し荷物も片付かないままに、雨雲出版の二度目のイベント出店を終えた。 一度目は昨年末の文学フリマ、今回はZINEフェス埼玉というZINEを売るひとたちが集まるイベン…

何度引っ越しても、いま暮らす場所が帰る場所だから

現代人は一生のうちでどれくらい引っ越しをするのだろう。 少ないひとはゼロかもしれない。 多いひとは、数か月に一度、なんていうひともいる。 もっとも多い「引っ越し…

心に寄り添う静かな病院図書室

病院に図書館があるのをご存知だろうか。 その多くは図書館とは呼べない小学校の図書室のような小さなものと思われるが、案外少なくない数の病院に入院患者や通院患者向け…

毎日椅子に座り続ける~ライティンググループのすすめ

大きな仕事を成し遂げるひとは偉大だ。 例えば、800ページにもなるような大作を書き上げること。 ボリューミーでかつ内容の素晴らしい本を書ける作家は、類い稀な才能に恵…

今の生活を楽しむために揃えるもの

昔からインテリアは好きで、いつも洗練された雑誌やインスタ、ブログなどを眺めてはワクワクしている。 ひとり暮らしをはじめたのは大学のころ。 小さなアパートだったし…

辞書を引く楽しみ

子どものころ、父は使い込んだ自分の辞書をよく自慢げに見せてくれた。 小さな英和辞書だったが、ページは開いてすっかり分厚く柔らかくなり、小口部分には手垢がくっきり…

固定された記事

雨雲出版について

雨雲出版をスタートしました~「雨雲」の由来2023年 雨雲出版 という出版レーベルをスタートいたしました。 雨雲という名前は、わたしがライフワークとしている作家ベッシー・ヘッド(Bessie Head 1937-1986 南アフリカ/ボツワナ)が大切にした言葉から拝借しました。 北部のオカバンゴデルタなど一部の湿地帯を除き、国土の多くが平坦で乾燥した半砂漠地帯のボツワナには、はっきりとした乾季と雨季があります。 ベッシー・ヘッドが最初に発表した1968年の小説『雨雲のあ

【雨雲出版】5/19(日)「文学フリマ東京38」こちらの本をお届けいたします

雨雲出版として二回目の文学フリマ東京に出店します。 アイテムは以下の4種類と無料配布の1種類の計5種類。 文学フリマに行ったのも出店したのも去年(手術直前)が初めてでした。 今は1800以上ものブースが出る巨大なイベントのようです。出店者様も個人やサークルの方はもちろん出版社やプロの書き手の方から大学のサークルまで実に幅広く、扱っているものもとても面白くて熱量が半端ないイベントですね。きっと掘り出し物が見つかるはず! 今回から入場料がかかるようですが、楽しめるイベントだと

開発コンサル+出版レーベル+手術経験当事者だからできたこと

昨年11月に手術を受けた。 病院のベッドで思いついたのがこの本を書くことだった。 婦人科(現在では、女性科・女性診療科のような呼称に変えている病院も)の治療で悩み、手術を提案され悩み、薬の副作用で翻弄され、辛い思いをしてきた経験を、分かち合うことができたら。 似た経験をしているひとたちの体験談で、せめて少しでも孤独や辛さが癒され、気持ちが楽になるのなら。 もともと自分自身の体験談はエッセイ化しようと考えていたが、それだけでなく、SNSでつながった仲間たちの大切な話が形に

いつも心の中で生きていた音色~親愛なるフジコ・ヘミング様

文章にしてしまうと、そこで事実を認めて何かが定まってしまう気がする。何か書くと、別のものに置き換わってしまいそうだ。 二日前に、とてもショッキングな知らせが目に入ってしまい、そこから心にぽっかり大きな穴があいたように放心状態だ。 敬愛するピアニスト、ゲオルギー・ヘミング・イングリッド・フジコ様が天国に行ってしまった。 いまもうまく言葉にならないのだけれど、こうしてキーボードを叩いている。 フジコ様は、とても長いあいだわたしの心の支えであり、魂に寄り添う音色を奏でてくれる

祖母のジャーナリング

珍しく、今期は朝ドラを観て楽しんでいる。 「虎に翼」は、日本史上初めて法曹界に飛び込んだ実在の女性のストーリーに基づくオリジナルの物語だそうで、連日話題になっているほど人気が高いようだ。 このドラマの素晴らしいところは多くあるのだが、手帳好きのわたしとしてはぜひ話題にしてほしいのが、寅子の母はるの手帳習慣のことだ。 はるはいつも、日常的な記録から思いまで手帳に綴っている。 記録を取り、文字にすることでマインドを整理するタイプなのだろう。 ドラマの時代設定は昭和初期。その

ジャーナリングの効果とは?解き放つことと積み上げること

このところずっと集中してエッセイ本を執筆していた。 ボツワナで敬愛するベッシー・ヘッドのお墓参りをしてから一年になるが、ボツワナのセロウェでのアーカイブ調査と、出会った人々の話など、ボツワナとジンバブエ旅全般についてのエッセイ本だ。 既刊の『雨風の村で手紙を読む ベッシー・ヘッドと出会って開発コンサルになったわたしのアフリカ旅』(雨雲出版)は、大学時代にアフリカに行った話から国際協力業界での仕事の話、そしてお勤めを去りボツワナを再訪するところまでなので、今回はその続編にあた

38年が経ちました

今年もこの日がきました。 敬愛する南アフリカ/ボツワナの作家ベッシー・ヘッドの命日です。 1986年4月17日ボツワナのセロウェにて48歳で亡くなりました。 南アフリカで白人の母親と黒人の父親のあいだに生まれ、孤児のように育ち、アパルトヘイト時代に出国許可証を持ってボツワナに亡命した彼女。 アパルトヘイトの終焉を見ることも、南アフリカに戻ることもなく、自伝を書き始めた矢先にこの世をさりました。 最後は病院で、友人のヒュー・ピアース氏とマツェラ・ピアース氏という白人と黒

Kindleにて出しました『より良く生きるために決めました:わたしたちの子宮と卵巣の治療ストーリー』

昨年末、婦人科系の治療経験者(子宮筋腫、卵巣嚢腫等)のアンケートご回答と、わたし自身の治療・手術経験をお伝えしておりました通りKindleにまとめ、ようやく公開いたしました! Kindleにて出しました『より良く生きるために決めました:わたしたちの子宮と卵巣の治療ストーリー』(Amazon) このプロジェクトは、 ■開発コンサルタント経験(アンケート調査と報告書作成) ■出版レーベル 雨雲出版 を設立したこと ■治療と手術の当事者であること の3つがあったからこそでき

好きなだけ書いて作りたいと夢に見ていた時間~雨雲出版と今の仕事

ずいぶんリアルな夢を見た。 昨年まで7年ほど勤めていた開発コンサル会社の同僚に単発の仕事を頼まれる。 ブラジルで2週間ばかり研修アテンドの仕事を手伝ってくれないか。スケジュールとカリキュラムはこれこれこうだ、云々。 その仕事は実際に過去の様々な案件でやってきたものと似ていたし、わたしも5月の文学フリマには間に合うスケジュールだし、収入は昨年会社を去って以来マイナスだからとても助かる、と実にリアルなことを思っていた。 心の不安がそうさせたのかしら。 朝起きてリアルすぎて夢

[ベッシー・ヘッド] 出版するための翻訳作業は孤独だがようやく次の段階へ

南アフリカ生まれでボツワナに亡命した作家ベッシー・ヘッドというひとを知ってから四半世紀以上。 彼女の長編小説の一冊を日本語に翻訳して出版したいと具体的に考え始めたのは、それから少し後だったかもしれない。2004年には、ある翻訳スクールで文芸翻訳基礎コースを受けているのだから、少なくとも足掛け20年は経っている。 何度も数えきれないくらい翻訳をやり直し、自分でも信じられないほど人生の時間と労力を割いてきたのであるが、とうとう昨年この本を商業出版するために雨雲出版を立ち上げた

【雨雲出版】小出版と強くなるアナログツール~ZINEフェス、文学フリマ

引っ越し荷物も片付かないままに、雨雲出版の二度目のイベント出店を終えた。 一度目は昨年末の文学フリマ、今回はZINEフェス埼玉というZINEを売るひとたちが集まるイベントだ。ZINEフェス自体は複数個所で行われているそうだが、そのうち浦和で2月3日に行われた回に初参加してきた。 ZINEとは、個人やグループなどが発行する自主的な出版物のことである。 雨雲出版としては、ベッシー・ヘッド作品の日本語訳を商業出版として世に出すために準備を進めており、現在用意している3冊のインフ

何度引っ越しても、いま暮らす場所が帰る場所だから

現代人は一生のうちでどれくらい引っ越しをするのだろう。 少ないひとはゼロかもしれない。 多いひとは、数か月に一度、なんていうひともいる。 もっとも多い「引っ越し」をする部類の人々は、伝統的には季節移動生活をしている遊牧民だろう。 昨今では、そのような遊牧民の伝統を受け継いでいるのか、ノマドワーカーと呼ばれるひとたちの中には、家までなくてホテルなどを転々と暮らしているひとまでいる。そういうひとたちは、そもそも引っ越しの概念がないわけだ。 自分はというと、子どものころはわり

心に寄り添う静かな病院図書室

病院に図書館があるのをご存知だろうか。 その多くは図書館とは呼べない小学校の図書室のような小さなものと思われるが、案外少なくない数の病院に入院患者や通院患者向けに本を集めた部屋があるのを、昨年初めて知った。 昨年11月中旬に、手術のため一週間ほど入院した。 都心の大きな病院で、どのような施設があるのか興味があったので院内案内図を細かく見ていたところ、とても小さな文字で図書室と思われる部屋の名前が書かれていたのだ。 一見、子ども向けの絵本図書室かしらと思うような名前だった

毎日椅子に座り続ける~ライティンググループのすすめ

大きな仕事を成し遂げるひとは偉大だ。 例えば、800ページにもなるような大作を書き上げること。 ボリューミーでかつ内容の素晴らしい本を書ける作家は、類い稀な才能に恵まれている。 多くのひとはそう思うだろう。わたしもそう思っていた。 きっと、とびぬけた才能を持ち合わせてこの世に降りてきた人々もいるだろう。 でも、そう思って小さな自分を振り返りテンションが下がるとき、必ず思い出すことばがある。 アメリカの作家アン・ラモット氏の2017年のTEDトークだ。 「人生と執筆から学

今の生活を楽しむために揃えるもの

昔からインテリアは好きで、いつも洗練された雑誌やインスタ、ブログなどを眺めてはワクワクしている。 ひとり暮らしをはじめたのは大学のころ。 小さなアパートだったし経済的な余裕もないので、憧れるような家具を買うことはできなかったが、小物だけは好きなものを集めていたように思う。 でも、どうせ引っ越すのだからと家具の類をきちんとそろえることはなかった。 最低限のベッドや実家から持ってきたデスク、小さなテーブルはあったけれど、衣服を入れる場所は確か無印良品が当時扱っていた段ボールで

辞書を引く楽しみ

子どものころ、父は使い込んだ自分の辞書をよく自慢げに見せてくれた。 小さな英和辞書だったが、ページは開いてすっかり分厚く柔らかくなり、小口部分には手垢がくっきりと黒い帯のようになっている。 父は仕事で英語を使っていたので、日ごろからよく勉強をしていた。 小学校六年生でアメリカに渡り現地の学校に通うようになって、わたしも辞書を買ってもらった。 何せ学校でコミュニケーションを取るのに英語がわからなくては話にならない。ごく普通の日本の小学生だったわたしは、辞書を引き引き学校の授業