見出し画像

編集者に却下された僕の「モテ論」を聞いて欲しい

「次は何をテーマの本にしましょうか?」と編集者から聞かれた時、迷わず、私は「モテ!」と答えた。そのテーマは説得力がない、という失礼!な理由で提案は却下されたのでここで呟く。

そもそもの前提として、多くの人が、世の中には、モテる人とモテない人がいる、とバッサリ2つにわけてしまっている。これは根本的な誤解である。モテは後天的に獲得する「技術」であり、運転免許のように誰でも努力で取得できるものであるとまず理解すべきである。

モテについての我々の少年時代からの刷り込み、すなわち、サッカーかバスケをやっていて、身長が175センチあって、はにかんだ笑顔がキュートでなければならない、あるいは神秘的な雰囲気をもったいつも一人で図書館で本を読む美少年、自信に溢れた生徒会長といった像が、いまだに我々世代のモテ力の成長を阻害していることはいうまでもない。少林寺拳法部という体育館の北方領土、いや場合によってはコンクリートの上で裸足で修行するというジメジメした学生時代をおくった私などはその暗黒時代のトラウマの払拭に10年かかった。

さて、さっそくモテの法則に入るが、その前にモテにはあしきりラインがあり、「この男はない!」と会った瞬間で断罪されてしまうアイテムがあることは知っておく必要がある。たとえば、じゃらじゃらした銀のネックレスやワニ革の先の尖った靴などは、憲法で掲げられた人間の尊厳など一切考慮されることなく、女子マーケットの三分の二を失う。同じように女子側も、まつげエクステ、指から一センチ以上はみ出たネイルなどの男性から見たあしきりラインがある。女子が女子のオシャレ戦争のために意識している分野には男子にとって地雷が多い。

その上で、男子はいわゆる3Sという基準を求められる。これは、「誠実、清潔、正社員」の略である。ここでいう誠実さとは、単に浮気をしないなどの行動にとどまらぬより広い概念である。たとえば、仕事に対する真摯な姿勢、嘘をついたり、ゴニョゴニョとごまかしたりせず、人間関係をまっすぐ受け止めてきちんと向き合うことなどが含まれる。誠実性を身につけるのは一朝一夕でできるものではない。私自身は三国志や戦国武将の忠義から誠実性を学んだ(うそ)

清潔感とは、女性がよく使うもっと重要な恋愛評価用語であるにも関わらず、男性にとってもっとも理解しにくい難解極まりないキーワードである。これは単に毎日風呂に入るとか、花王の石鹸をつかっているとか、どろんこのシャツを着ていない、などを意味しない。逆に髭を生やしていても清潔感のある男子はいるし、ヴィダルサスーン(古い?)を使っても髪に清潔感がないと断罪されることがある。清潔感とは、靴からメガネ、小物に至るまでの心身のケアであり、笑い方、姿勢、オーラ、センスなどより抽象的なものなのだ。だがこの清潔感という得体のしれない概念を理解せずに恋愛偏差値の急激な上昇はのぞめないのである。メンズ伊勢丹、阪急メンズの靴売り場に足を運び清潔感あふれる彼らの観察から始めるとよい。

最後は、正社員であるが、これは比喩であり、本質的には安定感である。子を宿し、3年は自由に動けない女子にとって、食いっぱぐれないことを求めるのは動物的な本能である。そして女子はストックよりフローを好む。つまり一時的に大きな資産を持つ男よりも、安定的に毎月稼いでくれる人を選ぶ傾向がある。このあたりは行動経済学を学ぶと良いだろう。

さて、長々と話してきたが、私の言いたいことは、世の中にはモテる人とそうでない人がいるという二者択一ではないこと、そして不断の正しい努力の積み上げの上にモテ力の向上があることなのである。

次回は、3Sの上のモテ基準である3Gについて語る

*上記の考察は、100円傘の似合う38才独身無職の妄想に基づくものであることを付記しておく。

この記事が参加している募集

眠れない夜に

最後まで読んでいただきありがとうございます。 スキ、シェア歓迎です!励みになります。