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 『賃金が上がる!指示ゼロ経営』 まとめ

自分が中小企業に向けて、自律型組織の伴走支援を行う上で、師事した米澤さんの2冊目の本です。支援先である株式会社Kai・Manuさんの事例を取り上げてもらっています。ことの詳細は、ぜひ本を読んでみてください。
"仕事の意味や意義を見出す"ということが、どういうことなのかということを分かりやすくまとめてくださっています。今の仕事に、愉しさや意義を見出せずに、しかたなくやっているという人に読んでもらうと、何かしらの気づきがあるのではと思っています。

今回の2冊目は、前著『リーダーが「何もしない」とうまくいく。指示ゼロ経営』で提唱された「指示ゼロ経営」について、具体的に実務でどう活用すれば良いのかが、分かりやすく載っています。
「指示ゼロ経営」の捉え方ですが、その会社や集団が自律型組織に至るまでのプロセスが分かりづらく、どうしても発酵とか醸成とか、コントロールできない領域があるということが、メンバーの共創を生み出す上でとても大切な部分でした。
その分かりづらさをなるべく体系化して、でも大切な部分は余韻として残してあってと、絶妙なバランス感で事例や事象を紡いであるというのが、今回の『賃金が上がる!指示ゼロ経営』の特徴だなと読んでみての感想です。DJもされている米澤さんらしい、読むとワクワクさせてもらえる本になっています。

著者の米澤さんは、SNSや講演会などで、しきりにあとがきから読んで欲しいと仰っています。どうしても、ノウハウやハウツーが具体的で真似しやすいので、そこにフォーカスされてしまいますが、木でいうところの大事な根っこにあたる部分、"収益よりも大切なこと"を、あとがきに分かりやすく書いてくれています。まさしく、働くことの意義や生きる意味といったことが、お父様や書家の方の素敵なエピソードとして描かれているのです。自分も両親には、この本を送りました。他の指示ゼロ経営マスターも、自分の父親にこの本を送っているようです。
ぜひ、あとがきを最初と最後に読んでいただくと、米澤さんが伝えたかったことが伝わるのかなと思います。

「成熟社会における繁栄の因果」と本の中で呼ばれている図をご覧いただくと、今のVUCAと言われる時代において本当に必要とされている"付加価値"とは何かが理解できるのではと思います。
賃金の原因になっている循環を回すためには、自分一人では回せなくて…だから仲間と一緒に仕事をしてみんなで付加価値を生み出すという、協働や共創の概念につながるんだなということが実感できます。これってまさしく、働くの語源の「傍を楽にする」だなと思いました。
この本を読んで賃金をあげたいと思ったら、ぜひ、周りの一緒に働くメンバーにも読んでもらって、本の中で取り上げられている「心のごちそう」を、みなさんでシェアしてみてください。それだけでも、風土が良くなって、創造性が発揮されて、付加価値が高まります。この循環が回ると、ファンになってくれるお客様が増えることで、結果的に収益がより良くなって、賃金が増えます。
こうやってプロセスを経ることが大切で、このプロセスを飛ばして、自分一人の業績でなんとか賃金をあげようとしても、一時的には良いですが、決して長続きはしません。自分もそういう経験をして、それで痛い思いもしてきました。
自分一人のパフォーマンスを最大化させることよりも、みんなのパフォーマンスの総和を引き上げて、足し算ではなく掛け算になるような"共創"を起こすことが、賃金をあげるためには必要不可欠なことだと考えています。

今回の本は、下記のような人に読んでもらえたらと思っています。
◾️社員さんの賃金をあげてあげたいけど原資もなく困っている中小企業の経営者◾️働きがいややりがいを見出せず、仕事をやらされ感でやっている社員さん
◾️経営者と現場の間に挟まれ、業績や人間関係のギャップに悩む管理職の方
◾️中小企業の現場の人事評価や働き方改善のお手伝いをしている専門職の方々
自分が掲げる「愉しく働ける人を増やす」というミッションと合致している内容になっているので、特に中小企業で働く人やその周りの人たちに読んでもらえたらなと思ってまとめました。
今後も、読書会などのイベントはもちろん、本の内容が体感できるような研修など、さまざまな形で「成熟社会における繁栄の因果」を、みなさんと一緒に考える機会を作っていければと思います。


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