新卒で内定を蹴ってもやりたいことはできます

【これから就活をする人へ】

就活スタートして落ち込んでいる人に出会ったので、わたしもすこしだけ自分の話を。

わたしには、夢があった。
やりたいことがあった。
当時のわたしにはそれしかなかった。
ほとんど憧れだったけれど、どうしてもどうしてもなりたい自分がいた。

それは、編集者になるということ。
世の中に溢れているもの、たくさんの埋もれているいい「モノ」を発信する仕事がしたかった。

就職活動を始めた時、なぜかわからないけれど自信に溢れていた。
絶対大丈夫だって思ってた、夢があってやりたいことがはっきりしてるんだから、絶対大丈夫だって。
胸を張って自分のことを話せれば大丈夫だと思っていた、絶対絶対大丈夫だって。

だけど実際は全然うまくいかなかった。
何社も落ちた。何十社も。行きたかったところは呼吸をするようにお祈り。あんなにあった自信はいつのまにかマイナス値。
早稲田なのに、わたしは早稲田大学なのにって焦る一方。
今思えばくだらないプライドだけど。
6月、みんなが内定を手にしてハピネス満載のツイートをしている時、わたしには受けられる会社がなくなっていた。
ゼロからのスタート。しんどくて、だけどまだやれるって思った。またやりたいことを追っていこうって、死ぬ気でやろうって。
うまくいかなくて毎日憂鬱で、それでも就活を続けてやっと、やっと、1つだけ内定を頂いた。
当初に希望していた業種ではないけれど、なんとか内定を頂いた。
最初はそれでよかった。職を得た安心感もあったし、福利厚生も申し分なかった。わたしにはもったいないくらい良い会社だった。

だけど諦めきれなくて、どうしてもやりたいことがあって。
わたしにはそれしかないから、他にはなにもないから、この夢を捨てたらなにも無くなってしまうって、本気でそう思った。
筆記試験でおちたくなくて、何百時間も勉強した。参考書はボロボロで背表紙がどっかいっちゃった。
SPIなんてもうわたし満点取れる、努力でカバーできるところは頑張れた。
なのに、面接が進むと緊張してうまくいかない。
喉が渇いて声が震える。
最終面接で知らない大人が10人いたら、普通でいられる就活生っているの?
受けられる会社はとことんうけた、でもだめで、それでも諦めないで受け続けた。
みんなが思いっきり遊んでいる夏休み、汗だくになりながらスーツを着て面接を受けた。
夏なのにスーツをばっちり着て働いているお父さん、凄いって思った。働く人の毎日が、すこしだけわかった。
アルバイトのシフトに入ると、楽しくて仕方なかった。お客さんも働く仲間も優しくて、救われてた。
学生生活最後の秋学期、行きたかった会社の最終面接はお祈り。
信じたくなくて身体が震えた。わたしが泣いてるのを見て、側にいた友達が笑わせようと必死になってくれて。その優しさに死にそうなくらい悲しくなった。
落ち葉が散る秋、就活なんてしてる友達もういないけど、諦められなくてわたしは就活し続けていた。
新卒の募集をしてない会社にも手紙を送った。無視されつづけたけれど、会ってくれる会社もいくつかあった。だけど、「スキルがないからごめんなさい」、そんなの何回聞いたかわからない。
クリスマスでキラキラたくさんの冬、これで最後にしようと思って履歴書を送った会社はサイレントお祈りだった。
わかっていたけど、やっぱりちょっと泣いてしまった。

わたしは少しだけ後悔をしている。
もっとたくさんの企業をうければよかったって、早稲田って学歴利用できるところうければよかったって。
十分受けたけど、100社は軽くエントリーしたけれど。それでももっと受けていればよかった。
だってそうしてればこんなに辛くなかったかもしれない。もっとすんなりと、学歴に見合う企業があったはずなのに。ずるい考えがわたしの中にある。
苦労して早稲田大学に入った4年前。
偏差値43から死ぬ気で勉強して早稲田に入った、まさにビリギャル。
いまの社会で評価を受けるには、まずは学歴を得ることだって思った、このままなにも知らないで人生すすんでいったらバカまっしぐらだって思った。
高3の夏、両鼻穴から鼻血がでた、勉強しすぎて血管切れた。
早稲田以外落ちた、日東駒専もMARCHも全落ち、正直笑える。
最後の最後の最後に受けた早稲田大学だけ合格できた、あの時の喜びは忘れられない。

死ぬ気で得た学歴、それを利用しなかった。
ってか、利用しようって思わなかった。わたし、やっぱりバカだ。
もっと早稲田フィルター利用すればよかったって、思ってしまったのは本当。
わたしはそんなの見向きもしないで、自分のやりたいことしか考えていなかったから。
ある意味とっても潔かった。痛いくらい真っ直ぐな自分、ボロボロなのにすごい頑張ってたんだなって今なら思える。

夢なんてなくてよかった、やりたいことなんてなくてよかった。そしたらこんなに辛くなかった、もっとうまく、器用に生きられたかもしれない。もっと楽に、こんなに泣かないで、スマートに。
だけど、多分この夢がなかったら、わたしもっとつまんない人間になってた気がする、いや今も十分ベイベーなんですけど。
歯を食いしばってプライドを捨てて、早稲田という学歴なんて気にしないで、自分と向き合ったあの日々はわたしには必要だった。
挫折してよかった、ボロボロなのにそれでもこんなに頑張れる自分がいるなんて知らなかった。
やりたいことがなかったら、必死に就活なんてできなかったし。

だからこれから就職活動をする人にこれだけは言いたいです。
諦めないでください。諦めない限り挑戦できます。ありきたりだけど、本当にそうです。
諦めない限りなにかできます、何かは人によって違うけど。
インターンで落ちました、当たり前です。インターンなんて落ちて当然です。インターン落ちたからって死にますか?それで就活終わり?
ES落ちました、だったら次落ちないように周りに助けを求めてでもいいから添削してもらってください、誰にでもわかる文章を書くってとっても難しいんです。
大手に就職したい、大手ってなんですか?大きい会社だから偉いの?大きい会社に行く自分に酔ってるだけじゃないですか?大企業であればあるほどリスキーってこと知ってますか?
就職サイトにのってる企業だけが受けれる企業ですか?型通りに就活するのが「普通」ですか?

ひとりで意地はらないでください。わたしは誰にも相談しないでひとりでなんとかしようとしてました。ある日、爆発しましたね。助けてって言ったら、助けてくれる人はいます。
親友も、そして先輩も。

就活で目指していた夢は、ずっとなりないって、叶えたいって思っていた夢は、いまだってわたしの大切な夢です。夢を叶えるチャンスが少しだけ遠くなったって思えば、まだまだ頑張って生きていかなきゃなって思います。
またチャレンジできるってことだ。
夢叶えるまで死ねないですよね、ロックンロールって感じ。

どうか自分らしい就職活動をしてください。
就職活動で決まった会社が全てではないです、きっと何かの縁があってそこに決まったんです。
世の中の全てには意味があります、いまあなたがなぜ恋人と一緒にいるのか、なぜそのアルバイトをしているのか、全部自分で決めてそれを拾ってきたんです。
全力で楽しんで、全力で戦ってください。
就活、案外悪いもんじゃないです。
自分探しのちょっとした試練って感じです。


ところでわたし。

今なんのお仕事をしているの?
そこが大事ですよね。美談だけ語るのかといわれたら、なんだか悔しい。就活は過程であり、そこからどう生きていくが大事。

実は今、編集者やってます。

3月31日、いただいていた内定を蹴って、
4月3日、みんなが内定式に出ている間に最終面接。そして、4日に内定。
とんだギャンブルって感じですれけど、こんなことあるんだって自分でも驚いた。
諦めの悪いわたしは、最後の最後まで粘った。どうしてもやりたいことがあったから。

そして今、憧れの編集者をやっている。
自分の手がけた本を、世間に出している。
最高に楽しい。なにも怖くない。いや、それは嘘だけれど、仕事だからかなりきついし悔しいこともあるけれど、それでもやりたいと思えることがますます増えていく。

楽しい。


仕事がわたしの人生だ。

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