アメリカディズニーでのチップやサービスのあれこれ ~前編~

はじめに

こんにちは!SNSフォロワーの方々からアメリカでのディズニーパークやクルーズでのチップの支払い方や考え方について知識を深めたいという声が多かったので、まとめてみました。
今回は、アメリカディズニーのチップやサービスのあれこれ〜前編〜として、アメリカでのチップとは何か、サービスの考え方はどんなものなのか、という私の経験からのお話で説明していきます。
厳密に言えばそれぞれのアメリカの州の法律であったり、レストランごとの賃金ルールの違いであったりで状況は異なりますが、一般的な考え方についてここでシェアしたいと思います。
後編ではパークとクルーズそれぞれのチップの記入の仕方をシェアしたいと思います。
お役立てできればとても嬉しいです!
それでは前編お楽しみください。

チップとは?

日本にはチップ制度はないので、
「アメリカにはチップってなんであるの?」
「チップは必ず払わなければいけないの?」
という声をよく聞きます。

日本では、
例えば、日本のテーブルサービスのレストランで食事をすると「サービス料込み」のような表記で予めコース全体の料金が全て込みの料金で提示されていますよね。 
レストランで働く従業員は時給があったり月給制だったりと、決まった金額が会社から支払われるシステムになっているかと思います。サービス料についても給料の一部として予め含まれているはずです。

アメリカでは、
レストランで働く従業員は、給料=チップ(サービス料)になります。
時給は3-4ドル程度であとは全てチップで生計を立てています。
この、「国によって給料制度の違いがある」という点は国外へ旅行なさるときには予め理解しておかなければいけない点だと思います。
アメリカでのチップは「サービスに対して支払わなければいけない」義務要素の深いものです。


サービスって?


ではアメリカでの「サービス」の意味合いとはなんだろう。
アメリカの場合、以下すべてを主に「サービス」と定義してるといえます。
・テーブルに案内する
・オーダーをとる
・注文したものを運ぶ
・料理に問題がないかを尋ねる how is your meal?
・お会計
・テーブルをセットアップ、片付けする

これら全てが「サービス」に値します。
つまりレストランに入店してレストランを出るまでの一連のフローのことを位置付けてます。

アメリカでのチップは
「①サービスに対して支払うべき18%~20%のチップ」

「②対応がよかったため感謝の気持ちとして表す追加のチップ」
と2種類があることになります。

よく「あまり対応が良くなかったのでチップを払わなかった」という声を聞きますが、先ほどの上記のリストのサービス項目が実施されていたのであれば、あなたはサービスを受けたということになりますので、①のチップは義務的な位置付けで支払わなければいけないです。
州によって%が異なりますが、「①サービスに対して支払うべきチップ」は、食事代に18%~20%のチップを支払うことになっています。
アメリカのディズニーパークでは18%~20%です。

またレストランには、
お皿を下げたり食器をセットアップする係(バッサー)がいます。
レストランに入り予約を確認してテーブルまで案内する係(シーター)もいます。
実はこの「①サービスに対して支払うべき18%~20%のチップ」の18%~20%はレストラン全体で分配になる場合があり、決められた%のチップ分配でバッサーやシーターにそれぞれ支払われる場合があります。

例えばそのサービスを担当した係がとても良い応対をされたのであれば、「①サービスに対して支払うべき18%~20%のチップ」
に上乗せをして
「②対応がよかったため感謝の気持ちとして表す追加のチップ」
を支払うことであなたがそのサービス係を評価し感謝の気持ちをチップで表したことになります。
そしてこの会計時に記入する上乗せした②のチップは、分配ではなくテーブルを担当したサービス係にのみへ渡るのが一般的です。

(ただし、レストランのカテゴリや形態などにより異なります。
例えばEPCOT三越レストランは全てのチップをみんなで分配しているため個人的な成果報酬はありませんでした)


Ask cultureとGuess culture

アメリカでは「対応」や料理の「味や焼き加減」が良くない場合は、その場で話をしなくてはいけません。

アメリカでは、
その場で何か問題が起きた時にはその場で話をしなくてはならず、
起きている問題にその場で、
「すみません、ナプキンをください。ありがとう!」
「すみません、このお肉の焼き加減が好みではないので、もう少し焼いてもらえますか。」
のように伝えれば、多くの場合希望通りになります。
その通りに対応してくれることで顧客は満足します。
アメリカはAskしていくCultureなのです。

対して
日本では、
空気感を重んじる傾向があり、サービス係の方から起きている状況に気づいてくれるのを待つ傾向にあるため、
「ナプキンがないのに気づいてもらえず食事の時間が終わってしまった」「あまり美味しくなかったけどお店を出た」
といった感想になりがちです。

そのため、日本人の方のツイートなどを拝見すると、
「なぜ良い体験をしなかったのにチップを沢山払う必要があるんだろう」
とモヤモヤした気持ちでお店を出たという声を聞くことがあります。

でも、
もしその時にその時点で、
ナプキンがないことを伝えればモヤモヤすることはなかったでしょうし、味が合わなかったのであればそれを伝えれば何か変わったかもしれない。とも言えます。

一般的に日本人は、
「空気」を読む、「気」を遣う文化があり、日本では常に自分や相手の気持ちをGuessしますが、思っていることや要望についてAskしないことが多いように思います。

でも!今旅行で来ている場所は、アメリカ。
アメリカでは自分が気持ちよくレストランを楽しむためにも、都度コミュニケーションをしていくことはとても大事です。
言い換えれば、
あなたが何もサービス係に要望をサービス中や滞在中に伝えないのであれば、「何も言わない=今のサービスで満足中」と言うことにもなります。

もし、希望を伝えたのに対応してもらえないなら、その方のマネージャーに要望を伝えましょう。でもサービスに対する①チップは支払うべきです。
そして気持ちの良い対応をうけ、満足されたならば②のチップを考慮するべきです。


空気は読まなくても大丈夫!

私がディズニークルーズで勤務していた頃、よく同僚から相談を受けました。
「アイコ、先週僕のテーブルに日本人のゲストがいたんだけど、クルーズの顧客満足度アンケートですごく低く評価されていたんだ。
でもクルーズ中に日本人のゲストにIs everything ok?と聞いてもyesとしか言ってくれず何が不満だったのか全くわからないんだ。どうしてなんだと思う?」
と聞かれていました。

私はこのように同僚にアドバイスをしました。
「日本人は空気を大事にしている。
何か気になったことがあっても今伝えてもいいのかとか、こんな小さな事を言ってもいいものかとか、今この不満を一緒に旅行に来ている友達の前で伝えたらその友達はどういう気持ちになるだろうかとか、そのような空気を常に考えながら過ごしてるんだよ。
だからこちらから
「ここでは小さなことでもなんでもいつでも話してもらって大丈夫だから」
と言うことを予めしーっかり伝えておくことは大事。
それにもっと明確な主語をつけて話すといいよ。
「ステーキの味はどうでしたか?」
「僕のサービスのスピードは遅くない?」
って言ってあげてほしいな。
Is Everything OK?だと、そのEverythingがどこまで許容されてるかを日本人では空気かきっと掴みづらいから、話すときにトピックをもっと細かくつけて聞いてあげてほしい。あとジェスチャーもつけて、英語が難しいかもしれないから、ゆっくり簡単な単語を使ってほしいな!」
とアドバイスしてました。

そこから彼は日本人ゲストからの評価が、「気配りの聞く熱心なサービス係」としてアンケート評価も上がっていきました。

「こんな空気感なので、一緒にいい空気の時間を過ごしましょうね!
だから私が忙しそうにしててもなんでも言っても大丈夫ですよ!


という感じのアプローチが日本人ゲストにはとーーーっても大事なことだと私は考えています。
空気を重んじる日本では、
自分がどんな行動をどこまでこの空間で表現や発言して良いのかなど常に空気を読んでいる傾向があるので、
「大丈夫ですよ、いつでもなんでも教えてくださいね」
と伝えられるとその「大丈夫な空気」に入り込みやすくなるように思います。
(この辺りの空気感については学術研究も行ったのでまた機会があればNoteに書きますね!)

なので、
クルーズにおいては、ぜひ遠慮なさらずに。なんでもお話しすることは大事です。不満でも希望でも。
もちろん中には希望を叶えることが難しい内容であればそのようにお断りを伝えることもありますが、何か別の代替案をきっと出してきてくれるはず!
何故ならディズニークルーズのクルーは本当に心からあなたに楽しんでもらいたいって思って毎日仕事しています。お互いWin~Winの関係で日々過ごしたいと思っています。ほんと。


終わりに


逆にいえば、
他の国では「空気を読みあう文化」がありません。

そのため、何も話さず、
「しばらくすれば私の気持ちを汲み取ってくれるだろう」
「気づいてくれるのを待っていよう」
と言った考え方は日本国外ではお持ちになさらない方がいいと思います。どんどん伝えていきましょう。

貴重な旅の時間やお食事の時間は戻ってきませんので、その場で都度気になったことや希望は常に伝えていくことをお勧めします。
ご自分の楽しい旅行を成功に導くためにも!ね!

そうすると自分自身で過ごしたい希望の素晴らしい時間をサービス係の協力のもと過ごせることになるので、
①のチップにも②のチップに対しても、とーーーっても気持ちの良い考え方にもなられるのではないかな!と思います。

アンケートもそうです。
海外でご旅行されたときには滞在やサービスを終えて満足した気持ちでいっぱいになることを希望されていると思います。そうするとアンケートも楽しくなり、ウキウキしながら高く評価したくなります。
でも、滞在を終えて不満の残る評価をすることになった結果は、もしかするとご自身の方でも作っているかもしれないことにも気づく必要もあると私は思ったりするのです。不満はその場で解決が一番。ぜひ伝えていきましょう。

私の中ではクルーズのアンケートも、①②のチップも、全てはサービス係とゲストとのコミュニケーション次第であたたかいものになると考えています。

と言うわけで、
これらのチップやサービスに対する考え方が、
アメリカ滞在での何かのヒントになれば良いなあと思います!


そして、後編では、実際のレシートの記入の仕方をシェアしようと思います。
ご一読いただきありがとうございました!


よろしければこちらの2つのエピソードもお楽しみください。
チップに関する実体験エピソードです。
おりがみの魔法とくしゃくしゃの5ドル   -小さなバッグを持った女の子ゲストのはなし-
・あなたは何のために働いているの?  -ウィッティーのはなし-


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