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小説は「テーマ」が大事?

小説を投稿する時、あらすじとともに、
「テーマ」も書いてください、と言われたりします。

小説のテーマ。
この小説で言いたいこと伝えたいこと
小説のテーマは大事です、って言うけど、ほんと?
なら、まずはテーマを考えないと!

この「テーマ」ですが、後付けで大丈夫です。
だって最初から、「このテーマで書こう!」と思って、
よい小説が書きあがるとは、ちょっと思えません。

小説のテーマは例えば……

主人公が数々の困難を乗り越え成長する物語
とか、
禁じられた相手との切なく熱いラブロマンス
とか、
風変わりな探偵が前代未聞の事件を解決する
とか、
人間の奥に潜む矛盾をリアルに描き出す
とか。

なんか、壮大な感じがしますよね。
そしてそのテーマは、確かに小説において
正しいですし、読んだ人はそれを感じるのでしょうけども、
元々がそれを書こう!と思って、一直線に書いた……とは限りません。

小説を書く発端は、人それぞれですが、
「とにかくこのユニークな少年のキャラを描き切りたい」
「複雑な人間模様の中で、ドロドロした感情を描きたい」
「許されない恋を情熱的に描きたい」
などなど、「これが書きたい」という欲望みたいなものがあって、
書くわけです。
その時にはまだ、物語を統括して一言で表すような、
「テーマ」と言われるものは出現していません

テーマとは、後から浮き上がってくるものなのです。
読んだ後に、「この作品は、こんなテーマかな?」
思うものです。

そしてそれは、豊かな小説であればあるほど、
いろんな側面があって、人によって読み方が変われば、
テーマも変わってしまう
、そんなところもあります。

この小説は主人公の成長物語だよね、と言う人もいれば、
いやいや、人間の愛を深いところから描いた愛の話だ、
という人もいれば、大国の歴史をユニークな側面から描写した歴史小説だ、という人もいます。

つまりテーマとは本来、「読者がいかようにでも感じ取るもの」
になります。

ですから、まず「テーマ」を決める、というのは
あまりお勧めしません

そんな壮大なものは考えなくていいのです。
書きあがってから、「これじゃないかな?」と思うものを
つけてあげればOKです。

テーマを考えず、まず最初に何を考えるのか。
それは、「これが書きたい!」というものを
しっかりじっくり見つめる
――ということです。

自分はこの作品で何を表現したいのか
読者に何を伝えたいのか
それをしっかり考えることです。

そしてそれは、壮大で立派なものでなくていいのです。
例えば「自分が一番萌えるキャラをとことん描く」とかでもいいのです。

小説を書く時には、壮大なテーマや目標を先に掲げず、
まずは目先の、目の前の、「好き」「書きたい」を見つめて
想像を広げていってください

それが次第に、豊かな物語となり、
最終的には「壮大なテーマ」が見えてくる作品になります。


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