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保守思想➀

 保守の思想家について少し書いてみる


第Ⅰ回は西尾幹二


➀評論家

もう高齢なので、メディアには出てこない。全集もあり、保守の大物。
ニーチェの研究者として知られていたが、評論家としても有名になった。




この本はエピソードの部分が興味深い。

たとえば、西尾氏の読者が日本社会はダメだと断じ、問題解決の鍵をもとめると言って、会いにくる話が出てくる。著作家として有名になると、こういう読者にねらわれるらしい。
西尾氏は、もちろん、この読者に対し、何もしてやらない。まあ、当然である。


②ニーチェ研究

ニーチェは自分の先祖は貴族だったという言い伝えを自慢していて、奴隷道徳とか賤民とか、民衆を侮辱する言葉を使い、民主主義を批判したことで知られている。

西尾氏の本では、ニーチェの家系図が示してあり、ニーチェの先祖は貴族ではなく、畜産関係のビジネスに関わっていた市民であることが明かされる。
このことは、日本では西尾氏の本にしか書かれていない。生前のニーチェが知ったらショックを受けたであろう。 

➂ヨーロッパ

西尾氏は、対米自立の立場から保守思想を主張したため、テレビから消えた。マスメディアは保守思想家は親米の人でないと、パージしてしまうらしい。



まだ日本の経済規模が世界で2番目だった頃、ヨーロッパ人が日本を警戒していたことが伝わってくる。この経済力で、日本は何をしようとしているのか、訝しく思っていたらしい。最近になって、日本ではなく、中国を警戒し始めたようである。

➃教科書



新しい歴史教科書を創る会で活動し、本も書いた。モンゴルを高く評価したりしていて、ヨーロッパに関する記述は少ない。ヨーロッパ人と付き合って、彼らのことが嫌いになったらしい。

➄歴史



歴史の教科書を執筆したこともあり、歴史についての発言も多い。
 アメリカ占領軍が第2次大戦前の日本の書物を発禁にして、読めなくした話が書かれている。タイトルを見て、面白そうな本もあるのだが、読めなくなった。GHQが教科書に墨をぬらせたことは知られているが、これだけ色々な本を読めなくしたことは、一般には知られていない。



⑥付記
 西尾氏は、もう故人となった保守思想家の代筆をしていたこともあるという。やはり代筆は、あるようだ。

お読みいただき、ありがとうございました。



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