捨ててくれて、ありがとう
こんにちは、愛音です
やりたいことがあった
高校生になったとき、私にはやりたいことがいくつかありました。まずピアスをあけること、髪を染めること、制服のスカート丈をちょっとだけ短くすること、通学中の電車内で音楽を聴くこと、そして高校の友達とプリクラを撮ること、帰りに友達と買い食いをすること。
高校生っぽいことがしたかったのと中学時代を引きずらず、人生のリセットも目的でした。真面目で、つまらなくて、独りの高校生活なんてまっぴらごめんだったから。
新しい自分になりたい。高校生のスタートを華々しくきりたい。入学式前にピアスを左右1つずつ開け、髪もうっすら茶色に染めました。中学時代スカート丈はひざ下でしたが、高校の制服ではもちろんひざ上にしていました。
変わった私
入学式後に友達も出来ました。茶髪、ピアス、メイク、スカート丈が短いことが似合っている子もいたし、黒髪でスカート丈は標準、メイクもしていないけど可愛いな、と思う子とも話をしました。
私は自分を変えると決めていました。もう中学時代みたいに規則を守ることを徹底する自分は嫌でした。多少先生に注意されてもいい、とにかく高校生としてキラキラな毎日を送る。そうすればきっとこの先の人生もキラキラしていて、人生破綻するようなことはない。
入学早々複数の友達と小さなゲーセンでプリクラを撮りました。制服でゲーセンに寄る、そこでプリクラを撮るなんて中学時代の私ならまず絶対にしません。だけど私はもう高校生、あの頃とは違う。
【あの頃とは違う】それは心を強くさせる言葉として繰り返し呟いていました。そして【行動あるのみ】いいと思ったことはまずやってみる。だから鏡にいるのは髪が茶色で、ファーストピアスが光っていて、スカートが短い私がいる。昨日撮ったプリクラを見れば高校デビュー大成功!と言えるからニヤニヤしたり、安心したり、この先に待っている今よりキラキラしている人生が楽しみでした。
変われなかった私
1人で下校していると、同じクラスの子が駅近くの百円ショップで買ったであろうミニドーナツを友達と笑いながら美味しそうに食べていました。まだ買い食いを経験していなかったので、明日は友達誘ってミニドーナツ食べなきゃと決めました。
そして翌日、友達を誘うことがうまくいかなくて、1人で下校しました。友達はいないけど買い食いはしてみたく、百円ショップに行き、昨日友達が食べていたミニドーナツを買うと改札をくぐり、ホームで1つ口に入れました。
頑張って高校生になろうとしました。過去を捨てて、キラキラになりたい、【あの頃とは違う】【行動あるのみ】それなのにあの日、あの時のミニドーナツは少しも美味しくありませんでした。まるで自分の人生を表現したかのような味。
見た目をいくら飾ってもダメ。私の人生がキラキラになるなんてあり得ない。それを突きつけられた気分で、ひどく落ち込みました。
ちなみに高校一年は10日程で不登校になりました。焦って作った友達とも全然連絡とらずで、また独り。
憧れの高校生を味わえた10日間は楽しいものでした。でも本当に欲しかったものは得られていなかった。だから心が寂しかった。だから心を見ないフリしていた。だから現実を見て壊れてしまった。
そして今の生き方
今の生き方も100%満足しているわけでも、欲しいものをすべて手にしているわけではありません。だけど幸せです。楽しいです。今では欲しいものと、今の私が手に出来るものの違いを分かっているからこその幸せであり、楽しさだと思っています。
想像するキラキラ人生も無理やり、がむしゃらになれば歩むのも不可能ではないのかもしれない。だけど無理やりも、がむしゃらも疲れちゃいますよね。それなら想像通りを捨ててしまおう。捨てればきっと楽になり、より自分を知ることが出来ると思っています。
もちろんそれを捨てるのも勇気がいるけど、捨てた後には【ありがとう】そう聞こえてくるはずだから。
*愛音*
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