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共創をデザインするスキルを学び、研究の枠を超え活躍していきたいー日産自動車総合研究所様インタビュー(後編)

産総研デザインスクールの修了生・現役生の活躍を紹介するnoteマガジン「​​AISTDSアンバサダー」。この記事は産総研デザインスクール校長・小島が日産自動車総合研究所の皆さんとの対談後編です。今回は修了生のみなさんが産総研デザインスクールで感じたご自身の変化や、学びを社内で活かしている事例を伺いました。

▼前編の記事


社内のさまざまな場面で活かされる産総研デザインスクールの「学び」

小島:前半では産総研デザインスクール受講中のお話を聞いてきました。後半では、産総研デザインスクール修了後のお話も伺えればと思います。みなさんは産総研デザインスクールでの学びをどのように会社で活かしていますか?

竹本さん:私は前半でもお話したように、アートシンキングやプロトタイピングの手法を社内チームで取り入れています。

また海外出向しているとき、とあるコンソーシアムに参加しました。コンソーシアムでは、まだ市場に出ていないアイデアを市場に出すために、生産や流通に携わるさまざまな人と議論することができました。これは自分のできることが広がったからこその経験だと思います。

岩崎さん:私は社内のアイデアクリエーション活動において、普段一緒に働いていないメンバーとチームを組んでいます。そしてチームビルディングをするときに、産総研デザインスクールでの学びを活かしています。

プロジェクトにモチベーション高く取り組むためには、想いを引き出すコミュニケーションが非常に大切です。だから、チームをリードするときは産総研デザインスクールで学んだ問いかけ方や、ファシリテーションの方法が非常に役立っていますね。

前橋さん:私は産総研デザインスクール受講中に人事部署に異動になりました。異動後は、新卒採用のイベントなどで、産総研デザインスクールで学んだワークショップ設計やファシリテーションスキルを活かしています。

また、一緒に働いているチームは、ベテランから新卒入社など背景が異なるメンバーで編成されています。なので日頃から、メンバーが何をしていきたいか丁寧に対話して、仕事を進めていくよう心がけていますね。

産総研デザインスクールに参加したときは、研究テーマを考える方法を学ぶことが狙いでした。しかし、部署異動しても産総研デザインスクールで学んだことは活かされているなと感じています。

三浦さん:前橋さんがそう言ってくれて、派遣側としても嬉しいです。前橋さんが研究所から人事部署へ異動してもらったことで、研究所と人事との連携がとても取りやすくなり、非常に助かっています。

人事部署でも前橋さんが産総研デザインスクールで学んだことは部署全体にいい影響を与えるだろうと思います。

小島:環境が変わっても学びを活かしてくださりとても嬉しいです。ダニエルさんは産総研デザインスクールを修了したばかりですが、学びを活かせた場面はありましたか?

ダニエルさん:ラピッドプロトタイプの手法を社内でも実践してみました。プロトタイプを1週間程度で作り、フィードバックを重ねていくプロセスをチームメンバーに体験してもらいました。メンバーからはフィードバックの質が高くなったといい反応をもらっています。

小島:早速社内で実践されていて素晴らしいです。修了生のみなさんが積極的に学びを社内へ共有されていますが、上條さんはみなさんの活動をどのように見ていらっしゃいますか?

上條さん:みなさんの活動は研究所内への非常にいい影響を与えると思います。みなさんの上司もみなさんの姿から刺激を受けていると思うので、活動がより広がっていくように私たちも環境を整えていきたいと思っています。


産総研デザインスクールで、研究の枠を超えた活動ができるようになった

小島:今まで産総研デザインスクールでの学びを伺ってきました。みなさんは産総研デザインスクールを受講したことで、ご自身が変化したと思うところはありますか?

竹本さん:今までは会社で自分の研究を進めていくことに価値を感じていました。しかし、産総研デザインスクールで会社外の人ともタッグを組み課題に取り組んでいくマインドセットを学んだことで、自分はもっと大きなことができるんだと気づきました。修了後は、自分の活動範囲が大きく広がったと思います。

岩崎さん:私はデザインスクールを通して、一人でできることは限られていて、世の中にはいろんな人がいることに気づきました。

だからこそ、チームでプロジェクトに取り組むことに価値を感じるようになりましたし、相手と対話するときは、相手の経験や想いを引き出すような話し方に変化したと思います。コミュニケーションの姿勢が変わったことで、周りとの議論もより実のある内容になっていると感じています。

前橋さん:私も産総研デザインスクールでコミュニケーションに対するスタンスが大きく変化したと思います。

受講する前は、業務やコミュニケーションも社内チームや研究所内だけで完結することがほとんどでした。しかし産総研デザインスクールで、会社外のメンバーと長期間いろんなことに挑戦できたことで、自分はコミュニケーションが苦手なのではなく、単純に自分が対話したいと思っていなかったのだと気づきました。

産総研デザインスクールで、自分の思っていることを伝えつつ、相手の話を丁寧に聞く。この意識が身についたことで、対話することの大切さを学ぶことができました。だから、相手と対話することに対するハードルが大きく下がったと思います。

ダニエルさん:私はワークショップの設計方法などを学べたことで、よりスムーズに人を巻き込んでいくことができるようになったと思います。

産総研デザインスクールに参加していなかったら、共創したい人をどう巻き込んでいけばいいかわからなかったと思います。産総研デザインスクールで人を巻き込み、リードしていく方法を実践的に学べたので、共創するうえで人を誘いやすくなったと感じています。

小島:お話を聞いていると、みなさんの視点や活動範囲が大きく広がっているように感じます。派遣する立場にいる三浦さんは修了生の変化をどう感じていますか?

三浦さん:修了生の上司からはみなさんが学んだことを社内で実践し、業務に対する積極性が大きく向上していると聞いています。

また修了生のみなさんが産総研デザインスクール修了後に、海外赴任や部署異動、新しいプロジェクトへの参加など、より視点を上げ、視野を広げる仕事にアサインされている印象があります。

つまり、みなさんが今後より活躍していける素養が産総研デザインスクールで磨かれ、それを上司や周囲も感じ取っているのだと思います。

小島:周囲にもみなさんの変化が伝わり、実際に環境が変化しているのは素晴らしいですね。運営として非常に嬉しい限りです。


共創できる関係性をつくり、研究を社会へ繋げていきたい

小島:ここまで産総研デザインスクールでの学びや変化について伺ってきました。最後に、みなさんの今後の展望を聞かせていただけますか?

竹本さん:私は自分のアイデアを社会実装していきたいです。そのためには、様々な背景を持った人を巻き込む必要があるので、社内でも関係性を広げていきながら、社会実装ができるスキームを作っていきたいと思っています。

岩崎さん:私は電気自動車の転換期に、今までにない使い方や形態で社会へ実装できるよう取り組んでいきたいです。そのために会社内にとどまらず、志が似ている人とチームを組んで、アイデアやプロジェクトを形にしていきたいと思っています。

前橋さん:私は産総研デザインスクールで、これから自分が会社で何をしていきたいかを深く考えることができました。また相手とのコミュニケーションを通して、自分の価値観は変化していくんだと気づくこともできました。

だから今後は私と一緒に働くメンバーの想いを引き出し、想いを具体的にするプロセスと一緒に探求できる関係性をつくっていきたいです。

ダニエルさん:私はあらゆる人が制限なく、自分のやりたいことを探求できる社会をつくっていきたいと思っています。そのためには様々な課題に取り組む必要があり、多くの人の協力が必要です。だから部署を超えて人を巻き込んだり、他の会社との共創をつくっていきたいです。

小島:展望を伺って、みなさんのやりたいことがより具体的かつ大きくなっているように感じました。今後の活躍がとても楽しみですし、心から応援しています。今日はありがとうございました。


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