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国旗掲揚

いちめんのニッポンコッキ
いちめんのニッポンコッキ
いちめんのニッポンコッキ

日本国旗を振ることは
なんというのでしょうか、
なんかこー、
あまり公の場ではしないこと、
してはいけないことのような気がして
ずっと気が引けてきました。

そしてたぶん
その感情は、
私だけじゃないんじゃないかな、と思います。

日の丸の旗が取り付けられ
響き渡る高らかな斉唱

右翼の車が通る度
“あまり見ない方がいい”

皇族の話題がのぼる度
“この話題はやめよう、誰が聞いてるか分からないから”

いつしか私は
日章旗でさえも
無意識のうちに恐れるようになっていました。

それがどうでしょう。
見渡す限り、
日の丸の旗。旗。旗。

雲一つない
透き通った青空の下

老いも若いも
男も女も

皆嬉々とした顔で
力いっぱい国旗を高く掲げ

誰しもが
日本国民であることを
日本という国を
心から祝福していました。

まるで狐に包まれたような。
なんだか不思議な気持ち。

あ、みんな旗を振っている。
ここでは、いいんだ。
大丈夫なんだ。

同時に、
ちょっぴり安心もしました。

なーんだ
やっぱりみんな
ちゃんと日本が大好きなんじゃないか。

そして
私という人間は
紛れもなく
この日本という国で
生まれたのだ、ということを
まざまざと実感しました。

平成最後、という
一世一代の大イベント。

昨年の2倍以上の来客があったのでは、
という声もありました。

かくいう私もその1人。

平成生まれ、平成育ち
生粋の平成ガールとしての
責任を果たすべく

時代の象徴であった
天皇の姿を拝みに行きました。

待ち時間5時間、
参賀時間5分。

寒風が静かに吹き荒ぶ中
朝9時から桜田門の列に並び

2時間かけて
手荷物検査
ボディチェックを終え

さらに3時間かけて
やっと拝めた肉声。

“本年が
少しでも多くの人にとり
良い年となるよう願っています
年頭に当たり
我が国と
世界の人々の
安寧と幸せを祈ります”

柔らかで
凛としたその声は
聞く者の心を
穏やかに、そして嫋やかに
鎮めていくパワーがありました。

「綺麗だった。」
隣で一緒に見ていた彼は、うっとりと一言漏らしました。

新年の柔らかな光が
礼服に身を包んだ彼らに
誠しとやかに降り注ぐ様子は
確かに美しかった。


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