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1/28。寒い、寒い、寒い、話。

5:30起床。

天気は雨。





……。
……。
……。


「ねえ、ねえ」


ねえ。
頼むから、静かにしてくれないかな。
……ううん、レイモンド・カーヴァ―じゃなくてさ。


……。
……。
……。


「こっちに、おいでよ」


そっちに、何があるの?
こっちは、何も無いの?


もう少しだけ、ここにいるよ。





暖かいところに、行きたいな。暖かいところって、どこ? さあ、わからないな。わからないけど……行きたいんだよ。暖かいところっていうのは、きっと、何もかも、満ち足りている場所だから……。


昨日から、急に冷え込んだ、気がする。けれど、これは、気のせいじゃないらしい。関東では、今週、大雪になる、らしい。僕は関東に住んでいないけど、僕が住んでいるところにも、それなりに影響は出るだろう。


雪……雪……。子どものころは、うれしくってしょうがなかったけど、大人になるにつれて、うれしくなくなったな。雪遊び、しなくなったからかな。……ううん、それだけじゃない。積雪がひどいときは、実家から出られなくなったりしたもの。雪っていうのは、厄介なものだと、幼心に理解し始めたんだろう。フィクションの中では――特に、子ども向けのものでは――あんなに儚くて、綺麗なのにね。


僕はさ、心配なんだよ。パートナーのことがさ。だって、パートナーの職場は、うちから遠いから。行き帰りだけで、結構時間がかかってしまうから。それなのに、雪なんか降ってしまったら――ううん、降らなくっても、道路が凍りついてしまったら――ああ、心配でたまらなくなる。けれど、僕は、何もできない。パートナーが、無事に帰ってきますように。そう、祈るだけだ。


冬……冬……。寒くなくなったら、苦手じゃなくなるんだけど。でも、そんなの、冬じゃないね。冬と仲良くするには、どうすればいいんだろう……。こっちから、歩み寄るしかない、かな。僕だって、君のことは、嫌いじゃないんだ。ただ、僕が、寒いのが苦手なだけなんだ……。でも、僕、暑いのも苦手だから……。ああ、これはもう、どうしようもない問題だな。


暖かいところに、行きたいな。暖かいところって、どこ? さあ、わからないな。わからないけど……。まずは部屋を、うんと暖めよう。





「僕だけが、鳴いている」

これは、僕とドッペルさんの話。もしくは、何か(を生む/が死ぬ)話。

下記にて、連載中。
(第一話無料、第二話以降有料)


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