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8/7

4:58起床。

天気は曇り。
エアコンの稼働音は、きいきい、きいきい。

遠く、遠くを見つめていると、
たやすく、足をふみ外すのだ。

何もしなかった。
何もできなかった。

「恥の多い生涯を送って来ました」

僕も、きっとそうなんだ。
僕そのものが、恥なんだ。
自分にとっても。
他人にとっても。

「情緒が安定していないようですね」

この前、ハローワークの担当さんにいわれたことば。

その通りだった。

僕は、安定していない。
ハローワーク=職業安定所に通っているんだもの。
安定させたいのだ。
安寧を欲する故に。

昨日は、週に一度の受診日。
僕は、前回から今回に至るまでの経緯を説明した。

感情の起伏が激しくて……。
情緒が安定していなくて……。
夜になるとそれがひどくて……。
食事もあまり摂っていなくて……。

とりあえず、栄養剤が追加されることになった。

ドリンクタイプ。
おいしくはない。
こういう類のものは、大抵おいしくない。
「美味ではないですね」と主治医からのお墨付き。
知っています。とても、よく。
僕は、うんうんとうなづいた。

なぜなら、以前試飲したことがあるから。
なぜなら、以前は治療する側だったから。
なぜなら、以前は病院に勤めていたから。
なぜなら――もう、思い出したくもない。

まずいとわかっているものを飲めるのか、
頭の悪すぎる僕にはよくわからなかった。

帰りに、コンビニでオムライスを買った。
「とろーり玉子のデミオムライス」
僕の、好きなもの。
僕が、好きだったもの。
けれど、
頬ばっても頬ばっても、
おいしさがわからない。
それはコンビニのせいじゃない。
僕の頭が、悪すぎるからだった。

眠い。
とても、眠い。
前日は、あまり眠れなかったから。
だから、少し昼寝でもしようかと。
けれど、なかなか寝付けなかった。

お前は、今日何もしていないぞ。
お前は、今日一日を無駄にした。
お前は、お前は……。

ああ、ああ。
ごめんなさい。
でも、体が動いてくれないんです。
本当に、本当に。
怠けているわけではございません。
本当に、本当に申し訳ありません……。

「何もできなくて、ごめんなさい」

僕は、パートナーに懺悔した。
こんな僕で、ごめんなさい。
生きていて、ごめんなさい。

「大丈夫」

パートナーはいった。

「あなたが頑張っているのは、わかっている。
 だから大丈夫、大丈夫……」

ああ、そうか。
僕は、思い出した。
パートナーが大丈夫といえば、大丈夫なんだ。

明日は、大丈夫かな。
うん。きっと大丈夫。
もし、だめだったら。
そばにいるから。ね。

だから、今朝は元気だ。
そばにいてくれる人がいるから。
パートナーが、そばにいるから。

だから、
今日はきっと、いい日になるよ。
大切な人がいる、いい日になる。

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