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3/17。呪いが解けたんだよ、リトルクライ。

5:30起床。

天気は晴れ。





……。
……。
……。


「大丈夫、大丈夫」


ねえ、
そんなことばに、
何の意味があるの?
何の保証があるの?


僕には、
そんなことばは、


……。
……。
……。


「大丈夫、大丈夫」


ねえ、
そんなことばは、
もう、いいからさ。


お願い。
手を、つないでよ。





体が動く。起き上がってみる。体は、その通りに動く。立ち上がってみる。体は、その通りに動く。体が軽い。僕は思わず、諸手を挙げる。元気になったんだ。寝ぼけまなこだったパートナーは、ぱっちり目を覚まし、心から祝福してくれた。


昨日、僕は重症だった。体に何かあったとか、そんなんじゃなく、強いていえば、心に何かあったんだ。その「何か」は、上手く説明できないけど。朝起きると、体が動かなかった。布団の上でじたばたもがいてみても、なかなか起き上がれなかった。どうしよう、どうしよう……。


でも、こんなことは初めてじゃなかった。というより、先月からよく起こるようになったから、今月から時短勤務になったんだ。僕の出勤は、13時から。どうか、そのときには、治りますように……。今までは、遅くても10時までには、起き上がれるようになったんだから……。


でも、僕の祈りもむなしく、僕は欠勤の連絡をせざるをえなくなった。12時を回っても、体はいうことを聞いてくれなかった。結局、僕は昨日一日、布団の上で過ごすことになった。


僕は、布団の上で、悶々と考えた。午前中に、良き相談相手であるハローワークの担当さんに、電話をした。担当さんはいった。「天候のせいにすればいい」。実際、そうなのかもしれない。昨日のお天道さまは、ちょっとおかしかった。晴れたり、雨が降ったり、霰が降ったり、また晴れたり……。それで、僕の体調も崩れに崩れたのかもしれない。一日中床に伏しているのは、想定外だったけど。


僕は、体調を崩しても、夕方には元気になる。……今まで通りなら。でも昨日は、夕方どころか夜になっても、僕の調子は戻らなかった。明日……明日はどうなっちゃうんだろう……。僕は何も考えたくなくて、頓服を喉に流し込んで、眠ることにした。


そして、今朝。僕は、勢いよく体を起こした。……起こせた。起こせた! 僕は、すっかり回復していた。よかった、よかった。何日も寝込むことになるかもしれない。そんな考えが、昨日はずっと頭をよぎっていたから。僕は大喜びした。


体が動くって、何て、すばらしいんだろう……。僕は、当たり前で当たり前じゃないことに感激しながら、イオンウォーターを飲み下した。





「僕だけが、鳴いている」

これは、僕とドッペルさんの話。もしくは、何か(を生む/が死ぬ)話。

連載中。


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