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読書の秋

本好きに「思春期の頃に心に響いて忘れられない本」を聞いたとしたら、
1冊や2冊、なんならもっと出てくると思われます。

私が小学校~中学の頃に胸を打たれ、いまだに持っている本は

・恩田陸さんの光の帝国、
・サリンジャーのナインストーリーズ、
・スティーヴン キングのグリーン・マイル。
・ロバート・A. ハインラインの夏への扉。

です。
今見返すと、分かりやすくSFというか不思議な話が好きだった思春期時代。

同時期に宮部みゆきさんや東野圭吾さん、大沢在昌さんも読み漁ったけれど、何度も読み返したのは結局ちょっと不思議な作品たちでした。

 冲方丁さんの天地明察に感動して何度も読みたいと思ったのは、もう少し大人になってからだったと思います。

そういうことを思い出した出来事は、本が大量に必要になったからでした。

●本が大量に必要になった

 突然次女が入院し、Wi-Fiもつながらない場所でひたすら暇な数週間を過ごすことが決定しました(ドキドキハラハラの連続だったけれど今は元気です。)
同時にその暇を埋めるために、本を読みたいということになったのですが、毎日漫画を買っていたら我が家が破産するということが明らかになりました。

最初は色々大変だし、好きな本を読ませてあげたいと思ったんです。

でも彼女の希望のラインナップは
・葬送のフリーレン
・薬屋の独り言
・日常ロック
・スパイファミリー

・・・BOOKOFFに行ったら人気すぎてほぼないか、あっても高額。
もしくは手放す人が少なくて置いていないもの。
要は今流行ってるかコアファンがいるかの作品群、だったのです。

試しに一番読みたがった葬送のフリーレンをBOOKOFFと本屋をめぐって買ったのですが11巻分で総額6000円を超えました。
一気に渡すとつらすぎるので2日に分けたけれど、彼女は数時間でこれを読んでしまいました。
・・・これが何週間も続くのは我が家には無理だ。

●私と次女のベン図の重なりを探す

そんな時、私が小学生~中学生初期に読んでいた本を渡してみてはどうかと思い、自宅の本棚を探すことにしたのです。

とはいえ、いきなり私の本になったわけではありません。

私は母の影響で小学生の時点で藤堂志津子さんや東野圭吾さん、宮部みゆきさんを読んでいた人間。愛読書は父が読んでいたスピリッツ。
不倫だの殺人事件だの、人生がハードなメンバーやハードボイルドが満載の世界でした。

 一方で次女が好きなのはいわゆるラノベ。そこに出てくる探偵や天才少女や、事件解決するスーパー中学生はOKでも、警視庁とかそういうのが出てくる小難しいのは嫌い。残虐な話も嫌。

 最初は近年の本の方がいいかなと思い、長女コレクションから東野圭吾さんの「魔女と過ごした七日間」を渡してみたけれど、「だから。警察庁とか出てくる、こういう難しいのは無理」と断られてしまっています。

ベン図の重なりが見えない。
いきなり私の本コレクションは難しそう。長女の好きながっつり本も無理そうだ。

ということで、まず導入部分として、絵をメインにしたヨシタケシンスケさんの「あるかしら書店」を置いてみました。これは普段は手に取らなかったけれど、渡してみると4回も読んだそうです。
 

 そんな時、ふと、恩田陸さんの光の帝国を思い出したのでした。
ママの持ってくる本はなんていうか次女から見るとちょっと「おかたい」。あと真面目。そこに彼女が生まれる前の作品という条件が入るのは難しいかと思ったのですが、渡してみると今までと反応が違う。
面白かったというのです。
「でも私は日常ロックが読みたいけどね」といいつつも、重なりが見えてきた瞬間でした。

これはいけるか?と
試しに、あさのあつこさんのバッテリーを渡してみました。読んでくれました。(読んでくれた、なんて、300万部以上も売れて沢山の人の心を動かした名作に、不遜な我が子を謝らせたいほど申し訳ない。けれど長女が読んで以来、家でずっと出番を待っていたこの本が日の目を見て本当にうれしい。)

 でももっとファンタジーがいいというので上橋菜穂子さんの精霊の守り人を渡してみました。
「私こういう大きな本より、小さい本(単行本)がいいんだけど」
と言いつつも、挿絵や章ごとのタイトルが気に入ったようで「これは読めそう」と受け取ってくれました。

難しいと思って敬遠していた世界に足を踏み入れてくれて嬉しい。
色々大変だったけれど、本が読める状況がうれしい。

もちろん、漫画も持って行っております。
昨日は銀魂を持っていきました(1冊100円!BOOKOFFさんありがとう!)今日は、BOOKOFFには寄れないので、自宅でかくしておいた夏目友人帳の漫画の続きを持っていきます(昔の母コレクション)。

落ち着いてきたので、今後は図書館にも行けそう。

DLした動画も観つつ、さらに1日にものすごい量の本を読んでいる次女。
次女はまさに今、読書の秋を満喫中です。




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