【本35】ワクワクする職場をつくる

この本は、前に「読んでみたいな」と思ってメモしていた本でした。
図書館で借りようと思いましたが、なかなか出会わなかった本です。

GWの初日、図書館に行って本を検索していた時、なにかの検索項目に引っかかって出てきました。
「あ、これ読みたかった本だ」と思ったら、ちょうど在庫あり!
これは今回読むべき本なんだな〜と思い、早速借りました。

タイトルの『ワクワク』について、ちょうど数日前にさいとぅーさんとの話題の中に出てきた言葉で、私自身が心の中に引っかかった言葉でした。
私は『ワクワク』している?
『ワクワク』することに向かっている?

みなさんはどうですか?

☆本の内容☆
「良い感情の連鎖」を起こすことで、人と組織は動き出す。
あきらめ感を脱して、未来に希望が持てる「ワクワクする職場」に必ず変われる。

本当はもっと、楽しく仕事がしたい、仕事にワクワクしたい。
本当はもっと、上司も同僚も大切な仲間だと思えるようになりたい。
本当はもっと、自分たちがやっていることに夢と誇りを持ちたい。
そんな気持ちが、どこかで溢れ出すと、それが大きな力となって周囲に連鎖反応を起こしていく。

起きている時間の大半を働いて過ごしている私たち。
そんな時間をもっと充実した時間にしたい、ワクワク働きたい、そう思っている人はたくさんいると思います。
でもその一歩を踏み出すのは勇気とかなりのパワーが必要。

コミュニケーションの変容が、お互いの関わり方を変え、協力し合えない「不機嫌な職場」を生んでいった。
こうした職場の状況をみんなで共有して、みんなで変えていく活動を支援するために、職場に広がる感情や空気感を「組織感情」と定義し、職場のメンバーが周囲の感情をどう感じているのかを調査する「組織感情診断」。
組織感情は、「イキイキ感情」「あたたか感情」「冷え冷え感情」「ギスギス感情」の4つに分類される。
これまで実施したデータを見ると、日本の職場の半分近くが明らかな問題を抱えており、7割ぐらいの職場が活力のない、前向きなチャレンジのできない職場になっている。

イキイキ職場を目指したい!
みんながそう思うのではないでしょうか。
一緒に働く仲間と、イキイキと働いていたい。
そのために自分にできることは…?


○今、多くの人があきらめ感を覚えている

一人一人が自分の仕事で精いっぱい。
自力で成果を出せといわれて、余裕をなくし、周囲から孤立し、なにをしているのか、考えているのかが見えなくなる人ばかりをつくってしまう。

うまくいかない状況が続くと自分に苛立ち、イライラに気づいてくれない周囲に不信感を持つようになり、ギスギスした感情として広がっていく。
この状態が長く続くと、人の感情レベルはさらに低下してしまう。
このままで、自分も組織も大丈夫なのだろうか、ちゃんとやっていけるのだろうかと不安感を募らせ、状況が改善されないと、前向きな気持ちが持てなくなり、自分に自信を失ってく人も増えていく。
最終的には、何をしてもどうせ変わらない、我慢しよう、耐えようといった「あきらめ感」が職場全体に広がっていく。

こういったあきらめ感が職場に広がっていくと、さらに悪循環に繋がっていきます。

こうした状態が続くと、人はどうなっていくのか。
多くの人は、自分の感情を押し殺すようになる。
じっとして、周囲の状況に流されない、振り回されないように、心の感度を鈍らせていく。(『無感情職場』になっていく)

こうした職場の状況は、人からさらに前向きさを奪っていく。
頑張っても報われるどころか、ますます追い込まれるだけだと思ってしまう。
だからこれ以上、負担を増やしたくない。

それぞれの世代が、自分の置かれた状況に影響され、自分の心を閉じ込め、萎縮しながら生きている。

すごくよくわかる表現です。
「それぞれの世代」の説明も、ここでは割愛しましたが、「なるほど〜」と納得させられるものでした。
こうやって活力のない組織になっていくのだなと改めて思い知らされました。
しかし、それを『ワクワクする職場』に変えていくのも、私たちしかいないということです。

でも、本当にこのままでいいのか、そう悩んでいる人もたくさんいる。
マネジャーの中には、部下ともっと向き合わなければ、彼らともっと対話しなければと真剣に悩んでいる人たちもいる。
シニア社員の中には、このままで終わりたくない、自分にもまだまだできることがある。もう一度、イキイキと働く自分を取り戻したいと思っている人もいる。
バブル期入社の中核世代の中には、若手をもっと元気にしたい、バブル期のような活気のある会社、雰囲気を取り戻したいと思っている人もいる。
中堅社員の中にも、自分の将来に不安を感じながら、自分がどういうリーダーになればいいのか真剣に悩み、自分の中にある不安と格闘している人もいる。
若手社員の中にも、就職してみて、自分の期待と違っている部分はあっても、どうにか成長したい、自分なりに周囲から認めてもらえる人材になりたいと思っている人もいる。
ソコソコでいい、どうせ何も変わらないと自分に言い聞かせながらも、そう割り切れない自分がいる。

心の中にこういった思いを抱えている人はたくさんいると思います。
でも「自分一人で何かできるわけでもない」と行動を起こすことをためらい、でもまた「あきらめたくない」という思いが湧いてきたり。
これを繰り返して、モヤモヤしている人もいるでしょう。
どうやったらこの「あきらめ感」から抜け出せるのか。

○なぜあきらめ感が消えないのか。

その原因は大きく3つに分けられる。
①閉じこもる働き方
②関係の希薄化
③方向感の喪失

仕事は難易度とスピードが高まり、リスクが増え、ますます成果が問われる。
そうした状況の中で、多くの人たちが自己防衛型の行動を取るようになる。
自分ができることはしっかりやる。
でもリスクのあること、自分の成果に繋がらないことはやらない。
他の人に協力して、自分の仕事が遅れて、責められたらたまらない。
だから自分の仕事に閉じこもる。

閉じた働き方は同時に、ともに働くメンバー同士の関係をさらに希薄なものへと変えていく。
みんなパソコンに向かって、黙々と仕事をしている。
外出ばかり、会議ばかりで机にいない。
たまに席に戻ってきても、忙しそうにしていて、声をかけられない。
そうした状況の中で、お互いが気を遣い始める。
こうした希薄化が、ますますお互いを見えなくしていく。

こうした関係の希薄化は、人の思考を孤立させてしまう。
自分の中に、仕事の意義を見出そうとする。
ところが、忙しい日々、本音を語る仲間がいない状況が続くと、何のために働いているのか見えなくなる。
目の前の業務をこなし続けるうちに、その先に何があるのかが見えなくなる。
この仕事をこのまま続けても、自分が成長し、イキイキ働き続けられるとも思えなくなる。

すごくわかりやすい気持ちの変化!
こうやってあきらめ感が蔓延していく職場が出来上がるのだと、鮮明にイメージすることができます。

○みんなが傍観者になっている

本当はいろいろな人たちが気づき、憂いている。
そういう人たちが、身近な人たち同士で不満を言い合っていたのに、どうせ変わらないと思うと、不満を口にすることもやめてしまう。
そうやって、物言わぬ社員ばかりになっていく。

人がイキイキと働くために大切にしなければならないもの。
働くこと自体の尊さや喜び、支えてくれる仲間たち、誰かのために役に立ちたいという思いや志。
そういったものが失われることに気づきつつも、みんなが黙って見過ごしてしまった。
いつしかみんなが傍観者という病気にかかり、元気をなくしていった。

『他人事』という思いが一番色々なことに悪い影響を与えていくものだと思います。
自分自身も、見えてきた課題について『他人事』になっていないか、意識しておかないといけないな。
『他人事』にしていれば、解決できる問題も、解決の糸口が見つからない状況に陥ってしまいます。

○なぜ多くの変革はうまくいかないのか

一番多い典型例は、上が理解してくれない、上が認めてくれないといって止まってしまうケース。
その理由は、提案をする側の説得力不足。
大切なのは、現場で起きていることの根幹にあるものが何かを明らかにし、そこで生まれている意識や行動原理が、組織全体の動きや今後の企業の成長にとって大きなブレーキになっている、足かせになっていることを示すこと。
もう一つの理由は、提案を受ける側の、否定されることへの抵抗感。
問題だと気付いても、しっかりと議論し、コンセンサスを得るところにまで持っていけない。
変革となると、自分の部署を守りたい、自分の部署は関係ないというスタンスをとってしまう。
社長や会長の顔色ばかりを見ていて、お互いのことを見ていない、横のつながりが持てていない。

2番目の典型例は、社員の行動が引き出せないというケース。
経営者のメッセージが響かない。
今の仕事の仕方、今の状況とかけ離れた夢物語を示されても、それが現実になると思えない。
そして、メッセージを出す側の姿勢。
「変わるのは君たちだ。意識と行動を変えなさい」と言われると、正直、抵抗感を持つ人がかなりいる。

3番目の典型例は、具体的な仕組みやルールを導入して、一時的には変化があっても、行動が持続しない、変革には至らないというケース。
仕組みや構造を変えると、仕事の進め方やコミュニケーションの仕方も変えないといけない。
ところが、目の前の業務は相変わらず変わらない。あるいは変えなければならないのに変えられない。

どのような変革も最後は、そこに参加する人たちが変われるかという問題。
最後は自分が変わらなければ、自分も変わりたい、と思えるかどうか。

いろいろな典型例や理由がありますが、最後は自分たちの意志が影響してきます。

○組織を変えるカギ

まず最初に適切なビジョンを示すこと。
ビジョンは人の心をワクワクさせるものでなければならない。
イキイキと働く自分をイメージできることが大切。
ビジョンは浸透させるものではなく、共感するもの。
素晴らしいビジョンを描いても、そこに共感が生まれ、自分を投影し、ワクワクする人たちが生まれてこなければ、変革には繋がらない。

『変えたい』『良くしたい』という強い思いを軸に、みんなで一緒に踏み出し、みんなで一緒に変わっていく『思い起点』『関係起点』の変革。

ビジョンは浸透させるものではなく、共感するもの。
本当にそのとおりです。
でも浸透させるもの、と思っている人がたくさんいるとも思います。
何のためのビジョンか。そこに思い至らなければ、ビジョンはただの絵に描いた餅になります。

関係起点の組織変革を起こすために、第一に『感じる力』『共感する力』を再生すること。
多くの人たちが自分の殻に閉じこもって働くうちに、互いの感情がみえなくなり、互いの感情の小さな変化に気づくことができなくなっていった。

第二に『向き合う力』を再生すること。
どうして「仕方ない」「どうせ無理だ」「何も変わらない」などと思ってしまうのか。きっかけは何だったのだろうか?
まずは自分の感情と向き合いながら、自分の根幹にあるものに気づくこと。

第三に『思いに変える力』の再生。
各人の根底に押し込めていたものを引き出してみる。
思いを重ね、形に変え、組織としての行動に変えていく。
こうした動きが、人と組織を変える原動力になっていく。

私たちが再生させていかなければならない『力』。
それを一人一人が意識して、一緒に再生させていく。
みんなで一緒に変わっていく。

○組織革新の3つのステップ

①関係革新(崩れかけた組織の土台をつくり直すこと)
感情を伝え合う、組織感情を共有する。
相互理解のための対話を行う。
支え合う仲間をつくる。
そしてこの土台を簡単には崩れない、強固なものにする。
そのためには、互いを知り、互いを思いやるからこそ、みんなが守られ、前向きになれる。
そんな関係を維持し、発展し続ける良いサイクルを生み出していく必要がある。
自然とお互いが良いフィードバックをし合う関係を作り出す。
「ありがとう」「良かったね」「すごいね」「助かったよ」こんな言葉が自然と行き交う職場にしていく。
お互いのことを認め合う、お互いが良いフィードバックを返し合う。
頑張れば周囲が認めてくれる、自分を必要としてくれる、こうした気持ちが心の扉を開き、意識を内側から外側に向けてくれるようになる。


②仕事革新
働く喜びの源泉を考える。
つながり力を引き出す働き方に変える。
仕事への思いや誇りを取り戻す。
忙しい中でも、時間がない中でも、お互いの仕事の状況をシェアし、適切なタイミングで手を差し伸べ合うこと。
組織力は「個人力✖️つながり力」。
互いを理解し、共通の土台をつくる
互いの良さを認識し、連携の仕方を共有する
互いが柔軟に結びつき、支援し合う
互いを認め合い、存在価値を見出す

③未来革新
組織感度を高める。
自分たちの価値を問い直す。
未来をつくる仕組みへ革新する。
仕事への思いを、未来の仕事、事業に結びつけていく。
今多くの企業の中で起きているのは未来志向というマインドの欠如
組織全体が世の中の変化、未来の可能性に敏感になり、そうした情報にみんなが絶えず触れ、目線を外に向ける。
私たちのしていることは、必ず誰かを幸せにするためにやっているはず。
自分たちの提供している価値を名詞的にとらえるのではなく、動詞的にとらえてみると、イメージが湧いてくる。
世界観を共有すると、そこに向けた連携が自然と生まれる。

変革のための土台となるのは、つながり力。
一緒に働く仲間たちと、思いを共有していくところから始めよう。
関係革新ができたら、仕事に対する思いを共有しよう。
仕事革新ができたら、未来に向かってみんなでイメージし、動き出そう。

未来を作る仕組み。
研修を人材開発の場とするだけでなく、組織開発、すなわち未来に向けた組織の力を開発する場にする。
人事制度についても、現行の制度は多くの人たちの未来への思いを引き出しているのか。
目標はみんなで決める。決めた目標はみんなで達成する。

制度で人は動かない。でも、制度で人は行動を決める。

言葉には人の心を動かす力がある。
未来につながる前向きな言葉があふれる職場にしていくこと。
そうした言葉が部門を超え、会社全体に広がる。
これが未来志向の文化をつくることになる。

未来にどんな思いを持っていたいか。
それをみんなで実現していくこと。
その思いを共有していこう。

○自分の意志を取り戻す

今、変えるべきは、企業も個人も、自分たちらしい生き方を取り戻すこと。
自分たちが何にこだわり、周囲の変化の中でどう自らの意志で判断し、行動していくのか。

変わるために、「変えてはいけないもの」を決めることが重要。
そこにこだわりたいから、そこが何より大切だと思えるから、変わりたいのだ。
本当に変えてはいけないことは、誰にとっても大切だと思えること、ともに生きていく人たちが共感し、ともに歩んでいくために曲げてはいけないもの
そのためになら、自分たちを変えようと思える、よりどころになるもの。
それが、組織と人を変革する原動力になっていく。

ともに変わる、みんなで変わる。
みんなが少しずつリーダーシップを発揮する組織。
みんながリーダーになるために、みんなが支え合う。
こうした関係性に基づくリーダーシップが組織全体に広がっていくことが大切。

自分の芯となる大事なものは何か。
それと会社の芯となるものの共通するところはどこか。
まずは自分の思いと向き合うことから始めてみましょう。

自分とつながる力
他者とつながる力
世界とつながる力
幸せとつながる力
未来とつながる力

大切なのは思いを持ち、行動する人たちが出てくるような場を作ることと、そうした人たちの連鎖を起こしていくこと。

自分からいきなり踏み出せなくてもいい。
しかし、そんな一歩を踏み出しかけた人がいたら、ぜひその人と一緒に自分も踏み出す。
そうすればいつか、自分が最初の一歩を踏み出す人になれる。

本の中には様々会社の取り組み事例が書かれています。
具体的にどういったことを実行してきたのかが、とても分かりやすく書かれていますので、興味のある方は是非読んでみてください!

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この根っことなるのはこれだと思う!


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