マガジンのカバー画像

日々是おとぼけ「ナソナとイソニ劇場」

62
ナソナこと、母、七十七歳。生粋のおとぼけ。イソニこと、私、五十二歳。ボケとツッコミの二刀流。そんな二人が繰り広げる、愛と笑いとちょっぴり心配も詰まった日常を描いたシリーズ。「おす… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

おすそわけ日記 281「愛の二人三脚〜81歳の母の仕事を手伝う56歳の娘〜」

流行りの8050問題にバッチリ食い込んでいる我が家。私は『ヤソイソ劇場(旧・ナソナとイソニ、…

大橋 あかね
4週間前
13

我が家の最近の定番、菜の花としらすのパスタを前に、母がぼそりと「八十で、こんなもんか」

八十一歳にして何か思うことが?益々、食が進み、ご飯をお代わりすることか。今度、仕事で写真を撮られることか。

「あ、間違えた。五百だった」

母さん、それ、パスタ茹でる時の水の量の話だね。

大橋 あかね
1か月前
7

強風の中、歩いて五分のパン屋に出かけた母、一時間後に帰宅。「二十人位、並んでた…風で飛ばされそうになった」

一方私は足取り軽く、パンに塗るレバーペーストを買いに。一緒に行く?と母に尋ねたら「もう、いいです」

芝刈りに出かけたお爺さんに「今度は洗濯もどう?」みたいな追い討ちか。

大橋 あかね
2か月前
9

おすそわけ日記 266「焼きたてのパン」

雨降る日曜の朝、かじかむ手を握りしめながら、パン屋へ向かう。 「あー、もう、店内に待ちの…

大橋 あかね
2か月前
8

愛用のキーホルダーが壊れたショック。一緒に買った母が「私の使う?」いや、イニシャル違うし。

あ、待って。私の推しも母と同じイニシャルS。「じゃあ、いいじゃん」そうなんだけど、推しと母、イニシャルと血液型と星座が同じで誕生日一日違い。

被りすぎて、誰を推してるのか混乱するのよ。

3

昨夜、母が私に背を向けて「今日も一日ありがとう」ありがとう感が、まるで伝わらん!抗議をしたら、母、向き直って「ワラシ」火に油か。「前髪がこう…ワラシ童子?」重ね言葉、新し!「あ、座敷童!」なるほどねー。五十年住み着いちゃったからねー。母さんなんか、住み着き歴八十年だけどねー。

3

おすそわけ日記 220「ナソイソ劇場〜買い物戦士オカアサン〜」

冷蔵庫に食べ物がない。そこまではいい。 だが、トイレットペーパーが残り数十センチしかないのは如何なものか。 どうしても今日、今すぐ、買い物に行かねば。 やる気のない私を家に残し、照りつける西陽の中、果敢にもスーパーに向かう母。 後ろ姿に、戦士の趣が漂う。 一時間半後、ぱんぱんに膨れたショッピングキャリーを引きずって、母、帰宅。 まずはこれを、と差し出されたのは、トイレットペーパー。速やかにロールセット! 野菜メインで必要最低限の買い物と言いながら、出るわ、出るわ

朝まで漫画とゲーム。母と食料の買い出し予定だったため、昼に目が覚めた瞬間、マズい!と飛び起きる。

目に飛び込んできたのは、テレビの前に陣取って『あつ森』で遊ぶ母の姿。「おはよ〜。久しぶりに、どうぶつさん、楽しんでま〜す」

母よ、ありがとう。私の罪悪感を木っ端微塵にしてくれて。

7

おすそわけ日記 214「毎日がぐたぐたバカンス」

二日間に渡る話し合いの疲れが出たのか、母も私も、こんこんと眠る。 二人が居間に揃ったのが…

8

おすそわけ日記 212「親孝行 されたい時に 子は昼寝」

午前中に起きて、オンラインの観音気功クラスに参加。 気持ちよく汗をかき、気持ちよくお風呂…

8

おすそわけ日記 207「我が家の陰翳礼讃」

昨夜遅く、台所の電気が点かなくなった。 実は、一ヶ月ほど前に台所の洗い場の蛍光灯も切れて…

11

大井町線の車掌さんのアナウンスがいい声で聞き惚れてしまった。また聞きたい。指名制度があればいいのに。母に話したら、投書しなさいと言われた。

私の自撮り写真を、母が開運狸の写真と間違えたことも書き添えておこう。違います。それはあなたの娘です。

悲しいので、緑の写真を載せておく。

6

「母の愛」生肉が食べたいと言ったら、母が買って来てくれた。

感謝を表すべく「このノートの題名が母の愛で、重いと思ったけど、やっぱり有難…」言い終えないうちに、母が「こっちが重い!」

食事中に母「美味しい?」と何度も確認し「わざわざ買いに行ったもんねー!」と得意気。母の愛の圧。

7

おすそわけ日記 204「衝撃の嵐」

夕食後のひととき、母と語る。話をしているうちに、マイペースな母のとんでもない勘違いに行き当たってしまった。 「お母さん、まさか、自分がズレてないと思ってる!?」 「うん」 なんと、こんなにズレまくっているのに。恐るべき、認識不足。 お母さん、言っておきますが、私たちは少数派です。私は子供の頃から家庭環境も含めて、自分が如何に人とズレているかを痛感しています。学校でも職場でも、自分と同じ様な人は殆どいません。まぁ、自分とまるで同じ人はいないし、逆に自分と同じ様な人だから