藤村灯

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クトゥルフ神話とゆるい百合好き。 クトゥルフの呼び声短編コンテスト最優秀賞『The Music of Little Erich』 一迅社 comic LAKE『最強の魔導書は黒歴史ノート!?~召喚されたオタクが異世界で無双したらなぜか敵将軍から溺愛されています~』原作

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The Music of Little Erich

アーティスト志望の少年・淡音春人は、ヘッドフォンを掛けた奇妙な少女と出会う。 ムジカ・E・ツァン。ヴァイオリン演奏家の父親譲りの才能を持ちながらも伸び悩む彼女は、奇妙な装置を手に入れ、より高みを目指そうとする。 The Music of Little Erich  彼女だった音が、まだぼくの耳元で響いている。  ぼくが彼女と初めて会ったのは、夕暮れる5月の廊下。  ふわふわと甘い声でハミングしながら歩くヘッドフォンの少女は、おぼつかない足取りでとても危なっかしく見えた。

    • (´-`).oO(参加編集部と前回受賞作調べて、書ける傾向のネタにトレンド絡めて、8万から10万文字の新作を書き下ろさないと、そもそも勝負の場に立てないと分かってる。分かってはいるんだが…)

      • シェルランナーズ

         神智学研究所の実験施設で目覚めたエニルは、調整されたばかりのESPと限られた装備だけで、事故により放棄された地下施設からの脱出を指示される。  相棒は同じく調整されたばかりのクリム。一つの身体に三人分の魂の詰め込まれた彼女とのバディで、エニルは危険な試験体の解き放たれた施設の最下層を目指す。  最下層で改めて告げられる強行探索班としての初任務。それは主の反応の消えた旧い神の寝所に向かい、情報を持ちかえること。 地下空間:寝所 → 地上  結局クリムはS-スーツを装備する

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           神智学研究所の実験施設で目覚めたエニルは、調整されたばかりのESPと限られた装備だけで、事故により放棄された地下施設からの脱出を指示される。  相棒は同じく調整されたばかりのクリム。一つの身体に三人分の魂の詰め込まれた彼女とのバディで、エニルは危険な試験体の解き放たれた施設の最下層を目指す。  最下層で改めて告げられる強行探索班としての初任務。それは主の反応の消えた旧い神の寝所に向かい、情報を持ちかえること。 実験施設 → 最下層 (おはようございます! そろそろ起きて

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          ケイオスシーカー

          混沌から産まれ、混沌に還る世界。無為に続く永遠を観察し続ける存在・ニャルラトテップの端末である奏氏は、砕かれた神・ハスターを操る少女アスキスと出会う。 地球に顕現し、人類を実験材料にする30柱の神の殲滅を目的とする、神智学研究所と争う彼女は、同時に緑の月の神を崇める教団とも対立する。 神の実験を完遂させるため、教団を裏で操る神智研の狂える科学者・宮坂。儀式により召喚される緑の月の神アキシュ=イロウを、アスキスは奏氏を介して引き出した混沌の力で砕く。 片腕を犠牲にしてまで戦う理

          ケイオスシーカー

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          怪談ジゴロ

          誰かが怪異に襲われた時、その男は現れる。 その名はカズマ。都市伝説を口説く男。 第9話 肩たたきババア  わたしが日直のときに限って、先生は用事を言いつける。  わたしが優等生で、何を言われてもニコニコ笑って受け入れるからなんだろうけど、別にわたしは良い子なんかじゃあない。そのほうがトラブルが少ないだろうと、計算しているだけだ。 「ありがとう。笹野のおかげで早く済んだよ」 「いえ。それじゃあお先に失礼します。先生さようなら」  社会科資料室の整理には思ったより時間が掛か

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          誰かが怪異に襲われた時、その男は現れる。 その名はカズマ。都市伝説を口説く男。 第8話 オバリョ山の怪女  うちの小学校には、時代遅れにも宿直制度が残っている。  とは言っても、常時という話ではない。少子化が進み、廃校が決まった山裾に立つ校舎。取り壊しが始まる9月までの夏休み期間、警備会社に頼むのを惜しんでの事だ。本来男性教師のみという話だったのに、急な弔事で新任教師の私にお鉢が回って来たという訳だ。  若い女の身だとは言っても、犯罪事件とは無縁なド田舎だし、いざとなれば

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          誰かが怪異に襲われた時、その男は現れる。 その名はカズマ。都市伝説を口説く男。 第7話 口裂け女 「わたし、キレイ?」  人気のない路地裏で、見知らぬ人にそう問い掛けられた時、最適な解はどのような物だろう。  恐らく、聞えなかった体で足を止めずに通り過ぎるか、せいぜい「あれ? ひょっとして、わたしに言いました?」みたいな顔で小首を傾げてみせるといったところか。何にせよ、係るべきじゃあない。  だけど、赤いコートを身に纏い、白い大きなマスクで顔の半分を隠したその女の人は、

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          誰かが怪異に襲われた時、その男は現れる。 その名はカズマ。都市伝説を口説く男。 第6話 死ねばよかったのに  田舎に住んでいると、自動車は日常生活に欠かせない代物だ。通勤だけでなく、子供の送り迎え、ちょっとした買い物にも利用する。徒歩圏内に複数のコンビニが存在するような都会では考えられないだろうけど、コンビニへ行くのにも自動車が必要になってくる。  僕の住む町も、役場の有線放送で、山から下りてくるクマやイノシシの警報を流すくらいの田舎だ。その代わり、休みの日や平日の夜にも

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          誰かが怪異に襲われた時、その男は現れる。 その名はカズマ。都市伝説を口説く男。 第5話 生首ドリブル  放課後の校庭には、僕以外の人の姿はない。  僕の通う中学は、休日は夜9時まで校庭を開放している。  強い日差しを考慮して、どの運動部も練習は早めに切り上げている。一度家に帰った僕が、シャワーで汗を流し、ひと休みしてから引き返してきたのは、次の試合でのレギュラー入りが決まったからだ。選んでくれた監督や、他のメンバーに恥ずかしくないプレイをしなければならない。  父さんも

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          誰かが怪異に襲われた時、その男は現れる。 その名はカズマ。都市伝説を口説く男。 第4話 寺育ちのTさん  友人Aがバイクで事故を起こした。  幸い足の骨折だけで済んだが、2か月はギプスの世話になるらしい。  暇な悪友たちとつるんで見舞いに行き、マジックでギプスに励ましとからかいの文字を書き込んでいると、Aは 「赤いワンピースの女に見惚れちまってな……」  と白状した。  聞けば事故の現場は見通しの良い直線で、当日は路面の状態も悪くなかった。 「完全に自業自得じゃねーか

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          誰かが怪異に襲われた時、その男は現れる。 その名はカズマ。都市伝説を口説く男。 第3話 カシマさん  長年の夢が叶い、4Pの特集記事を任されることになった。  オカルト専門雑誌、『月刊ミー』。オカルト女子だった私が、小学生の頃から読んでいた憧れの雑誌に、投稿ではなく、顕名で記事を書くことになったのは訳がある。予定されていた先輩ライターが穴を開けたから――ありていに言えば代原だ。  先輩は優秀なライターだったが、取材対象にのめり込み過ぎるきらいがあった。いわゆるビリーバー。

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          誰かが怪異に襲われた時、その男は現れる。 その名はカズマ。都市伝説を口説く男。 第2話 メリーさん 『わたし、メリーさん。いまゴミ置き場にいるの』  その電話が、知らない番号から掛かってきたのは、3日前のことだった。  小さな女の子の声。回線の状態が悪いのか、ノイズ交じりで聞き取りづらい。  つい通話してしまったが、リダイヤルすると、使われていない番号だと告げるメッセージが流れた。  1週間前別れたばかりの彼氏のことが思い浮かぶ。パソコンいじりが趣味で、和製ホラーが好

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          誰かが怪異に襲われた時、その男は現れる。 その名はカズマ。都市伝説を口説く男。 第1話 こっくりさん  放課後の5年2組。  夕陽が差し込む教室の中、わたしたちは異様な雰囲気に飲まれ、動けずにいた。  面白半分で見物をしていた子たちは逃げ去り、残されたのは十円玉に指を置いた3人。  みのりはもう泣きべそをかいているし、沙耶香の顔色は真っ青。  わたしも、ほんの少し理性のバランスが崩れれば、悲鳴を上げて逃げ出しそうなくらい追い込まれている。 「こっくりさんこっくりさん、

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