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こんなタイアップ記事が書きたかった!

OTEMOTO創刊編集長の小林明子です。

OTEMOTOの創刊から半年が過ぎ、ありがたいことに広告出稿のお話をいただくようになりました。今回は、メディアのマネタイズのひとつである「タイアップ記事」についてお話させてください。

広告記事に署名をつける理由

OTEMOTOの運営会社である株式会社ハリズリーは、老舗革製品ブランドの土屋鞄製造所の親会社であるため誤解されることが多いのですが、ふだん編集部は自由に「編集記事」を制作しています。これとは別に、グループブランドや他社クライアントから依頼を受け、広告や宣伝のためにお仕事させていただくのが「タイアップ記事」です。

2023年2月、積水ハウスさんの「賃貸ZEH」に関するタイアップ記事を公開しました。

ZEH(ゼッチ)とは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略称で、省エネと創エネを組み合わせてエネルギー収支ゼロを目指した住宅のこと。賃貸でも、太陽光パネルで発電した電力を各戸で使えるだけでなく、余ったら「売電」すると収入になるというのです。

賃貸住宅は立地や家賃やデザインで選ぶことが多いですが、選んだ賃貸がZEHであれば、住むだけで環境に負荷をかけずに済み、快適かつお得。個人的にも共感した、そんな「無理のない点」にフォーカスした企画を提案しました。

OTEMOTOでは、タイアップ記事でも筆者名を公開しています。広告であっても、取材者や編集者としての視点を大切にして企画を提案しているからです。

もちろんクライアントの目的に沿った提案は大前提です。しかし、自社発信とは異なる価値をOTEMOTOに期待していただいているぶん、編集者としての意見やひとりの消費者としての視点は積極的にコミュニケーションさせていただいています。

この記事は、公開当初のタイトルは、「知らないうちに電気代が...賃貸住宅に暮らす31歳の夫婦が驚いたこと」でした。「ZEH」というワードの認知度はまだ低いことと、ZEHが何かを知らない人にこそ読んでもらいたかったからです。記事公開から1カ月後に「家賃が高めでもコスパが良いと感じる理由。話題の「賃貸ZEH(ゼッチ)」、気になる電気代は」というSEOを意識したタイトルに変更しました。

先方の担当者と細かくやりとりしながら多くの人に届けるためにアイデアを出し合うプロセスは、メディアの価値や可能性をとことん追求している実感がもて、とてもやりがいがあります。

幸せをつくる広告の力

私は、社会課題を自社の商品やサービス、ビジネスによって解決したいと考えている企業の中の人たちの熱い思いに触れ、心を動かされて事業会社に転職を決めた経緯があります。

心を動かされた企業の1社が積水ハウスさんでした。「『わが家』を世界一幸せな場所にする」というビジョンのもと、男性育休の推進を社長が宣言。自社で男性育休取得率100%を達成したのにとどまらず、日本全体に普及させるために発信を続け、2022年は賛同する81企業・団体を巻き込んでプロジェクトを展開しています。

私たちの「この商品がほしい」という欲望のもとをたどると、それぞれが満たしたい幸せや、手に入れたい未来があります。「自分はこうなるとうれしいな」「こんな明日になってほしいな」というポジティブな願いをかなえる商品やサービスを提示できるのは、広告の力だと私は考えています。

OTEMOTOは小さなメディアだからこそ、タイアップ記事のつくり手が直接、クライアント企業の中の人と対話することができます。人々の幸せを真摯に応援しようとしている企業であれば、法的、倫理的に問題のある商品を「宣伝してほしい」、規制スレスレの表現を「工夫してほしい」といった注文がくることはありえません。もしかしたら受注が実現しないこともあるかもしれませんが、そこまでの対話のプロセスは長期的かつ広い視野で見ると無駄にはならないと信じています。

対話から生まれる企画

実際は、メディアの表現を尊重してくださるクライアントが多いと実感しています。すでに自社の取り組みや発信が成熟している企業だからこそ、付加価値として第三者の視点や手法を求められているからだと思います。

例えば、ハリズリーグループのジュエリーブランド BIZOUX のタイアップ記事は、広告表記のクレジットこそありますが、記事の最後にようやくブランドや商品の説明が出てくるだけです。

このタイアップ記事が実現した背景には、BIZOUXというブランド自体が「らしさを尊重する」という強いメッセージをもっていることがあります。20年前、宝石といえばダイヤモンドで、カラットが価値基準だったころから、「その人の個性に合った宝石こそ美しい」と100種類以上のカラーストーンを取り扱い続けてきたブランドです。

ダイヤモンドもいいけれど、二人の関係性や愛の形が無数にあるように、ブライダルジュエリーも、もっと二人らしくて構わない。

BIZOUX COLOR BRIDAL

日常使いのジュエリーだけでなく、ブライダルのシーンでも色の選択肢を増やしたい。ただ、たくさんの人に祝福される場面だからこそ、「自分たちらしさ」を率直に表現するのが難しいこともあるのかもしれないーー。担当者と対話するうち、就活のリクルートスーツや制服にもつながるテーマだと話が深まり、フォーマルシーンのドレスコードについて考える企画がごく自然に生まれました。

京都精華大学デザイン学部准教授の蘆田裕史さん(ファッション論)には、ジュエリーにとどまらず広いシーンで身に着けるものの制約について紐解いていただき、読みごたえのある内容にすることができました。今はブランドのサイトにも記事が転載されています。

OTEMOTOでは、編集記事だけでなくこうしたタイアップ記事の制作を通しても、「人もモノも大切にされる社会」「自分らしさを自由に表現できる社会」の実現を、さまざまな人たちと協業しつつ目指していきたいと思います。

OTEMOTOの編集方針やタイアップ記事の実績、概要を掲載した媒体資料はこちらからダウンロードできますので、どうぞご確認ください。

<サムネイル>  @otemoto_media

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