『ベルサイユのばら』-その11 オスカルの男性性と女性性の葛藤 女性性の目覚めを象徴する一生に一度のドレス場面-
(Spoiler Alert!ネタバレ注意!)
みなさん、こんにちは!
ベルばらのYouTube作成やらなんやらで、またまた更新が滞ってしまいました💦
昨日、最新のベルばらYouTube(Part6)を投稿したので、宜しければご覧ください。
さて、前回の記事では、フェルゼンがアメリカ独立戦争が終わってフランスに帰国するあたりの場面をみながら、フェルゼンとアンドレがオスカルを女性としてみているか、等について書きました。
今回は、その続きのシーン、「オスカルの一生に一度のドレス」場面を主にみながら、オスカルの男性性と女性性の葛藤についてみていきたいと思います。
オスカルは、ベルばらに登場したばかりの頃(特に冒頭シーン)は、もう男性にしか見えませんでした(少なくとも私にとっては・・・💦)
フェルゼンに「(男性として生きることに)女性として寂しくないのか?」と問われ、父に男として育てられてきて、それが当たり前だったオスカルは、「寂しいと思ったことはない。」と答えています。
そして、フェルゼンとアントワネットの仲が宮廷で噂になった時、オスカルがアントワネットに謁見を願い出た場面で、逆にアントワネットから「あなたに女性の心を求めるのは無理なことだったのでしょうか。」と言われてしまう・・・。
この頃のオスカルは、ジェンダーの割合で言うと、ほとんど100%男性のようでした。
つまり、男性性のレベルが女性性のレベルよりはるかに上回っていました。
しかし、フェルゼンと出会って彼を愛するようになり、彼女の中で眠っていた女性性が徐々に目覚め始めます。
ロザリーに「いっそ、本当の男性だったらどれだけ楽だったか」と感情を露わにし、フェルゼンを思えば思う程、フェルゼンの心に女性として入るスキがないことに苦しむオスカルが描かれるようになっていきます↓
この頃は、男性性と女性性の割合が同程度(男性性50%、女性性50%)で、オスカルの中で最大の葛藤を引き起こしていたのかもしれません。
オスカルは、フェルゼンと結ばれることはないと重々わかっていた(フェルゼンはアントワネット一筋だから!)ので、自分の恋心にけじめをつけようとします。
そして、ドレスを着てフェルゼンの前に女性として現れたオスカル。
このオスカルの「一生に一度のドレス」シーンは、めちゃ重要です。
(余談ですが、オスカルが来たトルコ風ドレスは、「ベルサイユのばら展」でも展示されているほど・・・。)
オスカルが(あんなに嫌がっていた)ドレスを着たのは、もちろんフェルゼンを忘れるため、自分の実ることのない恋心に区切りをつけるためですが、
もう1つ重要なことがあります。
それは、100%女性として人前に立つこと、です。
この時は、オスカルの女性性はほぼMAXだったんじゃないでしょうか。
100%女性としての自分(容姿)を人前にさらけ出す、というのはオスカルの人生で初めての試みで、それだけオスカルはフェルゼンに女性としてみられたかったんだな、ということがわかります。
ドレスを着たオスカル、美しすぎる!!!
アンドレじゃなくても、その美しさにドキドキしてしまう!!
ドレスを着て現れたオスカルに、(オスカルとは気づいていない)フェルゼンは、彼女を見た瞬間、ダンスに誘います。
私、このシーンを見て思ったんですが、初めてフェルゼンと出会った18歳の時に、このように女性としてフェルゼンの前に現れていたら、フェルゼンはオスカルのことを好きになっていた可能性もあるかもしれない、と思いました(身分的にどちらも伯爵ですしね)。
女性として、フェルゼンの腕に抱かれてダンスするオスカル。
もうオスカル、嬉しいのを通り越して、ドキドキしっぱなしだったんじゃないでしょうか・・。
その上、思いがけず、オスカルとよく似た人を知っていると言って、オスカルのことを語り始めるフェルゼン。
オスカルは、思いがけず、フェルゼンが自分をどう思っているのか、聞くことが出来て、嬉しさと同時に悲しさも心に広がっていったのではないでしょうか。
これで、「フェルゼンのことを諦められる」と涙したオスカルですが、人間の心は、そんなに単純じゃないんですね・・・。これが・・・。
この件に関しては、また追々記事に書くとして、このドレスシーンの時のアンドレも重要です。
ドレスを着るのは、フェルゼンのためか⁉と、心の中で思っているアンドレ。
ちゃんとアンドレ、オスカルがフェルゼンを愛していることに気づいています。
オスカル、誰にも自分の恋心を言ってないのにね。
さすが幼馴染!というか、同じ片思い同士だから?でしょうか。
ベルばらでは、アンドレがフェルゼンに嫉妬するシーンは描かれていないんですよね。
ジェローデルに対しては、めっちゃ嫉妬していましたが・・・。
やはり、オスカルと結婚する可能性が、フェルゼンよりもジェローデルのほうが断然高かった(フェルゼンはアントワネット一筋で、一生誰とも結婚しない宣言していたから)し、ジェローデルは求婚できる身分だった(平民のアンドレから貴族のオスカルに求婚することは不可能)し・・・。
このドレスシーンの後、ベルばらのストーリーでは、いよいよ黒い騎士の場面に移っていきます。
黒い騎士の頃から、アンドレがクローズアップされ始め、オスカルとの関係性が見どころの1つになっていきます。
アンドレが、オスカルの女性性を最大限に開かせてくれるんですよね。
オスカルの女性性に火をつけたのはフェルゼンですが、花開かせたのはアンドレなんですよね。
べるばら、ここからが面白いんですよね。
では、今日はここまでにしたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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