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きょうだい会#04(20231112)

開かれた対話の、はじめの一歩
きょうだい会は、みなさんと対話を深めることで、小さな気づきを持ち帰って頂きたいと思って始めました。自分の内面で起こる小さな気づきは、見たものや、聞いたこと、何かに触れたり、本を読んだり、何らかの刺激を受けて起こることがあります。では、どうして対話をすることで悩みが解消されるのでしょうか。
専門的な勉強をしていないので難しいことは分かりませんが、わたし自身のこれまでの経過を辿ってみました。
 
1.背景
■家族との不和(無自覚)
思春期を過ぎたころから、家族と距離を持つようになり、そのまま社会に出て仕事をしていました。兄が発症してからも、わたしが家族と向き合って話しをすることがありませんでしたが、自分が家族とうまくいっていないという自覚はありませんでした。
 
2.きっかけ
■兄の再入院(不安)
数年前に兄が再入院をしたときに、初めて兄の病院に付き添い、統合失調症の症状と直面することになり、わたしはとても大きな不安を抱えることになりました。
 
3.問題の顕在化
■相談相手の不在(専門知識がない)
それまで兄のことを周囲にも話すことがなかったので、どんなに自分の不安を相談しても「大変だね」と心配され、気遣いを受けるだけでした。自分が病気やケアに対して無関心だったので、まったく専門知識がなく、そのことについて相応しい相談相手が周りにいなかったのです。
 
4.解決策の検討
■ネット/家族会議/施設に相談(興味や疑問)
そこで、片っ端からネットで調べたり書籍を読んだり、施設に問い合わせたり、専門的な相談ができそうな人にコンタクトしました。家では、母と兄と3人で何度も家族会議を開いて、いまの不安を解消するためにはどうすれば良いかについて話し合いを行いました。
 
5.気づき
しばらく情報収集をしながら、自問自答をしたり、兄自身との会話の中で、あることに気づいたのです。
それは、
「人に悩みを打ち明けられない(こころの問題)があるということを自覚していなかったことがわたし自身の問題である」
ということでした
 
6.行動
そして、自分の悩みを打ち明けたいということを施設に相談して、「きょうだい会」の立ち上げ至ったのです。
 
簡単に書いていますが、兄の再入院からきょうだい会の立ち上げまでは、試行錯誤しながら5年以上くらいかかっています。
 
わたしが母や兄と対話をすることは、自分の内面に向かうことだったのです。とても深いところで気づきを得ることになりましたが、そのきっかけは、とある作家さんが主催しているライティング講座に参加したことでした。はじめは「書く」ということがよく分からずに参加したのですが、言われるがままに書き始めると、これまで言葉にならなかった自分の内面を(ドロドロと吐き出されるように)書くことができるようになったのです。書いたあとはぐったり寝込んでしまうくらい消耗しているのですが、そのあとはスッキリ。つまり、こころのデトックスができたということだったと思います。
 
きょうだい会のテーマである「開かれた対話」のためには、自分の内面を打ち明ける、表現することがはじめの一歩だと思います。嫌なことを思い出したりして辛い気分にもなることがあるかもしれません。これまでひとりで抱えていたことを打ち明けるのですから、これはとても勇気のいることなのです。
 
きょうだい会も今日で4回目です。
こうして、今日も私自身のお話しをさせて頂いています。みなさんのお話を聞かせて頂きながら、ぜひ、「開かれた対話の、はじめの一歩」について意見交換をしていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。

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