「土がやわらかだといい」(詩)
最果てに咲いた
笑顔のおわりに
誰が唇を寄せたのか
泡のようで
膜のようで
恋のようで
捩じれのようで
誰の手にも 整えられない雲
光はあきあきしても照らし 先へ
本当に鮮やかなものが
背中側にしかないのだとしたら
このありかたは暗がりへの坂道で
冷たさが手を引いているとしても
急ぐこともないね
ちっとも
私たち
ゆっくりと 首に重くなる思い出に
最果ての土はやわらかだといい
風が打つ
私はまた 明るい身の足を差し挟む
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