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自分の強さを誇らない_『ダンジョンズ&ドラゴンズ』を観て

この連勤が終わったら、
絶対観に行こう、、、

そう思っていた映画を、
今日観てきました。

タイトルは
『ダンジョンズ&ドラゴンズ』。

最初、この映画のCМをYouTubeで観た時は
「なんだろう、このB級感しかしない映画は、、、」
でした笑
まったく観る気持ちにはならなかったのです。
でもちょっとだけ、
ハムナプトラみたいな映画だったら嬉しいな、
とは思いました。
ハムナプトラ大好きなんですよね。
あのエンタメ感!見ていると無性に元気になる感じ。
ちょっとお馬鹿で、感情大ぶりで、茶目っ気がちょっと目盛りを越えてて、
最後はめでたしめでたしで終わらせてくれる感じ。
今でも時々見返している映画の一つです。

あんな気持ちになる映画が最近あんまりないな~と感じていました。
なので、この映画がそうだったらいいな、と。

で、
観た感想ですが、
“ロードオブザリング”を“ハムナプトラ”のテンションでやったよ!
という映画でした笑
つまり、とっても好きな映画でした。

この映画を観ようと思った直接の理由は、
好きなユーチューバーさんが声をあてられていると知ったからです。

映画を観に行くきっかけって、こんなものですよね笑
こういう期待値で観に行く映画が、
物凄く面白かったら大興奮してしまいますよね。
まさにこの映画がそれでした。

あらすじは、、、

様々な種族、モンスターが生息する世界、フォーゴトン・レルム。盗賊のエドガン(クリス・パイン)と彼の相棒である戦士のホルガ(ミシェル・ロドリゲス)は、ある目的のために旅に出る。特殊能力を持った魔法使いサイモン(ジャスティス・スミス)とドルイドのドリック(ソフィア・リリス)、そして聖騎士のゼンク(レゲ=ジャン・ペイジ)とパーティを組み、全世界を脅かす巨大な悪の陰謀に対峙することになる・・・。

Filmarksより引用

まず最初が極寒の刑務所からはじまり、
見た目からしてもモンスターな囚人がやってきて、
主人公たちの入っている監獄部屋に入ってきます。
主人公のエドガンはベッドで編物をしていて、
もう片方のベッドには相棒のホルガが芋を頬張っています。

女がいっしょの部屋かと浮かれる新人囚人。
とめるエドガンをガン無視して新人囚人は彼女に話しかけるのですが、
次の瞬間には叩きのめされて冷たい床に横たわっています。

このホルガがめちゃくちゃカッコいいです!!
女戦士!なんででも戦えちゃいます。

芋を食べてるときが幸せなんて、可愛すぎるのに笑

二人は、
どうしてもこの監獄を出ていきたいので、とある計画を実行します。

無事脱獄をはかるふたり。

エドガンは、
はじまりは正義の騎士でした。
見返りを求めないことを約束し、悪を挫いていく。
ハーパーという組織に入っていた彼を、
彼の妻は理解し、
支えていました。
しかし、
そんな彼の生活を一変させる出来事が起こります。
妻が彼の留守中に彼の捕まえた魔導士の一味の残党に殺されてしまったのです。
それをきっかけに、自分の正義を見失い、酒に溺れるエドガン。
赤ん坊の娘を連れて酒屋で飲んだくれる日々のなか、
そんな彼を見かねてホルガが力づくでエドガンを立ち直らせていきます。
二人は手を組んで娘の面倒をみつつ、
盗賊をはじめます。
そしてそのうち、
祖先はすごい魔法使いなのに自分に自信がもてず、力をうまく使えない魔法使いの青年サイモンと、詐欺師のフォージと手を組んで盗賊稼業を続けます。
そんなある日、
彼らに手を組まないかと言ってきた魔導士がいました。
女は、エドガンが所属していたハーパーが悪人たちから押収したものを集めている場所を襲いたいのだという。
最初は手を組むのを拒んでいたエドガンでしたが、
そこには死者を生き返らせることができる聖なる板”があるのだという。
それを手に入れるために盗みに入ったのですが、
侵入を気付かれ、追手が迫り、
エドガンとホルガは捕まってしまったのでした。
捕まる瞬間、エドガンは目的のものと娘のことをフォージに託すのでした。

逃亡した二人が向かったのは、
勿論娘のもとでしたが、
元の住処はもぬけの殻で、
なんとフォージは領主になっていたのでした。
そこに娘のキーラもいる!
と意気込んで会いに行くエドガンでしたが、
そこで待っていたのはフォージによって父親の裏切りを刷り込まれたキーラの冷たい目だったのでした。

彼の裏切りを知って、
怒り狂うふたりを、フォージは殺そうとするのですが、、、

はたしてエドガンはフォージのもとから娘を取り戻すことができるのか?


ここからは、ネタバレします!!!




冒頭からのアクションや、
背景の美しさや、
建物などの美術のこまやかさに目がとっても楽しい!!が続きます。

ホルガの元夫の小人の男性が出てきた瞬間、
「ホビットじゃん!!」
とひとり興奮しました笑
ロードオブザリングでは、
ホビットと人間やエルフたちとの身長差を出すために、
あれやこれやと古典的な手法を用いたり、
低身長な役者さんや、逆に高身長な役者さんを使っていたりしたので、
今はこんなに自然に同じ画面に映れるのか!と驚きました。
(ロードオブザリング見過ぎているのは分かっているんです、、、)
それにしても、
あの小人の男性の見た目がフロドくんに似ていて、
そこも反応してしまいました笑
(そう思ったのは私だけかもしれません笑)

飲んだくれの主人公と、
その相棒の戦士のホルガも酒に溺れがちという設定に、
苦笑いがもれつつも、
なんだか愛せてしまう人間味が
複雑なような、大雑把で想像の枠が大きいような。
でもとっても魅力的であるのは確かです。

さまざまな生き物に変身できるドリックが、
城の偵察をしにいって敵に見つかり逃げ惑う場面は、
久しぶりに手を握りしめて見入ってしまいました。

強いのか弱いのかよく分からない主人公。
強いんだけど酒飲みで手がはやいホルガ。
祖先はすごい魔法使いなのに、自分に自信が持てずに魔法がうまく使いこなせない魔法使いのサイモン。
人に裏切られてきたために信じることができないドリック。

彼らは正義感に溢れた人物ではありません。
だけど、その分まっすぐに、
時々折れ曲がって折れ曲がって結局まっすぐに、
進んでいくことになる人たちです。

そんな彼らをひとつにしたエドガンの
「俺たちは止まっちゃいけない。
負け続けないといけない」
という言葉が好きでした。

敵の城に潜り込み、
なんとか娘の誤解をとこうとしてエドガンは
「おまえを置いていったのは、
母親を生き返らせられると期待させて、
それを叶えてやれなくてがっかりさせたくなかったからだ。
でも、
あのときおれが生き返らそうとしたのは、
お前の母親じゃない。
おれの妻だった。
おまえは覚えていないから分からないかもしれないけれど、
会えばきっとおれの気持ちが分かる。
彼女はそれくらい素敵な人だった」
というようなことを話します。
この“おまえの母親じゃなくて、おれの妻を生き返らせたかった”という告白に、胸をつかまれました。
これがあっての、
ラストのホルガに対して“生き返らせることができる板”を使う決心なのが、
胸をつよくつよく打つのです。
彼女は、きっと生き返って娘に会いたかったでしょう。
でも、
エドガンは亡くなった愛する彼女ではなく、
キーラを“私の娘”と言い切り、最後までキーラのことを気遣っていたホルガを、キーラのために生き返らせることを決めます。
今度こそ、
“娘の母親”を生き返らせることを選ぶのです。
自分の人生を棒にふってしまいそうになるくらい大切なひと。
彼女に会うために、どれくらい彼は絶望をねじ伏せてきたのか。
それでも、彼女は絶対にその決断を「それでいい」と言ってくれるでしょう。
エドガンには、そう頷く彼女が見えてたんですから。
そんなことが頭を一周する頃には、もうマスクがべしょべしょになるくらい私は泣いていました。

ホルガは、まったくエドガンのことを男としてみていないということと、
エドガンも彼女のことを“きょうだい”という認識で決定しているところ。
そしてその上で二人ともがキーラを“私たちの娘”と認識しているところが、
本当によかったです。

いろんなファンタジーあるあるや、
世界初のRPGと言われるだけのことはある設定やキャラクターたちも、
ずっと楽しいです。

去年の『RRR』のような、
頭を空っぽで観られるという映画でありながら、
その世界観は分厚く、
しっかりとした手触りを感じさせてくれる、すごい映画。

そして、映画館で観るのが一番楽しい映画です。

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