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薬をやめた後の自分との向き合い方

抗うつ剤セルトラリンを完全にやめてから5カ月ほどが経ち、初めての秋冬を迎えました。やめてからも日々の気分や体調の移り変わりを手帳に記録し続けているのですが、やはり精神状態の浮き沈み、振れ幅は大きくなったと思います。ただ、今は薬でホルモンバランスを制御していた頃の自分の状態を知っていて、カウンセリングや独自に勉強して得た知識もあるため、落ち込んでいる時の自分を客観的にとらえることができるようになったし、そのままズルズルと落ち込み続けずに踏みとどまることができるようになりました。

自分自身、そこまで分かりやすくPMS(月経前症候群)があるほうではないと思っていたのですが、記録を振り返ると生理前の落ち込みが一番深刻であることに気づき、ホルモンバランスというものの精神への影響力を改めて感じています。そして北欧の秋冬。日照時間自体の減少と曇天の影響もやはり無視できません。秋冬に雨や雪で全く太陽を見ない日が二週間ほども続く中、生理前を迎える危険さ。これを乗り越えるのがどうしても難しい時があります。この後に晴れの日が訪れた時の気楽さと言ったらありません。昨日までの苦しみは一体なんだったのかと呆然としてしまう…

それでもここスウェーデンでは無理をしないことが第一で、仕事にそこまで効率を求められないので、特に皆が暗い日のしんどさを共有している時は、少々集中できていなかろうが早めに帰ろうが誰も何も言いません。

スウェーデン社会で働いてみて、またカウンセリングを経て、自分がこれまで日本で育ち、働く間に築き上げてしまった「インポスター症候群」の大きな存在を知ることになりました。それについてはまた改めて深く掘り下げて書いてみたいなと思うのですが、とにかく、スウェーデンでは特に、そんなに完璧にできていなくても誰も何も思わないし、むしろ、そんなに頑張らなくていいのよ、と諭されるぐらいなのに、いつまでも、もっとできなきゃいけない、全然できてないし役に立ててないから申し訳ない、という気持ちに苛まれ、自分の存在意義を見失い消えてしまいたくなったり、ストレスを抱え過労状態を続けてしまったり…薬をやめてからは、それが自分で自分を抑うつ状態にする火種になっていることがより分かるようになりました。

何かをできるだけ完成度を高く仕上げようとすることや、感受性が豊かで何かに大きく心を動かされてしまうことが悪いことだとは思いません。それが自分を自分たらしめてきたもので、ある種のアイデンティティにもなっていると思うのです。それを薬で抑え込んでしまうことは、とても楽にはなるけれど、どこか寂しい気がしてしまう…だから、このままの自分をうまく受け入れて、めんどくさい部分と楽しく生きて行くこと。それが、薬を経て「成長」した自分が、実際に実践できるようになった自分との向き合い方なのかな、と今のところは思っています。

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