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薬をやめると決めたなら

トータル二年ほど服用した抗うつ剤、セルトラリン。経済状況や生活環境が落ち着いて楽しく暮らせるようになったことを機に、いよいよ薬を手放す方向で日々のルーティンを見直しました。

前回、薬を飲むのは良くないという偏見が抜けきらない状態で、焦って唐突に服用をやめてしまい大変な目に遭ったため、今回はかなり慎重に自分の健康状態と相談しながら進めていきました。

50mgだった容量をまず25mgに減らして一カ月、その後二週間ほどを50mgと25㎎を一日交替で、それからさらに一週間を25㎎に、という風に徐々に変化させ、最終的に服用をやめました。前回のことがあったので、最初は頭痛やめまいがくることを覚悟していました。そして案の定、下を向いたり頭を速く動かしたりするとまあまあのめまいがしたのですが、それでも前回よりは随分まし。仕事に支障をきたすほど辛くなったときは、その都度25mgを服用し、次の服用までの期間を3日、5日、一週間と徐々に延ばしていくことができました。

今現在、もうほとんどめまいを感じなくなったのは、完全に服用をやめてから一カ月後のことです。薬をやめる時は、始める時よりも体の変化に慣れるのに時間がかかります。そしてやはり、服用時よりも寝つきが悪くなったり、過度な集中やそれによる疲労の蓄積、気分の浮き沈みも出やすくなったり、薬によって整えられていたことに陰りが見られてきます。

それでも今の私は、カウンセリングによる認知のし方の改善や、生活環境をほぼ完全に自分に合わせたこと、人間関係や仕事のストレスが随分減ったことなどにより、自分が本来持っているネガティブな面を落ち着いてできるだけコントロールできるようになりました。ですので、その時の自分の力ではどうすることもできない何かしらの悪影響がある場合は、やはり薬の力を借りることをおすすめしたいですし、やめる時にはそれなりの覚悟が必要だということもお伝えしたいです。私のスウェーデンの友人たちの中には、精神障害や発達障害の軽減に抗うつ剤や専用の薬を服用し、一生を薬と共にするだろうと決めている人もいますから、それも一つの選択だと思います。

脳の不調は他の体の部位の不調と別物ではありません。透析やインシュリン注射を生活の一部としている人もいるように、脳のホルモンや伝達物質を整える薬が必要な人もいるのです。ただそれがまだ数値など、目に見える形でないがゆえに偏見を持たれやすくなっているということなのだと思います。

今の私は抗うつ剤はやめたものの、睡眠を補助してくれるギャバや精神安定に効果のあるアシュワガンダなど、サプリメントを活用しています。そしてもちろん、食生活や睡眠時間、運動、ストレス発散など、自分自身でしっかりと生活リズムや精神バランスに気を配ることが何より大切。

やりたいこと、やるべきことに挑戦して、失敗を重ねても落ち込まず進む方向を変えてまた新たに挑戦していくこと。その積み重ねだと思います。筋力も、語学力も、楽器の演奏や乗り物の運転や、趣味も仕事もなんだって、日々のその繰り返しによってできるようになるものなのではないでしょうか。得意なものでも、少しの努力でプロになれるなんてものは何一つないと思います。時間がかかりますし、上り坂ばかり続くしんどい時もあります。だから焦らず、ダメな日はダメな日で休んで、挑戦することがありすぎて人生ヒマしないな!ぐらいの気持ちで進んでいけたら…少なくとも私は今、そう思っています。

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