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環境を変えられないときは薬に頼って良いと思う

新しい部屋、新しい町に住み始めて一ヶ月半ほどが経ちました。スウェーデンに移って8年、これまでずっと間借り生活で、やっとやっと!自分で自分のアパートを契約することができました。独りで一からやり直して5年、たくさんの友達、好きな仕事を得て、念願の自分の城を手にすることが叶い、未だに少し夢のような気分です。

自分で選んだ新しい家具やセカンドハンドで見つけたときめくもの、植物(お世話が楽で見た目も好きなサボテンや多肉植物を集めています)、ポスターや雑貨…自分の好きなものだけで自分の居場所を作っていく楽しさ…!こんなにも素敵なことだったっけ。

本当に自分だけの空間を久しぶりに持つことができて気づいたことは、これまで私をうつにしていた原因の大部分は環境の影響だったのではないかということです。いわゆる適応障害。自分の安心できる家がない中、経済的な不安や孤独を感じながらスウェーデンの学校に通い、卒業や就職のプレッシャーに押しつぶされそうになりながら、さらにパンデミックで普段はあまりならないホームシックになり…振り返ればかなり過酷な環境を耐え、生きながらえてきました…

まじめな人ほど環境のせいにできず、自分に厳しく向上しようと励むもので、日本にはそういう方が多いと思います。さらに子育てや介護など、簡単に責任を放棄できる立場になかったり、経済的な理由で簡単には仕事をやめられなかったりと、どうしても環境を変える選択ができない方も少なくないと思います。

どうしようもないほど辛いときは、カウンセラーやお医者さん、そして薬に頼ってひとまずやり過ごすことは必要なのではないかと、それらを用いてやり過ごしてきた私は思うのです。あまりの辛さに自分を傷つけたり、自分で命を絶とうとしたりする前に、一度落ち着いて冷静になりましょう。そうすると、これはいらないな、こっちのほうが大事だな、そしたらなんとかなるな、という道が少しずつ開けてきます。

一番怖いのは、罪のない誰かを傷つけてしまうこと。そしてその後悔にずっと苛まれること。それを避けるために、熱やアレルギーを抑えるのと同じように、薬で落ち着くことは賢明なのではと思います。私が服用しているセルトラリンは比較的体に負担の少ない安全な薬です。

そんなこんなで毎日の生活がどんどん楽しくなる中、セルトラリン50mgを服用し直してほぼ一年が経ち、薬を減らすことにしました。最初は一日50mgと25mgを交互に続け、それから25mgの日を増やし、今は毎日25mgで落ち着いています。やはり、最初は脳のバランスが変わるせいで怠く疲れやすかったのですが、始めたときもそうだったように、慣れるまでのしんどさはどうしてもありますね。

初めて薬の服用を始めてから二年弱になるでしょうか。その間ほぼ禁酒状態でした。だからといって別に特に何の問題もないのですが、そろそろ我が城で少しはおいしいお酒も呑めたらなと思っています。

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