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【連載小説】ファンタジー恋愛小説:魔法の遺産~運命の紡ぎ手~ 第三話 レイスとライクス。二つの名前を持つ王子

前話

「旅?」
 セレーナはきょとんとしている。
「この石版を見つけたからには残りの半分を見つけてもらわないと行けない、という決まりがあるんだ」
「そんな呆れた決まり誰が作ったの?」
 セリーナの呆れた声にマルコムは答える。
「君のご先祖だよ」
「呆れた王様ね。これには光と闇がなんやらとは、書いてるけれど、それを集めてどうするの?」
「この二分された世界を統一することになる。この国、シルヴァリア王国は光、君の王国ノクトリア帝国は闇を象徴している。そして我々自身の中にも光と闇がある」
 そこまで言ってマルコムは時計を見た。
「セリーナはもう上がりだね? 私が王宮に出向こう。お母上にも話すべき事があるんだろう?」
 そう言ってライクスの方を見る。
「俺はレイス。そこの生意気な女は俺を王子と言ってるけれど、そんなお高い者じゃない。ただ、記憶がないため周辺諸国を巡って記憶の欠片をあつめている」
 偉そうに言うのをセリーナは文句をつけたかったがマルコムが見て慌てて言葉を飲み込む。
「レイス、か。今はそう呼ぼう。セリーナもいいね?」
「まぁ。それはいいけれど……」
「とにかく、片付けをして王宮へ急ぐよ。さっさと禁帯出本を直して」
 マルコムは手伝わない。石版を持っていく準備をしている。あと一日しか本には触れられないセリーナは懸命に仕事をする。見ていたレイスと言った青年は見かねて手伝う。
「重たい本を持ってどうして笑ってるんだ?」
 ライクスの質問にセリーナは固まる。
「あら。どうしてかしら。本が好きなだけなのに、この仕事も好きになってしまったみたいね。もう、戻れないのに」
 悲しげに瞳が揺れるのを見てレイスという青年はなんとかしたかった。しかし、自分にはそんな力はない。
「セレーネは王族なのか?」
「ええ」
 上の空でセリーナは答える。本に夢中になっている。
「王族はここの仕事はできないな」
「ええ」
 とまた上の空。このイライラさせられる王族の娘がどうしてこんな一般人のいる図書館で働いているのだろうか。
「本が好きなんだよ。セリーナ姫は。私だけが彼女の身分を知っている。だから他の司書達にも内緒にしておいてくれ」
「はぁ」
 飄々としたマルコムにも気がそがれる。この国には生意気な姫と鈍いナイフのような責任者しかいないのだろうか。考えている内にセリーナの仕事は終わり、マルコムに引き連連れられて石版と共に王宮へと向かったのだった。
 
 ライクスとレイス。どちらが本当の自分なのか、記憶を失った青年はただ、それだけを考えていた。


あとがき
一応進んでいる物から載せているのですが、急に暇になり(仕事が行けない)ChatGPTさんとか書いた物の続きが書けないかとパソコンの中でうろうろ。で。これ、どこまで載せたっけ? と見たら二話だけ。それは忘れ去られるだろうということで久々に更新です。しかしアデーレさんの物語がまた禁断の恋状態で(兄弟ではない)なんとか悲壮感を漂わせず、明るいシーンを書こうと考えているけれど、あまり歯の浮いた台詞は言わせたくない。友情から恋心に映る過程を丁寧に描きたいという事で、書いてみたという気持ちを抑えてます。書き出したらまた「絆の誓い」のように一日で終わる。そこは避けたいので、連載小説として成り立たせるためには衝動的に書かないのがいい、とこうして更新にしてます。
母が旅行に行くのに、私とほぼ同じで歩けない。ということで杖買いに行ってます。昨日、台所熱中症の手前だったらしく、電話したときにキレたのをさっき謝られました。いや、無理を言ったのは私だからしかたないんだけど。また来週二回も病院です。そして引き落としの金をいれないと。いい加減。困った。つらつら書いてたので消しました。話す相手もいないし、かといって一人で集中もできない(副作用)、漢検いつから止まってるのかしら。あとでまじでしておこう。成美堂さんの漢字ドリルが終わっているのでほぼ復習です。他のテキスト学研も終わりそう。唯一漢検本部の本が遅れてます。十個したのに一から再開したためかなり遅れが。とまた脱線。
ここまで読んで下さってありがとうございました。

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