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それぞれのマカロック。ラブソング。


以前、マカロニえんぴつが好きだという人(通称マカロッカー)と会った時にお互いのプレイリストを見せ合った。

あの行為は、いわゆるエモい系のサブカル恋愛映画で描写されていそうなほど乙なものであったと思う。二人のプレイリストは、同じマカロニえんぴつのプレイリストであれど結構異なっていて面白かった。

そこからお互いが1番好きな曲の探り合いが始まる。その人はヒントとしてその曲がラブソングである事を明かした。

その答えは、驚くべき事に僕が序盤で選択肢から外した楽曲だった。

そう、それは『眺めがいいね』という楽曲。

ちなみに上記の動画は僕が参戦したライブである。
そしてこの曲を初めて聴いたのもここだった。

横浜アリーナを景色を見渡して嬉しそうに「眺めがいいね〜!」と叫ぶVo.はっとりはさながら少年のようだった。曲振りでもあり景色を見た感想でもあったこの言葉も相まって、僕はこの曲が“そういう曲”なのだと認識していた。“そういう曲”が何かは言語化できないが。あまり歌詞など気にせず聴いたのだと思う。

そのライブから数ヶ月経って、『眺めがいいね』という曲が1番好きだと言う人に出会い、それをラブソングと言うのだから驚いた。

確かに歌詞をよく見るとラブソングだったし、なんなら切ない曲だった。ノリだけで歌詞を気にせず聴いていた自分をぶん殴りたい。

眺めがいいね 最上階でワインとディナーで、
なんだか空しいね
長めがいいわ 最上級のキッス&ハグ
どうか忘れないで愛すフリ

『眺めがいいね』/マカロニえんぴつ

マカロニえんぴつらしい言葉遊びと、胸に鋭く突き刺さるような繊細な歌詞。

「眺めがいいね」という晴れやかな気持ちと「なんだか空しいね」という切ない気持ちが相反しながらも共存している感じが好きです。
視覚的な感動はあれど、心がその眩しさに伴っていないような、そんな感じ。

あの時出会ったマカロニえんぴつ好きのあの人、この曲がラブソングだと教えてくれてありがとう。


マッチングアプリをやっていた時に好きな歌手をマカロニえんぴつとする人とメッセージを交わした
話を聞く限り彼女は失恋をした傷を癒すという建前で傷を誤魔化そうとしていた。彼女がその人の事を本気で好きな事が伝わってきたから僕は無理に諦める必要がないという旨を伝えた。彼女はどこの誰だか知らない僕に背中を押されて、アプリをやめてもう少し諦めずに彼を追い続ける決心をした。僕に「ありがとう」と言った。
そんな彼女にマカロニえんぴつで好きな曲を聞いたら『哀しみロック』と答えた。

行かなきゃ
僕は君の犬になれるけど
君はね、猫だから大丈夫
ひとりでも大丈夫

『哀しみロック』/マカロニえんぴつ

心が弱ったところをマッチングアプリで誤魔化そうとしたけど大好きな彼のためにもう一度踏み出した彼女らしい曲だ。

大学時代、マカロニえんぴつのライブへ一緒に行った友人は『ミスター・ブルースカイ』をLINE MUSICに設定していた。マカロニえんぴつを知ったきっかけは推しのアイドルからのオススメだったけど、その友人がいたからよりハマったので感謝している。

大学卒業間際、きっともう二度と会わなくであろうその人にマカロニえんぴつの好きな曲を聞いたら『girl my friend』と答えた。理由は聞かなかった。


この曲はもうタイトルから好きだ。my girl friendではなく『girl my friend』なのだから。
泥臭くて、寂しさがあって、強がりもあって、ボロボロでズタズタで、でもキラキラしているそんな青春ラブソングだと思う。

本当にごめんね こんな僕で
ごめんなこんな僕で
もし邪魔じゃなかったらどっかに
仕舞っておいてね

『girl my friend』/マカロニえんぴつ


マカロニえんぴつ好きな人10人集めたら10人とも違う曲をあげるんじゃないかというくらい幅が広いバンド。大好きだ。

『ヤングアダルト』に出会って、『hope』で春を感じ、『溶けない』で彼らのファンクに胸打たれ、『トマソン』で童心に帰り、『悲しみはバスに乗って』で疲労を労り、『ハッピーエンドへの期待は』なんて自分に当て書きしたのだと本気で思ってしまうくらい僕の人生だ。

ちなみに僕はマカロッカー達に好きな曲を聞かれたら『この度の恥は掻き捨て』と答えた。

マサラタウンにさよならバイバイではなく、ただいまと歌う、サトシリスペクトの僕にはハマらないわけがない。

大事なものに出会う度
大事なものを無くす旅
大事なもの以外を許す日々である

『この度の恥は掻き捨て』/マカロニえんぴつ

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